ボタン泌尿器科いまりクリニックからの
お知らせ・日誌・出来事

ボタン(平成 20年度10〜12月)

泌尿器科いまりクリニックに働く職員による、職員のための日誌、研究会報告などです

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医院大掃除:

平成20年12月25日今日は午後からの手術が無かったので、職員全員で院内外の大掃除を行いました。外来、事務室、病棟の病室と詰め所、透析室、手術室、レントゲン検査室、待合室、職員休憩室の備品を全部運び出し、掃除をして床のワックス掛けを行い、大層きれいになりました。皆さんご苦労様でした。お弁当のお土産が有りました。520円にしては結構な弁当でした。その後有志の男子職員と雀荘で院内マージャン大会を行いました。おつかれさん。

佐賀県有床診療所協議会総会:

平成20年12月19日19:00〜20:00佐賀市ホテルニューオータニで開催され、院長が出席しました。美川会長の挨拶と報告が有りました。次年度から院長が伊万里地区の幹事になりました。有床診療所は入院費が非常に安く抑えられていますので、経営は楽では無いので、毎年1000の有床診療所が減少しています。佐賀県でも今年は10人以上の会員が減少しました。病院の最低のレベルの入院費よりもさらにもっと安いのが有床診療所です。来年の診療報酬の改定では少しでも増えればよいと思っております。

医院忘年会:

平成20年12月9日伊万里市南波多町、寿司割烹玄海丸で院長の招待で開催し、職員45人が参加し大いに盛り上がりました。今年は当直や病欠をのぞいてほぼ全員が参加し、本当の意味で医院全体の忘年会のような気がいたしました。幹事さんのおかげでビンゴゲームで景品も有り、寿司のかぶり物もありました。会の前に年賀状用の集合写真も撮りました。2次回、3次会も有り、中には4次会まで行った職員も居たようです。

今年も1年間何とかやって来れました。職員皆様のおかげと感謝しております。来年もよい年でありますように。

医院待合室の改築:

平成20年12月6日から7日にかけて、待合室の畳の間を少し削って、畳を板張りにしました。古かった畳が小綺麗な板張りになりました。用務の頑張りで、今年はその他に合併浄化槽の設備外観を塗り替えてきれいにし、駐車場の砂利を追加投入して整備し、排水溝の清掃、屋外の喫煙休憩所の整備等、医院の環境がかなり良くなったと自負しております。

テレビフォーラム:透析室における安全対策とその問題点

平成20年12月2日佐賀市中外製薬佐賀営業所(西田徳男、所長)で開催され、院長が出席し勉強しました。さいたまつきの森クリニック、栗原怜院長が講演し、それを佐賀営業所のインターネットで拝見しました。以下はその時の要旨です。

危機管理の目的は、1.患者の安全を守る、2.職員の安全を守る、3.施設の資産を守る、医療界では安全管理の面で、原子力産業や航空機産業などに比べて安全管理が遅れているようだ。その理由としては、医療では人の介在することが多い、患者の状況などが均一でなく、マニュアル化しにくい、トレーニングが不十分のまま現場に出る、人的事故が多いなどが有る。透析医療では事故が起こりやすい。なぜなら、複雑な体外循環が有る、スタッフが多く、交代も多い、スタッフが患者から離れる時間が多い、警報システムが簡素で不完全、多くの患者が同じ部屋で透析するので院内感染も多くなる。透析事故の実態として、空気混入、抜針による大出血、院内感染が有る。平成12年までは空気返血法により、空気混入の危険が有ったので、生食水返血法に変更するようにしている。平成12年の実態調査では、全国3500施設で、21000件の事故が有り、372件が重篤な事故であった。平成8年から11年の間に透析死亡が17人居た。透析回路が外れて大出血になるのを防ぐために、回路の接合部を押し込み式では無くて、ねじ込み式(ルアーロック)に変更している。患者の事故抜針は認知症患者に多い。平成19年に作ったシャント事故防止10個条を張り紙して貼っている。

事故の対応:何はともあれ処置と治療、誰にもわかる記録を残し今後の教訓とする、本人家族に隠さず報告と説明、事故情報を共有、対策マニュアルを更新。平成19年4月医療法改正で、医療安全の確保のために、医薬品安全管理、医療器械安全管理を行うように義務づけられた。安全管理責任者を置き、マニュアルの作成と研修の実施などを行う。エラー対策として、間違いを起こさない仕組みfool proof、間違いを起こしても事故につながらない仕組みfail safeを作る。

伊万里・有田地区三師会学術講演会:佐賀県医師会推薦糖尿病医療機関制度関連講座

平成20年11月29日(金)19:00〜20:00伊万里市迎賓館で開催され、院長が出席しました。順天堂大学、河盛隆造教授による特別講演、エビデンスに基づいた糖尿病治療戦略、がありました。糖尿病患者はたいへんに多いので泌尿器科医としても糖尿病を勉強することは大切と存じます。

糖尿病の診断が付いた時点からすぐに治療を開始して、将来の新血管イベントを防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞を予防することが必要と言うものです。そのために血糖と血圧のコントロールが必要。日本では2型糖尿病の認識が甘いので、軽いうちは無治療で、病気が進んでからて治療するが、これでは遅い。心血管イベントの予測因子として動脈硬化があり、動脈硬化の指標として、内膜中膜複合体肥厚度(IMT)が良い。血糖管理不良群ではIMTが健常群の4倍の速度で増える。高血糖が1年続くとIMTは有意に増える。HbA1C6.0の群で見るとその後6.5になった群は5.5に下がった群よりもIMTが増えていた。HbA1C 6.5では厳格な管理とは言えない。

UKPDS:英国の研究、糖尿病患者5102人を10年、20年、30年と追跡した貴重な研究。初めの10年間強化療法をするとその後従来療法に替えても効果が持続した。legacy effectと言う。しかし、血圧の管理ではそうは行かなかった。血圧の管理は常に必要。そして、高血圧患者を診る時その後に糖尿病になると思われる場合は、糖尿病を防ぐことの出来る降圧剤を選ぶ。高血糖が膵臓のβ細胞を潰しているので、ARBでインスリン抵抗性を抑えるのみでは無く、膵臓のβ細胞をも守る。

佐賀市長光園おくんち:

平成20年11月29日(金)佐賀市の肢体不自由者養護施設・社会福祉法人長光園 (佐賀市兵庫町:田口一樹 園長)にておくんちが開催され、いまりクリニックから副院長が参加しました。

平成20年度特定給食調理従事者研修会:

平成20年11月25日(火) 18:30-20:30伊万里市民センター 文化ギャラリーで開催され、管理栄養士の林君が参加しました。以下はその時の報告です。

食品の安全と安心について
西 博人 (佐賀県くらし環境本部くらしの安全安心課 副課長):ミートホープ事件を契機に食の安全の問題が次々に判明してきた。様々な事件の報道がなされることにより消費者はより食品に対する不安が増している。不安の原因としては、汚染物質、残留農薬、細菌・ウイルス、食品添加物、遺伝子組み換え食品など。しかし、危険性(リスク)は消費者と専門家ではその認識に違いがある。消費者の考えるリスクは「危険なものがある+不安(感情的反発)」で、専門家は「危険なものがある+出会う機会」である。リスクは感情ではなく理性で判断するものだが、しかし人間は感情で判断しやすい。判断力をつけるのは情報と教育(食育の重要性)。
 食品安全に関する監視・指導体制について。国の体制と佐賀県の体制の紹介。佐賀県の場合、「くらしの安全安心課」が中心となって関係各課と連携している。今年から県警本部との連携を強化し偽装表示の取り締まりを強化している。

感想・考察と今後の職場の活用出来る事:食品に対する不安が増すなかで食事を提供する私たちの責任はとても重い。安全で安心できる食事を患者さんに提供する為には安全な食材を手に入れる事が大事で、出所のはっきりした食材を使うべきであると思う。地産地消というは安全な食事を提供する上でとても重要な取り組みだと考えられる。
現在給食に使用する食材の多くは地元の伊万里産の農産物を用いている。この取り組みを継続していく事が大事だと思う。また、情報を提供することも患者さんに安心を与えることに繋がるので、掲示板や献立表を通じて私たちの取り組みを知らせていきたいと考えています。

九州人工透析研究会:

平成20年11月23日熊本県立劇場で開催され、透析室から5人が参加しました。以下はその時の報告です。

九州人工透析研究会

演題 :CKD−MBD レグパラがもたらす新しい治療展開、
    CKD−MBD の新しい治療戦略他
(招請講演、一般講演他)
演者 :福岡赤十字病院 副院長 平方 秀樹先生
    神戸大学大学院医学研究科腎臓内科学准教授、
    腎、血液浄化センター長 深川 雅史先生他

(内容抜粋)レグパラが使用されることにより、PTH、P,Caのコントロールも今まで以上に容易なものとなり、PTXの回避、透析予後の改善にもつながる。PTHの高い人でレグパラは貢献している。
 リハビリを透析中(30分間)に行うことによって、透析中の血圧低下を予防でき、なおかつkt/vも良好になった。

感想 考察 
  今回の研究会での講演でまず思ったことは、ランチョンセミナーでも話されたように、新しい治療薬、治療法などの透析治療が次の段階へステップアップしていることを感じた。
  また、医療スタッフを取り巻く環境も変化しており、技士による、看護業務への参加、何処まで行えばよいか、また、どの業務内容が行いにくいかなど発表も見られた。
 これからも、透析医療は進化して行き、それに携わるスタッフの知識、技術の向上の必要性を改めて感じた研究会だった。
 当院でも、取り入れるべきところは積極的に取り入れ、今後の治療、業務に役立てたいと思う。

Male LUTS治療フォーラム:

平成20年11月22日(土)15:30〜18:40ザプリンスパークタワー東京で開催佐賀大学麻酔科、中島幹夫教授による特別講演、1.壊死性筋膜炎と有明海、2.南極越冬の思い出され、院長が出席しました。LUTS(下部尿路症候群)について、膀胱尿道のα‐1受容体の基礎的研究とシロドシンの臨床治療について6題の発表が有り、勉強しました。その後は新丸ビル、バルバロッサクラシコで今は売れっ子の有名になったかっての釣り仲間の篠田謙一博士と、もう一方の釣り仲間のアスカ製薬の川原真幸部長、嬉野温泉病院の倉冨一成君と楽しく旧交を暖め、霊長類研究所のチンパンジーの話、テレビ出演時の裏話、官僚達の話題など話が弾みました。

第4回佐賀西部地区外科系懇談会:

平成20年11月10日(月)19:00〜20:30武雄市医師会館で開催され、院長が出席しました。佐賀大学麻酔科、中島幹夫教授による特別講演、1.壊死性筋膜炎と有明海、2.南極越冬の思い出、がありました。地道な野外研究の成果には、感銘を受け、そして大いに勉強しました。

壊死性筋膜炎の起炎菌にはビブリオ菌(Vibrio vulnificus)と、A型溶血性連鎖球菌によるものとがある。このうちビブリオ菌による壊死性筋膜炎は、佐賀大学の救急で40数例経験し、進行が速くて激症のためにそのうち救命しえたものは僅かに4人。有明海沿岸の県、佐賀、福岡、熊本、長崎県に患者が多い。有明海の魚市場で新鮮な魚介類を実際に調べたところ、ビブリオ菌を高率に発見し、魚介類の種類に差は無かった。そして、壊死性筋膜炎は夏に患者の発生が多く、中年で、しかも肝臓が悪い患者に出現する。有明海沿岸では夏に雨が多く降り、海水の塩分や比重が低下し、この時にビブリオ菌も増加していた。このために夏に肝臓の悪い人が、ビブリオ菌の入った魚介類を生で食べる時に壊死性筋膜炎になりやすい。ビブリオ菌は体内に入って腸で増殖した時に門脈を通って体に広がるが、肝臓が悪いと門脈圧が高進しているので、末梢にビブリオ菌が散布されるのでは無かろうか。

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伊万里・有田地区三師会学術講演会:佐賀県医師会推薦糖尿病医療機関制度関連講座

平成20年10月29日(水)19:00〜20:00伊万里市迎賓館で開催され、院長が出席しました。久留米大学糖尿病性血管合併症病態・治療学、山岸昌一准教授による特別講演、糖尿病血管症阻止のための集学的治療戦略、がありました。講義の内容は泌尿器科医の私にもわかりやすく、大いに勉強しました。

糖尿病における心血管障害を防ぎ、健康寿命を延ばすためには、血糖値管理、血圧管理、コレステロール管理の3つを集約的に行うことが必要。血糖値管理だけでは不十分。糖尿病は成人の6−8%、糖尿病予備軍は8−10%も居る。日本人は耐糖能低下が18%、1870万人も居る。糖尿病では健康寿命が15年短い。10年前から透析や失明の原因として糖尿病が1位。糖尿病の50-75%が心血管系イベントで死亡、これを防ぐことが重要。

血糖値の管理:日本人に多い食後高血糖(IGT:耐糖能障害)を防ぐ。日本人では空腹時高血糖(IFG)が少ないので、FBSのみの測定では糖尿病を見落とす。血糖正常型でも中性脂肪やコレステロールの多い人は糖尿病になりやすい。血糖管理の指標として、HbA1C6.5%以下、FBS130以下、食後2時間後血糖180以下、尿ケトン体陰性。食後高血糖を防ぐ2種類の薬、1.グリニド系血糖降下剤(スターシス):インスリン追加分泌の促進。食事開始一口目に飲む。食後のインスリンの少ない人、家族歴があるが肥満の無い発症直後の糖尿病。2.α‐グルコシダーゼ阻害剤(グリコバイ)過剰インスリン分泌がなくても高血糖を抑えるし、中性脂肪も減らす。糖尿病の心血管系イベントを半分に抑える。高血圧の発症を抑える。食後高血糖による血管の錆びつきを抑える。2型糖尿病の血糖抑制治療は、まず食事と運動療法、それがダメなら薬。食後高血糖の人にはグリニド系血糖降下剤かα‐グルコシダーゼ阻害剤を出す。空腹時高血糖には肥満があればインスリン基礎分泌の促進であるSU剤、やせ型ではインスリン抵抗性を抑えるためにピオグリタゾン塩酸塩(アクトス)かメトホルミン塩酸塩(メルビン、グリコラン、メデット)。ピオグリタゾン塩酸塩はLDHを増やし、心不全ではダメ。メトホルミン塩酸塩は腎不全ではダメ。

高血圧の管理:高血圧は日本人の53%が可能性、3970万人が140/90以上。心血管系リスクは115/75から始まり、血圧増加20/10毎に将来の心血管系イベントのリスクが倍増する。糖尿病と高血圧の合併が多く、おのおの半分を占める。HOT試験では拡張期血圧80以下では心血管系イベントが半減し、脳血管障害も半減した。糖尿病での高血圧の管理目標は130/80以下であるが、実際には管理が難しく、日本では18%しかクリア出来ていない。初めから糖尿病があると心血管系イベントは5倍、途中から糖尿病になると4倍になる。糖尿病での高血圧治療は第一選択薬としてACEかARBです。Ca拮抗剤は初めから使用しない、もし初めから使用すると腎血流量を減らすので、腎障害が進行しやすくなる。まずACEかARBを使って、それでもなお血圧が高い時にCa拮抗剤を追加する。日本人では咳と言う副作用が多いので、ACEよりもARBの方が使いやすい。ACEの中でも世界中で使用されているラミプリルは適応範囲も広いし、心不全にも使用出来、エビデンスも確立されているが、かって日本で帝国臓器製薬が治験を行ったところ咳が多くて中断したことがあり、日本でのみ発売されていない。ARBのなかでもミカルディスは他のARBと比べても数十倍PPARγを活性化するので、メタボにも効果的。大型(白色)脂肪細胞は小型脂肪細胞と違って、TNF-αなど悪玉のアディポサイトカインの分泌が亢進し、遊離脂肪酸を増やし、アンギオテンシノーゲンを出し、アディポネクチンを減らす。PPARγの活性化によって大型(白色)脂肪細胞をアポトーシスさせ、小型脂肪細胞を増やす。ミカルディスは単に血圧を下げるだけでなく、アクトスと同じように、インスリン分泌を減らし、中性脂肪も減らし、高感度CRPも減らし、アディポネクチンを増やす。ONTARGET試験では、日本では使用出来ないような高用量のラミプリルとミカルディ80mgと比較で、同程度の効果があった。TRANSCEND試験では咳のためにACEが使えない患者にミカルディスを飲ませて、心筋梗塞あるいは心不全での入院を減らし、糖尿病性腎症と網膜症の発生を抑えた。ARBの量を増やすと血圧の低下は僅かでも腎症の出現を有意に抑えた。

コレステロールの管理:糖尿病における心血管系イベントの最大リスクはLDL。総コレステロール200以下の元気な糖尿病でもリピトールを飲むと心血管系イベントが37%減った。糖尿病では正常値以下であってもさらにコレステロールを減らすのが良い。糖尿病では正常人よりも動脈硬化しやすいのであろう。

平成20年度、第2回佐賀県医師会透析医部会総会・講演会:

平成20年10月25日(土)17:00〜19:00佐賀市ホテルニューオータニで開催され、院長が出席しました。力武医院、本岡精副院長による特別講演、ヘマトクリットの変動とエリスロポエチン、がありました。さらに、医療経営戦略研究所、桜堂渉、代表取締役による特別講演、生き残るための経営、経営危機を脱出するための10の法則、がありました。

透析患者の腎性貧血に対して、エリスロポエチンを投与し、貧血が改善したので投与量を減らすとまた貧血が増悪する。その関係はエリスロポエチンの移動平均値とよく相関した。

生き残るための経営、経営危機を脱出するための10の法則:
桜堂渉氏自信が会社を経営して挫折したことが有った。創業2年目に売り上げが減り、職員が去り、苦労したが、その時の経験が自己を多いに変革し、自身を鍛えられた。困難に立ち向かう時経営者が成長する。困難は幸運とさえ思うようになった。そこで、理論が幾ら有っても行動しないと何もならない。透析施設の経営者はまだ困難を理解していない。今施設は優劣二極化している。成功するのは上位5%。すべてのコストが増えているのに診療報酬は増えないので、利益が減り、さらに、患者の権利意識が増大し、困難さも増える時代になって居る。危機管理プログラム(Contingency plan)が重要。

1.経営者は現状を把握する。MDS(Minimum Data Set)を見れば良い。MDSとはバランスシート、キャッシュフロー、損益分岐点、患者動態、患者数、業務件数、業界シェア。

2.Mind Set 立ち向かうと言う気持ちで心的態度を整える。やる気の維持と継続。小さな達成感と小さな満足の積み重ね。選択肢は一つでない。

3.専門家のアドバイスを仰ぐ。 判らない時は会計士、税理士、労務士を徹底的に利用、相談する。

4.キャッシュフローを改善する。キャッシュ不足の時は銀行とのつきあい方が大事。経費削減を職員に浸透させる。現状と損益分岐点の正確な把握。判らなければ、会計士、税理士に聞く。見かけ上の利益よりもキャッシュが大事。人の使い方を適正化するために総人件費を抑えるが、出来る職員には手厚くする。システム:現場と管理機構の見直し。

5.人を選択し、スタッフを形成する。危機で本当に役立つ人を見極める。会計士、税理士、労務士を徹底的に利用、職員に向かってもらう。経営者の代わりに職員に指導させる。提言させる。誰も働かない病院では他からの意見を活用する。20%の出来る職員の給与を増やし、80%の普通の職員の給与を抑える。出来る職員は普通の職員の3倍貢献しているが、給与の差は僅かなので、不公平。自分の仕事に本当に参加する人は日本では僅か2%と言う報告が有る。自医院の優位性の獲得のために職員の評価を適正にする。評価項目は情熱35%、想像力25%、自発性20%、知性15%、勤勉さやまじめさは仕事するうちでは当たり前のことなので評価に入らない。ロイヤリティー(忠誠度)とパフォーマンスで評価。ロイヤリティーが最重要。職員を区別しないで、選別する。

6.戦略・方針を立てる。思考を整理し戦略を導くためにmind mappingのように、項目を作って、関連するものをつぎ足して漏れが無いようにする。

7.不明
8.情熱を維持する
9.決断する
10.一歩を踏み出す

第58回佐賀県泌尿器科懇話会:

平成20年10月18日(土)16:00〜19:00佐賀市成人病予防センターで開催され、院長と副院長とが出席しました。福岡天神南クリニック、永山在明院長による特別講演、クラミジア感染症の脅威、がありました。

以下にその要旨を書きます。
クラミジアはChlamydiaとChlamydophiliaに分類される。Chlamydiaにはクラミジアトラコマチス(C. trachomatis)があり、Chlamydophiliaには肺炎クラミジア(C. pneumoniae)とオウム病クラミジア(C. psittaci)がある。C. trachomatis が男子尿道炎、女子子宮頚管炎、子宮付属器炎、卵管炎、肝周囲炎、咽頭炎、直腸炎などを起こす。最近反応性関節炎、Reiter syndromeの原因ともいわれている。クラミジアは直径3から4ミクロンで、細菌の3から4分の一の大きさ。しかし、細菌のように細胞膜がありグラム陰性菌とも言えるが、ATPエネルギー代謝系がないのでウイルスのように生きた生体内でないと増殖しない。クラミジアが感染するとEB(elementary body)が入り、8時間で毛様体(RB)になり、分裂して増え、さらに30から40時間でEBを多量に放出し増える。症状が出るのはこのEBに細胞が膨大な数で冒されてから。

抗原の検査法としては、当初は菌体を検出していたが、最近ではDNAprobe法でRNAを検出したり、PCR法やLCR法でDNAを検出する。抗体の検査はクラミジア感染の既往を知る。LCR法ではクラミジアがある封入体が1個以上必要。EBが4個以上で初めて1個の封入体を作るので、EBが4個以下の時にはLCR法の判定ができない。さらに、尿中には燐酸塩が微量にあり、これがLCR法の判定を妨げて偽陰性になることがある。クラミジアが感染して抗菌剤を投与してもすぐにはLCR法が陰性にならず、9日後でも陽性になる。これは疑陽性かもしれないので、抗菌剤投与後すぐに再検査しないほうが良い。最新の検査法、APTIMA cmbo2ではクラミジアと淋菌の2種を同時に非常に鋭敏に判定する。APTIMAcmbo2はEBの中のリボゾームを検出するので感度が優れている。

治療としてはMICのすぐれた抗菌剤を使用する。一方で、MLC(最少殺菌濃度)で見るとキノロン系ではMIC濃度が多いので、1週間くらいと、ある程度長く使用する必要がある。AZTはMICとMLC
が近似しているので短期間の使用でクラミジアを消失できる。

最近の知見:クラミジアが反応性関節炎、Reiter syndromeの原因ともいわれている。感染部位でもないところに炎症を起こ すことを反応性炎症と言う。関節炎患者の滑膜からクラミジアトラコマチスを検出し、クラミジアはEBが増えず増殖せずに潜んでいるが、炎症性物質のサイトカインIL-2を放出し、慢性関節炎に至る。抗菌剤の投与で関節炎が緩解したと言う報告も有る。この場合は数ヵ月投与している。いっぽうで、若くして死亡した方の解剖で動脈硬化が有る場合は、肺炎クラミジアの感染が多かった。

第4回佐賀ウロギネコロジー研究会:

平成20年10月17日(金)18:30〜20:15佐賀市マリトピアにて開催され、院長が出席しました。佐賀大学医学部泌尿器科 中尾孝子先生による、当院におけるコラーゲン注入術の検討と、健保連大阪中央病院、竹山政美泌尿器科部長による特別講演、骨盤臓器脱手術の新展開−TVM手術を中心に、とがありました。TVM手術とは広いメッシュを骨盤腔内に挿入し、骨盤内臓器の逸脱を防ぐ手術。利点としては、詳しい診断でなくても齟齬を生じない。名人芸が不要で修練すれば誰にでも出来る。合性メッシュで支持が強く、再発が少ない。ほとんどの例で子宮が温存出来る。術後OABが改善する。ビデオで手術手技を供覧しました。

医院レクリエーション委員会発足:

平成20年10月1日から職員の親睦と福利厚生の充実のために発足しました。

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