泌尿器科いまりクリニックからの
お知らせ・日誌・出来事

(平成 18年度10.11.12月)

泌尿器科いまりクリニックに働く職員による、職員のための日誌、研究会報告などです

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院内大掃除:

平成18年12月28日午後から手術が無かったので、恒例の医院の職員全員による医院大掃除を行いました。受付、外来、病棟、透析室、廊下、職員休憩室など、備品をすべて搬出し、床を拭いてワックスをかけ直しました。手術室、レントゲン室、厨房と一部の病室は以前から少しずつ掃除していましたので今回は省略しました。ごみ溜めのように散らかった医局は院長と副院長で雑誌や本、書類を中心に掃除しました。その後は他弁と厨房のおにぎりや差し入れのミスタードーナッツで打ち上げを行い、さらに希望者は焼き鳥天道で宴会を行いました。

職員の皆さん大変ご苦労様でした。

医院忘年会:

平成18年12月15日伊万里市ろあじにて開催され、職員35人が参加しました。院長は夜間透析のために出席しませんでした。開会の挨拶で副院長が1年間の外来、入院、手術、透析などの実績を報告しました。

樟葉会18年度総会:

平成18年12月9日佐賀市龍登園にて開催され、副院長が出席し、旧交を暖めました。翌日は大和不動カントリー倶楽部で親睦コンペがありました。残念ながら院長は急性腰痛症のため出席できませんでした。

日浦医院日浦院長の通夜:

平成18年12月7日伊万里市松浦町で長年開業されて居られた日浦医師が急逝されました。泌尿器科いまりクリニックと同じ伊万里市医師会の東部会所属でした。伊万里市中央斎場にて通夜が有り、佐賀大学の薬剤師田崎夫妻と院長、副院長が焼香しました。

伊万里有田地区医師会学術講演会:

平成18年12月6日伊万里市迎賓館にて開催され、院長、副院長と職員3人が参加し勉強しました。佐賀大学神経内科、黒田康夫教授による特別講演、パーキンソン病、最近の知見と治療:疫学、症状、診断、治療がありました。以下にその要旨を書きます。

Parkinson病は意外に多く、日本では15万人の患者がいて、ほとんどは60歳過ぎてから発症している。70歳以上では100人に一人のParkinson病患者がいる。厚生労働省難病特定疾患ではParkinson病の中でも重症のみが認定される。
Parkinson病の原因としては中脳線条体黒質の壊死。中脳線条体黒質はドパミンをつくり、線条体に送っているので、Achは増えるがドパミンが減るので、筋力や感覚は正常。Parkinson病は黒質の障害で、Parkinson症候群は線条体自体の障害なので治療のためには鑑別診断が必要。運動障害の中でも小脳障害であれば前頭葉に対する抑制が取れるので動きが激しくなり無駄な動きが多くなる。線条体は前頭葉を刺激興奮させるので、線条体障害では動きが抑えられて緩慢になる。Parkinson病ではドパミンの量が減って、ドパミン受容体が増える。いっぽうで、Parkinson症候群ではドパミンの量は不変であるが、ドパミン受容体が減るのでこちらの方が難治性。α-synucleinを多く含むLewy小体が黒質の神経細胞中に増えて、これが溶けずに固まって残るので、神経細胞を壊死させる。

Parkinson病の4大症状はふるえ、硬直、緩慢な動作、姿勢反射障害(姿勢が悪い)。この順に症状が出現し、最後の姿勢障害まで5年かかる。診断としては、歩行を見ること、手が震え、手を振らず、手の振りに左右差あり、小刻み歩行で前かがみ。

治療としては、ドパミンと受容体刺激剤を処方。ドパミン剤は安くて即効性があるが、作用が短いので、1日3回飲む。副作用として嘔気が有り、少量から始め、ナウゼリンなどの制吐剤も加える。FP剤はドパミンの代謝を抑えるので、覚醒剤に準じる。シンメトレルの作用機序は不明で、足のむくみが出やすい、利尿剤で効果落ちる。アーテンは抗コリン作用があり、高齢者には使用しない。受容体刺激剤は作用が長いので1日1回で良い。この刺激剤に2種類あり、麦角剤と非麦角剤とが有る。麦角剤は副作用が強いが、非麦角剤は副作用が弱い。これらの薬を多剤組み合わせて使用することが原則。しかし、薬を使用してもParkinson病は進行する。薬を休止すると悪性症候群になり、振戦、高熱、高カリウム血症、昏睡、腎障害が出る。

Parkinson症候群は、脳梗塞などの患者で80歳以上で発症。最初から両側の震えで左右対称性。薬剤性の場合は月単位で早い進行。ドパミンが効果なし。立ちくらみや便秘頻尿などの自律神経症状が強ければ、シャイドレージャー病などの他の病気を疑う。脳のMRIや薬の見直し、123ヨードMIBG心筋シンチで取込みの低下が有る。Parkinson病は脳のMRIで正常のことが多い。

まとめとして、薬はゆっくり使用。早期から姿勢を矯正。wearing-offにはドパミンの頻回内服。dyskinesiaや幻視が出れば、最後の薬から減らす。リハビリは有効。食事失神にはブドウ糖注射がよい、1回の食べる量を減らす。食後横になる。朝体が動かないので、薬を枕元に置き、布団で飲む。

18年度第2回佐賀医学会、第59回佐賀県医師会設立記念祝賀会:

平成18年12月2日佐賀市医師会館にて、平成18年度第2回佐賀医学会、第59回佐賀県医師会設立記念祝賀会が開催され、泌尿器科いまりクリニックから院長が参加しました。武見敬三厚生労働副大臣による講演、医療制度改革の光と陰がありました。

伊万里有田地区の排泄ケア専門員育成講座1コース3回目:留置カテーテルの管理など

平成18年12月4日伊万里市、医師会館講堂にて、泌尿器科いまりクリニックの主催で開催し、院長が講義しました。今回はカテーテル留置について、実地的なことを話しました。

内容は以下のとおりです。

研修予定・排尿に関して
尿路の解剖と生理
排尿の生理、神経機構
尿作成の生理、機序
排尿の症状:正常排尿と異常
    尿失禁、排尿困難
検査法:検尿、画像検査、機能検査
泌尿器科の処置:導尿、留置カテーテル
泌尿器科の病気:炎症、腫瘍、腎不全、性器異常
排泄ケア講習会  第3回目:カテーテル管理
カテーテル留置の適応
1.尿閉または、排尿困難、一時的
2.尿失禁:膀胱容量が50ml以下
   (萎縮膀胱)
3.陰部の手術創の汚染を防ぐ
4.手術・分娩の前後
5. 検査での無菌尿・1日尿の採取
留置カテーテルの心得

いろんなカテーテル
カテーテル
留置カテーテル(バルーンカテーテル)
 内径の数:2-way 、3-way 、
形、用途:腎盂、チーマン、止血用

導尿用
ネラトン
 先端開口、側口
実際の使用カテーテル
カテーテルの素材と断面
フッ素樹脂PTFE: ポリテトラフルオロエチレン
テフロンは、特異な性状を持っており、用途もきわめて広範囲
耐化学薬品性:酸およぴアルカリ、有機薬品に対しても全く安定、耐オゾン性も良好で、耐候性も十年間の曝露試験に対して全く変化ない。吸湿性、吸水性も0.00%
摩擦係数は非常に低く、氷以上、自己潤滑性
バルーンカテーテルのカフ
バルーンカテーテルのカフ
小さなカフ:2-5ml
  腎盂バルーンカテーテル

中くらいのカフ(普通これ):10-15ml
  普通に使用されるカテーテル 

大きなカフ:30-50ml
  止血用カテーテル、術後
間欠留置カテーテル
夜間のみなどに留置
繰り返し使用できる
カテーテルのサイズ
フランス式:今はすべてこれ
  1Fr.=1/3 mm 2Fr.=2/3 mm 
    15Fr=5mm、30Fr=10mm(1cm)

イギリス式::ネラトンカテーテル
  1号=1.5 mm 2号=2.0 mm
バルーンカテーテル挿入時に用意するもの
カテーテル、普通はFr.13-18
カフ用注射器5-30ml
キシロカインジェリー30ml 1本
消毒用イソジンか、ハイアミン綿球
ピンセット
集尿器(ウロバック、ウロガード)
カテーテルプラグ(栓)
バルーンカテーテル挿入時の必要品
キシロカインジェリー
尿道注入用のアダプター
採尿バッグ1
採尿バッグ2
レッグバック 1
レッグバック 2
閉鎖式採尿バッグ
カテーテルプラグ
カテーテルプラグの保管
プラグと集尿器(ウロバック)
プラグ
  元気な人、
  膀胱容量が大きい、
  尿意がある人
  入浴時
集尿器(ウロバッグ)
  寝たきりの人、
  尿意が無い人、
  膀胱が小さい人
カテーテル取扱上の注意点
手洗い
カテーテルの挿入前、挿入後に手洗いを行います。
カテーテル挿入時の注意点:1
無菌的
無痛的:潤滑剤、キシロカインジェリー
患者の羞恥心を考える
無理に挿入しない、強い抵抗があればやめる
カテーテルを根元まで入れる
カテーテル挿入時の注意点:2
尿流出を確認する
バルーンへの注入液には滅菌水を使用、生食水はダメ

カフの注水時や抜水時に極端にシリンジ先端をねじ込まないこと
カテーテル留置時の注意点
注水時や抜水時に極端にシリ
ンジ先端をねじ込まないこと
カテーテル留置のトラブル 挿入時
カフを尿道で膨らませる:尿道出血
直腸損傷をする、尿道出血、
    ますます挿入できなくなる
カテーテルが入らない、挿入時の抵抗があるのにカテーテルを無理に挿入し、尿道を損傷、偽尿道を作る

留置カテーテルの固定
留置カテーテルの固定

 

カテーテル挿入後のトラブル
尿路感染症:膀胱炎
カフの破れ:結石、ひっぱる、欠陥品
  カフには滅菌水、新しい水道水
 事故:足などを引っかけて抜去、自己抜去、カフの水が抜けない
自己抜去した場合:2通りの状況
 1.カフがそのままで抜ける、
 2.ちぎれて先端が残る

留置カテーテルの尿漏れ
・留置カテは万能ではない、尿漏れは有り得る
・膀胱自体のけいれん、収縮:坑コリン剤など
・カテーテル自体のねじれ、閉塞、屈曲、圧迫によるもの 
・カフから先が長い:膀胱壁に埋没 
・蓄尿バッグの問題:接続部のつまり、満杯
留置カテーテルと感染
院内感染の40%尿路感染
尿路感染の80%留置カテーテル

カテーテルの入口部の消毒をしても感染の予防は出来ない。しかし、外陰部を清潔に保つために、清拭や皮膚管理は必要。見た目に汚くては駄目。

膀胱洗浄は必要です
垢が出る:上皮片、塩類、白血球、血塊など
 カテーテルの内腔を塞ぐ
 膀胱結石を作る
 細菌感染がひどくなる
 バイオフイルムを生じる
膀胱洗浄の方法
膀胱洗浄の目安は:尿が濁ったときは毎日、尿がきれいでも週1-2回
膀胱洗浄の液:生理食塩水、滅菌水、
イソジンで殺菌力のあるのは10%原液:薄めて使用すると殺菌力は弱くなる

膀胱洗浄
長期カテーテル留置の合併症
尿路感染:1週間で100%生じる
 慢性膀胱炎、慢性尿道炎:観察、抗生剤不要
   急性前立腺炎、精巣上体炎:発熱や疼痛を伴う感染は積極的に治療

膀胱結石:異物であるカテーテル周囲に結石ができ、膀胱結石が形成

採尿バッグの排尿用チューブのねじれ・たわみをなくす
弾力性のある材質のバルーンカテーテルの選択
細菌侵入経路
1)カテーテルと
尿道粘膜の間隙

2)カテーテルと
導尿用チューブの
接続部

3)採尿バッグの
尿排出口
留置カテでの入浴・シャワー
入浴・シャワーは可能
カテーテルプラグに交換
 カテ内にお湯が入らないように
院内感染に注意
紫バッグ症候群
紫バッグ症候群
留置カテーテルの患者に慢性便秘症と尿路感染症の併発が起因となって発生する、集尿バッグが紫色に着色する現象で1978年に報告。 
 

紫バッグ症候群
便秘のため、腸内細菌が異常に増殖し、便のトリプトファンがインドールに分解、インドールが腸管で吸収され、肝臓でインジカンとなり、腎から尿に大量に排泄。

細菌は、インジカンをインジコ(赤色)とインジルビン(青色)に分解。
紫バッグ症候群
インジゴは青色色素であり、インジルビンは赤色、その比に応じて桃色から藍色までの紫色で採尿バッグを染める。

この症候自体に対する治療の必要なし

便秘の治療が必要
留置カテーテルが抜けない時
カテーテルのクランプの仕方
バルーンカテーテルのシャフトを絶対にクランプしないこと。
抜けないバルーンの対処法
カテーテルの保存・管理上の注意点
直射日光、紫外線(蛍光灯の光等)、高温、多湿を避けること。 カテーテルを折り曲げたり、輪ゴムでとめたりしないこと。
極力、箱のまま保存すること

尿道皮膚瘻:尿道と皮膚(多くは陰茎腹側と陰嚢の境界あたり)、外尿道口の裂傷
カテーテル留置中の注意 1
尿の流れが悪いとき
カテーテルの側孔部や内腔内の結石もしくは異物の付着
カテーテルの折れ(キンク)による尿流出の阻害
血尿等による内腔の閉塞
不適切な採尿バッグの固定方法
カテーテル留置中の注意 2
カテーテル周辺より尿が漏れるとき
カテ先が膀胱粘膜に当たっている
自然技去
バルーンの片ぶくらみ
カテーテルの折れ(キンク)
閉鎖式採尿バッグの圧抜きフィルターの不良
患者のいきみ
カテーテル留置中の注意 3
バルーンが破裂したとき
カテーテルの劣化
保管時、準備時の損傷
膀胱内の結石
潤滑剤-水溶性を使用

留置カテーテル管理の注意点
カテーテル洗浄、
 接続的膀胱洗浄(3WAYカテーテル)
適性なサイズのカテーテルへの交換
カテーテルが留置されているかの確認
カテーテルの保存・管理上の注意点
水溶性の潤滑剤を使用
採尿バッグの交換

佐賀市長光園おくんち:

平成18年12月1日(金)佐賀市の肢体不自由者養護施設・社会福祉法人長光園 (佐賀市兵庫町:田口一樹 園長)にておくんちが開催され、いまりクリニックから院長以下2人が参加しました。施設を見学して、同時に患者一人を診察し、意見交換して参りまし た。昨年同様に今年も大勢のお客さんで大いににぎわい盛会でした。

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黒瀬眞之輔先生通夜:

平成18年11月27日福岡市古小烏の福岡斎場で行われ、院長が出席しました。優秀な現役脊椎外科医として大活躍されて居られた黒瀬先生が前触れもなく大動脈瘤破裂にて急逝され、あまりにも突然のことに驚き悲しみ焼香いたしました。佐田外科病院の理事長から泌尿器科いまりクリニック院長に直接お電話が有りました。脊損センター時代からとてもお世話になっており、泌尿器科いまりクリニックからも時々患者を紹介しておりました。残念でなりません。

第39回 九州人工透析研究会:

平成18年11月26日(日曜日)大分市にて、第39回九州人工透析研究会が開催され、泌尿器科いまりクリニックから副院長と看護婦、看護士、栄養士が11月25日から1泊2日の日程で参加して、勉強しました。以下はその時の報告です。

  研修報告書   職種 看護師   氏名 吉田和子 

第39回 九州人工透析研究会     日時   平成18年11月26日(日曜日)    場所   iichiko 総合文化センター(大分市)         大分全日空ホテルオアシスタワー(大分市)

  演題  危機管理 (ポスター)

      緊急離脱方法を考える〜災害発生を想定した避難訓練を通して〜

   方法 1.緊急離脱回路による方法

      2.抜針による方法

      3.緊急離脱セット(セイフティカット)による方法

   緊急離脱回路による方法とは

   クランプ付きエキステンションチューブの接続部をA側(オスメス)V側(オスメス)とし、メイン回路の先端を.A側(メス)V側(オス)とすることで、患者側と装置側をそれぞれ容易に、再循環回路として接続できる。メイン回路を取り外し患者側を再循環回路とすることで、装置からの離脱を行う抜針による方法とは自己血管を用いたシャントは、抜針後、枕子を使用し止血ベルト固定人工血管は抜針せず、クランプしたエキステンションチューブとメイン回路との接続をはずし、コネクターキャップを利用し装置からの離脱を行う緊急離脱セット(セイフティカットによる方法確実にしないと失血してしまうカットの場所で回路が邪魔になる慣れてなくやりにくい定期的な練習が必要緊急離脱時には、緊急離脱回路による方法が、良い結果が得られたとのこと
その理由として:最も簡便である、慣れた手技である、スタッフ間での手技の時間差がない、固定テープの剥ぎ取りや必要物品の準備が少ない 

当院、透析室では、緊急離脱のシュミレーションでは、以前は回路切断を行っていましたが、現在は抜針による緊急離脱を行っています。演題発表でもありましたように、抜針による方法は、テープ固定しているため、テープの剥ぎ取りに時間がかかるようです。安全で迅速にできるよう、定期的な訓練と、今後、検討が必要だと思いました。

看護師  境 裕子

日時:平成18年11月26日「九州人工透析懇話会」

 現在、わが国の透析患者数は20万人を超えているものと推測され、今後も年間約1万人の増加が予想されています。また、透析患者さんの高齢化と糖尿病性腎症からの患者増加が顕著となっています。このような状況の中で、透析患者さんをケアする上で必要とされる検査知識や、状況のことなる患者さんごとの検査値のもつ意味の把握など、透析スタッフに要求される知識や対応が難しくなってきています。透析患者さんの検査値には、正常値を著しく超えるものも少なくありません。透析を行うことにより、明らかに改善を示しますが、なお正常値に及ばないこともあります。そのような場合には、何を基準に判断すればよいのでしょうか。また、長期透析で増加している合併症に関する検査法や検査値を知ることも重要である。それぞれの検査項目における標準値、異常値とその原因、検査値からわかることとそこから導き出せる治療方針、患者さんへの指導のしかた、などより専門的知識が必要とされる。看護スタッフの日常業務の中で有効に活用していきたい。

看護師    副島江美子

講演題:地震時の災害マニュアルを作成して

演者:三野原病院 内容  昨年3月に福岡西方地震が発生した。

マニュアルも無く患者の不安も高まり、患者、スタッフ共に地震時の行動指針を明確にするためマニュアルを作成した。

方法として 1.患者用・スタッフ用マニュアルの作成

      2.スタッフでの勉強会と緊急離脱シミュレーション

      3.外来患者14名にマニュアルの指導を行い、前後でアンケート調査を行った

結果 スタッフ:マニュアルは行動指針や対策をチャートと表にまとめた事で理解し易く、行動指針の流れを把握できた。

患者  :指導前では災害を身近な問題として受け止める患者が少なかったが、ほとんどの患者がマニュアルを必要とした。指導後はマニュアルに分かり易い言葉と絵や表を用いた事で全員が内容を理解できた。このことからマニュアルにより行動指針が明確になった。

感想 当透析室でも災害時(地震時)にそなえて患者指導、対策、マニュアル作成を検討中である。アンケート調査を行ったところ、災害が起きること自体に危機感が無く認識が薄いことを感じた。透析中に地震が起きたら、以前は切断方法デHDを終了する。現在は血液を残したまま抜針方法へと変わってきている。患者さんに絶対必要なことだが、そのまえにHDスタッフ、他のスタッフが災害に対する意識を高めあわてず患者誘導ができるようマニュアルを咲く誠意シミュレーションを行い行動指針を明確にする必要があると思う。

准看護師    桑本 崇

講演題:透析中の災害対策・災害対策への取り組み

内容 方法 @スタッフ用災害対策マニュアルを作成、訓練を行う

      A1回目の訓練、マニュアル評価、改訂

      B2回目の訓練

      Cアンケートにて訓練との意識の変化を比較して評価

      D行動指針の簡略化、優先順位をつけたマニュアルの作成。どこまでできるかの判断、 HD続行に対し判断するためのチェックリストを用いる

感想、考察 マニュアルに対しての評価、改訂を行ううえで、実際に訓練を行って見直す必要がある。非難だけではなく、業務をどこまでできるか判断をするためのチェックリストを作成する必要もあると思われる。全体的に災害に対する意識、マニュアル作成など同じように行っているところが多く見られたが、夜間(少人数)などの対応を明確にしているところは少ないと感じた。災害はいつ起こるかもしれないことを念頭に置き、今後の対応、対策につなげようと思う。

研修報告  看護師  藤原 勢津子

 昨年3月の福岡西方沖地震は、それぞれの透析施設において大きな課題を与えました。それぞれ災害時マニュアルを作成し、災害訓練を行って、試行錯誤の状態です。中でも緊急離脱方法は、多く検討されシュミレーションが行われています。当院においても、災害時対策を検討中であり、参考にしたいと思います。また、透析導入期のパス作成の報告もありました。病棟と透析室との連携が大切で一貫した指導・看護ができ、患者がセルフケアを行っていく上で、とても重要です。当院は、まだパスを作成しておらず、いろいろな問題を抱えています。早く取り組みを始めたいと思います。 

栄養士 小野富子

維持透析患者の排便コントロール

水溶性食物繊維(クッキングサプリファイバー)を使用しての発表がありました。

  • 透析患者の6割が慢性的な便秘で下剤を服用している。

クッキングサプリファイバーを1日1g〜6g本人が調整し、水で飲むか食事に混ぜ食することができる。結果8割に効果があり、3割に下剤の使用量を減らす事ができたということでした。腸のぜん動運動に効果があり、使用が簡単なものだったら、維持透析患者以外でも使用してもよいと思いました。

血液透析患者へのNSTの取り組み

クリニックでNSTを立ち上げ、介入患者のうち8割に栄養状態の維持改善がみみられたということでした。入院患者には食事形態や食事内容を変更したり

外来患者には連絡帳を利用し、家庭訪問・病院・施設訪問が行われた。(透析食ではなく腎不全食を提供していた病院もある。)嚥下訓練の開始など。

維持透析患者におけるデジタルカメラを使用した栄養指導の試み リンの高い患者のリン指導 1〜3日の自宅での食事撮影→カメラ貸し出し当院の食事と自宅の食事を画像し、指示栄養量と摂取栄養量の比較利用ができ270mg減らすことができた。

  • 患者さんの記録用紙へ記する負担の軽減
  • 摂取状況の確認
  • 栄養指導の効率化

当院でもリンの高い患者さんがいるので参考にしたいと思いました。今回研究会に参加させていいただいてありがとうございました。興味深く聞く発表が沢山あったので、今後業務で活用できるところは参考にしていきたと思います。

スキルアップセミナー:

平成18年11月21日(火)18:30〜20:00伊万里市民センターにてスズケングループ株式会社、翔薬主催によるセミナーが有り泌尿器科いまりクリニックから看護師が4人参加しました。

研修報告書 看護師 穐本二三

講演題 その人らしく生きるとは 〜心により添うことの意味〜演者 前佐賀県立HP  好生館 緩和病棟師長 松本美佐子
1ホスピスとは…これまでの医療の検査、診断、治療、延命には限界があり痛みと不安に対しては方策がなかった為、1967年セント・クリストファーホスピスが設立された。
2緩和ケアとは…   今までの考えかた 

ガンの病変の治療

痛みの治療と緩和ケア

   これからの考えかた

がんの病変の治療

              痛みの治療とケア

3トータルペイン

@身体的苦痛
痛み
他の身体的症状
日常生活動作の支障

A社会的苦痛
仕事上の問題
経済上の問題
・家庭内の問題
人間関係
・遺産相続

B精神的苦痛
不安
いらだち
孤独感
恐れ
うつ・ 怒り  

   C霊的苦痛
人生の意味への問い
価値体系の変化
苦しみの意味
罪の意識
死の恐怖
神の存在への追求
死生観に対する悩み

こららがからみ合ってトータルペインという。

 4生を支えるケア
苦痛症状のコントロール  
心身の安定性を保つことへのケア
日常性を維持するケア   
コミュニケーション(信頼関係の構築)  
係性を維持する事のケア

5スピリチュアルペイン

自己の存在と意味の消滅から生じる苦痛(生の無意味、無目的、無価値など)それに対するケアとして声に耳を傾けることただ側にいること

?チーム医療

※緩和ケアは見守りやあたたかさが必要である

6家族ケア1

症状マネンジメントと日常生活のケアをタイミングよく適切に行なう、家族が出来るケア、患者さんと一緒にできるケア、患者さんへのマッサージを指導するなど、情報を適切に伝えることの重要生

7家族ケア2

「死別・喪失に直面」することへの援助、喪失予期悲嘆の表現・共感ができるように関わる、Dying processについての具体的状況に関する情報提供、準備(心、物、手配など)することを援助

8遺族ケア

喪失の事実を受容する、悲嘆の苦痛を乗り越える、故人のいない環境に適応する、故人を情報的に再配置し生活を続ける

感想  事例紹介をふまえ講演されました。今まではインフォームドコンセプトだったが現在はパソコン等で調べて患者さんが治療方針を決定する時代になりつつあります。実際に自分で調べて緩和病棟に入院される患者さんの多いとのこと。緩和ケアの目標は、患者の家族にとって、最高のQOLを提供する所、ただ患者さんの自己決定の自由は最大に守られるべきであるが、患者さんの生命の安全とQOLのどちらかを優先させるべきか、という点でNSが直面する倫理的ジレンマがあるのも事実です。患者さんの意向とQOLをどうバランスを保ちながらケアを行うを常に考えなければと思いました。また、家族を含めてのケアが必要であることも再認識させられました。

 

研修報告書 准看師 川崎麻須美

講演題 その人らしく生きるとは 〜心により添うことの意味〜演者 前佐賀県立HP  好生館 緩和病棟師長 松本美佐子

〈ホスピスとは〉…これまでの医療[検査、治療、延命]には限界がある、痛みと不安にたいしては方策はない

〈緩和ケアとは〉

   今まで 

ガンの病変の治療

痛みの治療と緩和ケア

診断時                             死亡時

   これから

がんの病変の治療

                     痛みの治療とケア

       霊的苦痛:人生の意味への問い、価値体系の変化、苦しみの意味、罪の意識、死の恐怖、神の存在への追求

〈生を支えるケア〉

★苦痛症状のコントロール  ★心身の安定性を保つことへのケア

(鎮痛剤使用方法など)   (安楽な姿勢、入浴など)

★日常性を維持するケア   ★コミュニケーション(信頼関係の構築)

(入浴、食事、排泄など)  (患者と目線を合わせる事 言葉かけが大事!)

  • 関係性を維持する事のケア

「どうにもならないことに寄り添うこと」

  • 声に耳を傾けること
  • ただ側にいること
    • 医行為ではなく 人間同士の関わり合いとしての思いやり

?チーム医療(Dr.Ns 薬剤師 心理師 栄養士 など)

〈家族ケア1〉

    • 症状マネンジメントと日常生活のケアをタイミングよく行う
    • 家族が出来るケア(マッサージなど)
    • 情報を適切に伝える事

〈家族ケア2〉

「死別・喪失に直面」することへの援助

      • 喪失予期悲嘆の表明・共感ができるように関わる
      • Dying processについての具体的状況に関する情報提供

準備(心、物、手配など)することの援助

〈遺族ケア〉

    • 喪失の事実を受容する
    • 悲嘆の苦痛を乗り越える
    • 故人のいない環境に適応する
    • 故人を情報的に再配置し生活を続ける

緩和ケア病棟

「死ぬ場所ではなく死までのプロセスの場」

今回参加させて頂き「緩和ケア病棟」での患者さんへの接しかたなどが事例を混ぜてのお話だったのですごく勉強になりました。「緩和ケア病棟」だけでなく全ての医療従事者が患者さんとその家族に対して忘れてはならない内容だと思いました。

看護師 古賀ちよ子

H18.11.21 『その人らしく生きるとは』         

 “心により添うことの意味” 前佐賀県立病院好生館  緩和病棟師長  松本美佐子先生     

医療の進歩により、終末期医療におけるケアや治療を必要とする期間が長くなった現状の中、わが国では、終末期医療を専門とするホスピス専門病棟もごく少数であり、一般病棟で終末期を迎える患者さんが多く居る中、今回、私達が必ず携わるタ-ミナルケアにおいて学んだことをここに報告する。

トータルペインとは*

・身体的苦痛・・・日常生活の支障、痛み、他身体的苦痛

 ・社会的苦痛・・・仕事上、人間関係、遺産拒絶

  ・精神的苦痛・・・不安、いらだち、うつ状態、怒り、恐れ、孤独感

 ・霊的苦痛・・・人生の意味への問い、苦しみの意味、神の存在への追求

  *生を支えるケアとは*

3  ・苦痛、症状のコントロール(薬の換算量の把握)

 ・心身の安定性を保つことへのケア

・日常生活を維持するケア

・コミニュケーション(信頼関係の構築)

5  ・関係性を維持する事へのケア          

 ※ 以上のことは、ナースのアセスメントが重要である!!

又、食、排泄、入浴など、基本的生活動作は、人間の尊厳に関わるものである

ケアにおいては、‘’目線の同一下‘’‘’ちょっとした言葉かけ‘’により患者さんとの信頼関係が築かれる                      

*スピリチュアルケアとは*

 ‘’声に耳を傾けること‘’‘’ただ側にいること‘’、医療行為としてではなく、人間同士の関わり合いとして思いやりが重要である

  • 家族ケア*家族のゆらぎ、関係性によって個別性もあり、‘’こうあるべき‘’‘’ねばならない‘’ではなく機動修正しなければいけない
  • 家族も極めて傷つきやすく、生活の配慮を行う

又、アプローチの仕方として、まず強く意識して、さりげなく見守りながら、日常の会話を鋭敏に察する。相手の言葉を受け止める、一言の重要性!情報を適切に伝えることの重要性

*臨床に求めらること

ナースが直面する論理的ジレンマは、患者さんの自己決定の自由は最大限に守られることを前提にしつつも生命の安全とQOLのどちらを優先させるべきかという点にある

<<考察>>今回の演題は、私個人にとっても、とても興味深い話であり、‘’看護とは何か‘’という原点を見直すことができました。当院でも終末期を迎える患者さんは多く、自分が今、どんな看護、緩和ケアができるかと、いつも自問自答しながら患者さんと向き合ってきましたが、今思うと、ナースとして、アセスメントがしっかりとできていなかったように思います。最期を迎える患者さんにとって、最後まで‘’その人らしく‘’生きられ   ますように、今回学んだ事を今後に活かせたらと思います。

         スキルアップセミナー

'主催 スズケングループ 株式会社 翔薬

研修報告書 准看護師 高取のり子

伊万里市民センター  18年11月21日(火)18:30〜20:00

演題 その人らしく生きるとは 〜心により添うことの意味〜

演者 前佐賀県立HP 好生館 緩和病棟師長 松本美佐子

 ホスピスの始まりや、緩和ケアとは、また、患者様が感じておられる苦痛について、詳しく説明があった。緩和病棟師長としての経験をもとに、事例を用いて、分かりやすく話して頂き、終末期看護に限らず、患者様の思いに寄りそうことの大切さを感じることができた。患者様が感じておられる苦痛には、身体的、社会的、精神的、霊的な4つの苦痛がある。どうにもならないことに寄り寄りそうことが大切であり、人間同士の関わり合いとしての思いやりが重要であると述べておられた。

 また骨折の危険性の高い患者様が望むADLを、どの程度許容するかについては、考えさせられた。話されたように、看護者と患者様が十分にコミュニケーションを取り、話し合うプロセスと、看護者の「冷静さ」が必要であると考える。

終末期看護においては、患者様だけではなく、患者様と密接に関わりのある家族に対する心配りも重要である。残された限りある時間を、家族と共に過ごしていただける様、看護者はケアの指導など情報を的確に伝える役割もある。遺族に対しては事実を受容し、悲嘆の苦痛を乗り越えられる様、悲嘆の表現、共感ができる場を提供し、働きかける事も看護であると考えられる。

 ホスピスにおいては、医療者だけではなく、ボランテイアを導入しており、患者様と同じ立場で話しをし、コミュニケーションをとることで患者様の精神的安楽に繋げているとのことである。患者様が充実感を持って人生の最後を迎えられることを目標に、働きかけてゆくことが、終末期看護であると考える。

平成18年度第1回在宅がん終末期医療推進実地研究会:

平成18年11月10日佐賀県医師会成人病予防センター3階講堂にて開催され、泌尿器科いまりクリニックから看護師が参加して、勉強しました。以下にその時の報告があります。

看護師 吉原 多恵子

講演「在宅ターミナル当院での試みと今後の展望」講師 医療法人光善会 長崎百合野病院、総合在宅センター 在宅・緩和ケア部センター長 中尾勘一郎

苦痛には・・・身体的苦痛       精神的苦痛       スピリチュアルペイン   がある。

痛みの程度、種類にあわせた鎮痛薬を選択する。 非オピオイド、オピオイドを併用: オピオイドの量、個人差、至適投与量を早めに決める。 必要に応じて鎮痛補助薬を使用する。

在宅ターミナルの条件として・・・

  • 患者が真実を知った上で在宅を希望すること。
  • 家族全員が納得して受容していること。
  • 24時間介護できる家族の存在。
  • 医師による往診、訪問看護を行うこと。
  • 治療でなく緩和医療であること。
  • ある程度苦痛緩和が出来ていること。
  • 医療者は、家族もケアすること。
  • 24時間オンコールの医療サポートが受けられる事。
  • いざというときの受け入れ病院や、ホスピス施設を確保しておくこと。
  • 一定以上の居住環境と経済状態であること。
  • 同居していない親族の強い反対がないこと。
  • 死別後の計画的ケアができていること。
  • ホスピスケアは場所ではなく‘こころ’である。

以上の発表がありました。発病して告知をうけ、精神的に衝撃をうけながらも最後のときを迎える患者さんのため又、家族の価値観・人生観・死生観を今回の研修で感じました。そして、医療の側である私たちにとって今後考えて行かなければならないことでもあります。色々な事情で病気で亡くなるかた、自宅で亡くなるかた、当院でも両方のかたがいらっしゃいますができるだけ患者さん、家族の希望に添える看護をしていきたいと思いまいした。

看護師 松永富三代

 まず痛みについて

 痛みの程度に合わせた鎮痛薬を選択する事;非opioido弱opioido 強opioido を使い分ける非opioidoで除痛できなければopioidを併用する 薬の効力を良く理解しておく必要がある。

次に在宅緩和ケアチームの説明がありました。ボランティア 担当医 看護師 地域医療連帯 薬剤師 訪問看師 理学療法士 臨床心理士 音楽療法士 栄養士 ヘルパー で編成されており 患者さんやご家族といつでも本音で話合い お互いを尊重するタームだと。

在宅ターミナルの条件

  • 者が真実を知った上で在宅を希望すること。
  • 家族全員が納得して受容していること。
  • 24時間介護できる家族の存在。
  • 医師による往診、訪問看護を行うこと。
  • 治療でなく緩和医療であること。
  • ある程度苦痛緩和が出来ていること。
  • 医療者は、家族もケアすること。
  • 24時間オンコールの医療サポートが受けられる事。
  • いざというときの受け入れ病院や、ホスピス施設を確保しておくこと。
  • 一定以上の居住環境と経済状態であること。
  • 同居していない親族の強い反対がないこと。
  • 死別後の計画的ケアができていること。
  • ホスピスケアは場所ではなく‘こころ’である。

亡くなられたご家族のケアも家族会で行う。今、施設が足りないとのお話もありました、スピリチュアルケア:失われた生きる意味や目的を見いだす事が可能の様に手助けする事、人格や人間性を尊重し 在宅看護ケアをすすめて行く事

沢山のお話を聴き 此れからの看護に役立てて行きたいと思いました。

看護師 東谷大輔

 長崎市での在宅・緩和ケアシステムは訪問看護ステーション、ヘルパーステーション、デイサービス(施設)が一つの大きなチームをつくり24時間体制で行われていた。そのチームの中には担当者、看護師、薬剤師や栄養士、理学療法士、ヘルパーなどといろいろな役職がチームを組み、在宅緩和ケアを行っていることがわかった。

 在宅ケアチームと聞いたら、主に訪問看護師をイメージすることがほとんどだったが、この講演により(訪問)看護師以外にも上記で紹介した役職やそれ以外の役職がチームを組み「本音で話し合え、いつでも話合える、お互いを尊重するチーム」を組んでいる事がわかった。

伊万里有田地区の排泄ケア専門員育成講座1コース2回目:

 

平成18年11月4日伊万里市、医師会館講堂にて、泌尿器科いまりクリニックの主催で開催し、院長が講義しました。今回は、前回の簡単なおさらいと、泌尿器科の病気についてでした。内容は以下のとおりです。

 

研修予定・排尿に関して
尿路の解剖と生理
排尿の生理、神経機構
尿作成の生理、機序
排尿の症状:正常排尿と異常
    尿失禁、排尿困難
検査法:検尿、画像検査、機能検査
泌尿器科の処置:導尿、留置カテーテル
泌尿器科の病気:炎症、腫瘍、腎不全、性器異常
排泄ケア講習会  第2回目:前回のおさらい、 下部尿路疾患
排尿の生理、排尿筋と括約筋
正常の排尿
低い膀胱内圧で蓄尿できる:低膀胱内圧
排尿したいときに排尿できる:随意性
排尿後は残尿なし:空にできる
尿失禁がない状態:尿禁制
排尿
蓄尿期
膀胱の排尿筋が弛緩、括約筋は締まる
↓ 排尿の開始
括約筋が緩み、膀胱の排尿筋が収縮
↓ 排尿の持続
排尿筋の収縮が続き、その間括約筋は弛緩
↓ 排尿の終わり
排尿筋の収縮が終わり、括約筋は締まる
排尿異常
排尿困難
  尿勢の低下、尿線中絶、尿閉

蓄尿困難
  頻尿、尿意急迫、尿失禁

排尿異常
頻尿と多尿
頻尿:
   尿をたくさん溜める事が出来ない、  1回尿量が少ない

多尿:
   尿が多く作られる、尿量が多い、  水分の取りすぎ、飲みすぎ
尿失禁 incontinence ? (尿禁制 continence)
腹圧性尿失禁:stress incontinence
急迫性尿失禁:urge incontinence
反射性尿失禁:reflex incontinence
溢流性尿失禁:overflow incontinence
遺尿:enuresis
真性尿失禁:true incontinence
機能性尿失禁:functional incontinence
過活動膀胱 OAB:overactive bladder
尿意切迫感を主症状とする自覚症状症候群
2002年国際尿禁制学会(ICS)
尿意切迫
膀胱に尿が溜まる途中の蓄尿時であるにもかかわらず、急激に膀胱不随収縮が起き、膀胱内圧が上昇することによって起こる尿意感覚
排尿異常についての問診
いつから、どこが、どんな

頻尿:昼間、夜間
    多尿と頻尿
尿失禁:どのような型か
  どんな時に漏れるか、量
排尿困難:尿の勢い、尿線の太さ
便秘・勃起の有無
足などの神経症状の有無

排尿記録用紙 泌尿器科いまりクリニック
IPSS:国際前立腺症状スコア
検査
画像検査:X線検査、超音波、MRI
検体検査:検尿、血液、便、髄液、痰
機能検査:心電図、肺活量、視力、聴力、尿流計、膀胱内圧
診断的治療:
検査
排尿記録用紙
検尿・尿沈渣、血液生化学
超音波検査:
水腎症、残尿、膀胱結石、前立腺の様子
レントゲン検査:IVP、尿道膀胱造影
排尿機能検査
尿流検査
膀胱内圧測定
尿流動態検査(Urodynamic Study )
画像検査
レントゲン検査
KUB:腎膀胱単純(腎膀単)
 IVP:経静脈的腎盂造影(DIP)
 RP:逆行性腎盂造影
 AP:順行性腎盂造影 
 UCG:尿道造影
 CG:膀胱造影
 CT:コンピューターによる断層撮影
     単純、造影
血管造影:動脈、静脈、シャント
尿路造影剤とは何か
レントゲンを通過させない
安全である:毒性が無い、アレルギーが無い
腎からすぐに、変化せず、排泄される

尿路造影剤の使用 注意点
アレルギーを起こす??ショック

充分に問診
準備するもの:薬(昇圧剤、ステロイド、補液)、酸素、吸引
血管ルートを確保
検査後も観察

排泄ケア講習会  第2回目:下部尿路疾患
このような尿のトラブルで悩んでいませんか?
尿のトラブルの種類と頻度
尿のトラブルの原因

 

泌尿器科の疾患
下部尿路通過障害
(LUTS:Lower Urimary Tract Syndrome)
前立腺肥大症
前立腺癌
神経因性膀胱
尿道狭窄
排尿障害を起こす薬物
前立腺とは
膀胱のすぐ末梢の器管:精液を作る、発生成長は男性ホルモンに依存
前立腺肥大症
第1病期(膀胱刺激期)
  頻尿、特に夜間の頻尿
第2病期
  排尿困難の程度が強くなり、残尿が発生
第3病期
  自分の力ではほとんど排尿できなくなり、残尿で膀胱がいっぱい
前立腺肥大症の治療 薬物療法
α1受容体遮断薬(α1ブロッカー)
 前立腺の収縮を弱める薬です。前立腺が緩めば、尿道がる

生薬・漢方薬
 副作用が比較的少ない、効果おだやか
抗男性ホルモン剤
 男性ホルモンが前立腺に働かないようにして、前立腺を小さくする
前立腺肥大症の治療 手術
経尿道的前立腺切除術(TUR-P)
開腹手術:前立腺被膜下摘出術
前立腺肥大症の治療 レーザー治療
尿道からレーザー光線を前立腺に当てて、組織を焼く。出血が少なく患者さんの負担が軽い。治療後、症状の改善に若干時間がかかるため、治療後組織が脱落するまでカテーテルが必要。

前立腺肥大症の治療 高温度治療
電子レンジの原理で50度くらいに加温し、前立腺組織を壊死させて、前立腺を小さくします。尿道から処置する方法と、直腸から処置する方法があります。
前立腺肥大症の治療 尿道バルーン拡張法
細長い風船を尿道に入れ、狭くなっているところで風船を膨らませ、尿道を押し広げる方法です。3日間ほどの入院が必要です。
前立腺肥大症の治療 ステント挿入
尿道の狭くなっている部分に固い管を入れたままにし、尿の通り道を確保しておくものです。
前立腺の 肥大症と癌の違い
良性腫瘍:大きくなるが、皮膜を超えない、転移しない

悪性腫瘍:大きくなり皮膜を超える、浸潤する、転移する、致命的になる
前立腺の構造と働き がんができやすいのは辺縁領域
直腸診(触診)
前立腺がんの特徴
高齢男性に多い
進行が比較的にゆっくり
早期であれば根治できる
内分泌療法が有効
前立腺がんの統計
前立腺がんの症状
前立腺がんの 臨床病期別にみた生存率※
前立腺がんの組織学的分類からみた生存率
グリーソンスコア 別にみた生存率※ の比較
治療の種類
神経因性膀胱

過活動膀胱(over active Bladder)
膀胱痙攣、無抑制収縮

低活動膀胱(under active Bladder )
弛緩型

排尿反射中枢
大脳皮質
延髄:脳幹網様体
背髄:第10-12胸髄
    第2-4仙髄 
神経因性膀胱になる病気
中枢神経:脳出血、脳梗塞、Parkinson病、

脊髄:脊髄損傷、多発性硬化症、二分脊椎症、脊髄橋小脳変性症(OPCA)、椎間板ヘルニア、変形性脊髄症、後縦靭帯骨化症、脊柱管狭窄症、HAM

末梢神経:糖尿病、子宮癌術後、直腸癌手術後、
脳出血・脳梗塞の排尿異常
発症後数ヶ月間は弛緩型・低活動型膀胱:導尿が必要

その後次第に膀胱が回復し、けいれん、頻尿、急迫性尿失禁になる
脊髄損傷
脊損医療は第1次世界大戦で発達
脊損患者:受傷後脊髄ショックで、尿閉、尿感染、腎盂炎、腎不全で死亡
間欠導尿(無菌)で急性期を乗り越えた
回復期:膀胱・直腸が最も遅れて回復
固定期:QOLを配慮した尿路管理
末梢神経障害
子宮癌術後、直腸癌手術後、
  尿意が無いか低下、回復しないでも、手圧・腹圧排尿が上手になる

 低活動膀胱:間欠導尿・自己導尿

子宮癌で放射線膀胱炎:組織がもろく、
  易出血性
排尿困難を起こす可能性のある薬
カテーテル留置の適応
1.尿閉または、排尿困難、一時的
2.尿失禁:膀胱容量が50ml以下(萎縮膀胱)
3.陰部の手術創の汚染を防ぐ
4.手術・分娩の前後
5. 検査に必要な無菌尿・24時間尿の採取

第54会佐賀県泌尿器科懇話会:

平成18年10月28日佐賀市ホテル千代田館にて開催され、29人の出席者が有りました。泌尿器科いまりクリニックの院長が事務局としてお世話いたしました。今年は、福岡市で開催されたニューキノロン研究会と重なったなどの理由で出席者が少なかったようでした。一般演題5題の発表と、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科腎泌尿器病態学 教授 金武洋 先生 による特別講演: 日米泌尿器科の現状と未来、がありました。一般演題は中洲医院の中洲肇院長の座長で、以下のとおりです。

1.膀胱異物(毛玉)の1例   

  • 小嶺信一郎、木下徳雄(泌尿器科いまりクリニック)

2.骨盤内膿瘍をきたしたTVT感染の1例

  • 中島のぶよ、川崎麻己、藤山千里、魚住二郎(佐賀大学 泌尿器科)

3.膀胱全摘除術後の予後検討

  • 西村和重、藤山千里、魚住二郎(佐賀大学 泌尿器科)

4.慢性腎不全保存期に発見された原発性上皮小体機能亢進症の1例

  • 小森政嗣、森 英恭、藤崎雅史、中村晃二、安芸雅史、桑原守正、藤崎伸太(藤崎病院 泌尿器科)

5.膿胸を合併した腎破裂の1例   

  • 川崎麻己、中島啓二、藤山千里、魚住二郎(佐賀大学 泌尿器科)

翌日は懇親ゴルフコンペが若木ゴルフ倶楽部で開催され7人出席し、納富病院の、納富寿理事長が優勝されました。

第2回佐賀ウロギネコロジー研究会:

平成18年10月26日佐賀市マリトピアにて開催され、院長が出席しました。佐賀大学産婦人科、横山正俊助教授による講演:女性におけるクラミジア感染症、と、南里泌尿器科医院の南里正晴先生の講演:当院における男子尿道炎の現状、がありました。若い女性のクラミジア感染症が多いのに今さらながら衝撃を受けました。

唐津糖尿病カンファレンス:

平成18年10月23日(月)19:00〜から唐津市の唐津赤十字病院 にて開催され、泌尿器科いまりクリニックから栄養士の前田千代子が出席し、勉強しました。

当院での糖尿性腎症透析患者の栄養、食事管理について、前田病院 管理栄養士 古賀恵子先生

透析 週3回 昼8:30〜  夜15:30〜

エネルギー(kcal)

たんぱく質(g)

脂質(g)

塩分(g)

カリウム(mg)

リン mg

透析

(一般)

1750

55

45

6

1500

800

透析(糖尿病)

1750

55

45

6

1500

800

腎不全

1700

40

35

6

1800

800

一般食

1800

65

44

10

(2300)

(1100)

まとめ
1 糖尿性腎症は一般の透析食と変わりなく提供している。
2 バランスのとれた食品構成、塩分、水分、カリウム、リンを抑える。
3 6時間透析と1、2の透析食により、当院の透析患者の予後は透析学会のデーターと比較しても良好だった。

感想 透析食の栄養基準のエネルギーやたんぱく質は当院よりも少し低めだということがわかりました。。朝、昼、夜の食事を写真で一般食と比較してあったのでとても分かりやすく聞く事ができました。普段、他の病院の食事等はあまり見ないので参考になったと思います。

有床診療所協議会佐賀支部総会:

平成18年10月16日佐賀市ホテルニューオータニにて開催され、院長が出席しました。日本医師会総合研究機構主任研究員の江口成美先生が特別講演されました。

有床診療所は毎年1,000件の割合で閉鎖され、無床化または廃院している。1978年に29,000ヵ所あったものが、2006年には12,968ヵ所に減少している。この原因として、患者の需要が大病院指向となり患者は減少し、経営が悪化したことや、院長の高齢化による疲れ、人件費の増加などによる経営の悪化、などがある。このままでは今後10数年で有床診療所が消失してしまう。経営的な課題としては、93.8%と言うあまりにも高い損益分岐点と言う問題がある。しかし、有床診療所は地域医療に必要であり、24時間とぎれの無い医療を提供し、患者から近くに存在し満足度もかなり高い、そして、かかりつけ医としてだけでなく、専門性の高い医療を提供すると言うことからも、今後も存在意義は大きい。

伊万里有田地区医師会学術講演会:

平成18年10月13日伊万里市迎賓館にて開催され、院長、以下職員6人が参加し勉強しました。九州大学リハビリテーション部、高杉紳一郎講師による特別講演、介護予防時代の高齢者リハビリテーション、骨粗鬆症・転倒骨折の予防、がありました。以下にその要旨を書きます。

全人的な復権を目指すことがリハの目標。全人的な復権とは身体的、感情的、精神的、社会的、経済的な能える限りの有用性を発揮するように回復させること。リハビリでは継続こそが力であり、患者の生き甲斐を引き出させるような、楽しく長続きするようなことが必要。医の原点は癒しであり、時に治し、常に慰める。など、小手先のリハの技術についてではなく、医療の心がけや、医療の原点に立ち返るような話を面白く聞かせていただき、泌尿器科医でも充分ためになる講演でした。

泌尿器科いまりクリニックの火災非難訓練:

平成18年10月10日院内勉強会として、火災非難訓練を行いました。院長以下ほぼ全職員で、厨房からの火災発生と言う想定で、入院患者、透析患者の担送、護送、職員の避難などを行いました。

伊万里有田地区の排泄ケア専門員育成講座:

平成18年10月2日伊万里市医師会館講義室で開催し、院長が約1時間講義しました。応募者が170人以上ありましたが、実習を予定しており会場の関係などから今回は1コース50人に絞ってお願いしました。伊万里市およびその近郊から参加された看護士さん方は熱心に講義をお受になり、誰も居眠りやおしゃべりなどされる方はいませんでした。以下に講義内容を書きます。

院長も学会に行って考えた
高齢者が増えている
各地で排泄ケア専門員の養成が盛ん
尿失禁ナースが増えてきた、会社まで作っている
泌尿器科専門医院として地域に貢献する:患者診療だけでなく、ナースを育てる
まず自院のナースを育てる

排泄ケア
排尿
排便
合併症の無い、快適な排泄が出来るように医療・看護・介助・助言

伊万里地区の排泄ケア専門家
医療:泌尿器科、外科・内科
老人保健施設、特別養護老人ホーム
障害者施設
肢体不自由児施設
精神障害者施設
訪問看護施設
グループホーム、有料老人ホーム
ケア付き高齢者住宅
デイサービス

研修予定・排尿に関して
尿路の解剖と生理
排尿の生理、神経機構
尿作成の生理、機序
排尿の症状:正常排尿と異常
    尿失禁、排尿困難
検査法:検尿、画像検査、機能検査
泌尿器科の処置:導尿、留置カテーテル
泌尿器科の病気:炎症、腫瘍、腎不全、性器異常

ナースとして一人で出来るかな
正常の排尿と排尿異常
尿失禁の見方と治療法
留置カテーテルの管理
   カテの種類、挿入、固定、洗浄、局所の清浄
自己導尿の指導
   消毒薬、清潔操作
ストーマ・ケア、腎瘻・膀胱瘻のケア

第1回目:排尿の解剖と生理、診察、検査
上部尿路と下部尿路
腎臓の断面
下部尿路の解剖:おとこ
下部尿路の解剖:おんな
膀胱と尿道
排尿の生理、排尿筋と括約筋

正常の排尿
低い膀胱内圧で蓄尿できる:低膀胱内圧
排尿したいときに排尿できる:随意性
排尿後は残尿なし:空にできる
尿失禁がない状態:尿禁制

排尿
蓄尿期
膀胱の排尿筋が弛緩、括約筋は締まる
↓ 排尿の開始
括約筋が緩み、膀胱の排尿筋が収縮
↓ 排尿の持続
排尿筋の収縮が続き、その間括約筋は弛緩
↓ 排尿の終わり
排尿筋の収縮が終わり、括約筋は締まる

排尿機構
排尿筋:膀胱平滑筋-副交感神経
括約筋:
  内尿道括約筋:平滑筋-交感神経
  外尿道括約筋:横紋筋-体性神経
支配神経・神経作動薬

排尿反射中枢
大脳皮質
延髄:脳幹網様体
背髄:第10-12胸髄
    第2-4仙髄 

排尿反射(12以上)
蓄尿を続ける

排尿の開始

排尿の維持

排尿の終了

蓄尿の開始

排尿異常
排尿困難
  尿勢の低下、尿線中絶、尿閉

蓄尿困難
  頻尿、尿意急迫、尿失禁

排尿異常
出にくくなる:排尿困難、尿閉
  尿勢の低下、尿線細小、尿線途絶
  たらたら、ちょろちょろ、残尿
  怒責排尿、腹圧排尿

2. 出過ぎて困る:頻尿、尿失禁
  頻尿ー多尿、昼間の頻尿、夜間頻尿

排尿異常
蓄尿障害:膀胱の異常・尿道の異常
排尿障害:膀胱の異常・尿道の異常

膀胱の異常:排尿筋
尿道の異常:括約筋
   尿道狭窄、前立腺
排尿異常
頻尿と多尿
頻尿:
   尿をたくさん溜める事が出来ない、  1回尿量が少ない

多尿:
   尿が多く作られる、尿量が多い、  水分の取りすぎ、飲みすぎ

尿失禁 incontinence ? (尿禁制 continence)

腹圧性尿失禁:stress incontinence
急迫性尿失禁:urge incontinence
反射性尿失禁:reflex incontinence
溢流性尿失禁:overflow incontinence
遺尿:enuresis
真性尿失禁:true incontinence
機能性尿失禁:functional incontinence

腹圧性尿失禁 stress incontinence
腹圧が上昇すると尿が漏れる
くしゃみ、咳、怒責、重いものを持つ
括約筋力の低下、骨盤内臓の低下

急迫性尿失禁 urge incontinence
尿意切迫感を伴う
トイレに間に合わないで尿が漏れる
過活動膀胱に伴う 不安定膀胱、神経因性膀胱

反射性尿失禁 reflex incontinence
尿意が無い、不全尿意
トイレに間に合わないで尿が漏れる
過活動膀胱に伴う
神経因性膀胱

溢流(いつ)性尿失禁 overflow incontinence
膀胱に尿が充満して、
尿閉しあふれ出る場合、
尿意が麻痺すれば、頻尿、だらだら出る尿失禁
遺尿
5才以上の子供に出る不随意の排尿

通常は夜間に夜尿

真性尿失禁
括約筋不全、無形成
  尿を溜める事が
  出来ないので
  だらだら漏れる

異所性尿管開口
  尿管が尿道に
 開口している

機能性尿失禁
ADL(日常生活動作)の低下で尿失禁
  歩けない、トイレに行けない、
  間に合わない失見当で尿をいつ・どこにでもする
  痴ほう患者、赤ちゃん

過活動膀胱 OAB:overactive bladder
尿意切迫感を主症状とする自覚症状症候群
2002年国際尿禁制学会(ICS)
尿意切迫
膀胱に尿が溜まる途中の蓄尿時であるにもかかわらず、急激に膀胱不随収縮が起き、膀胱内圧が上昇することによって起こる尿意感覚
過活動膀胱
原因になる病気
神経因性膀胱:脳出血、脊損、パーキンソン(Parkinson)、多発性硬化症、
前立腺肥大症
膀胱炎、前立腺炎
精神が原因:過緊張、心因性頻尿
過活動膀胱の疫学
ヨーロッパ(英、仏、独、伊、スエーデン、スペイン)の調査

過活動膀胱の疫学:日本
アンケート調査(上田ら滋賀県40歳以上1,836人)
  尿失禁:男性10.5%、女性52.5%
  うち混合型:男性9.2%、女性19.8%
  受診率 3%
アンケート調査(たがみら30-70歳以上建康女性1,293人)
  腹圧性尿失禁:52.5%、切迫性2.2%
  混合型:8.0%  受診率 5.3%  
他の報告の 受診率 8.2%

問題点:加齢とともに増加、少ない受診率
排尿異常についての問診
いつから、どこが、どんな

頻尿:昼間、夜間
    多尿と頻尿
尿失禁:どのような型か
  どんな時に漏れるか、量
排尿困難:尿の勢い、尿線の太さ
便秘・勃起の有無
足などの神経症状の有無

排尿記録用紙 泌尿器科いまりクリニック
排尿記録用紙で判ること
排尿の回数:頻尿、夜間頻尿
排尿量:膀胱の容量、
尿勢
一日尿量:多尿、乏尿、頻尿

IPSS:国際前立腺症状スコア
QOLスコア
診察
泌尿器科的診察:視診、触診
神経学的診察:上下肢の知覚異常・腱反射・運動麻痺の有無
球海綿体反射
肛門括約筋の緊張、強さ、随意収縮の有無
直腸診
肛門の強さ、トーヌス(筋の緊張)
肛門括約筋の随意収縮
球海綿体反射
前立腺の形状:大きさ、硬さ、しこり、       圧痛
直腸内の腫瘍、
  ポリープ、出血
泌尿器科の診察
痛い、恥ずかしい、高い(医療費が)
?
痛くないように
恥ずかしくないように
お金がかからないように
プライバシーを尊重する
検査
画像検査:X線検査、超音波、MRI
検体検査:検尿、血液、便、髄液、痰
機能検査:心電図、肺活量、視力、聴力、尿流計、膀胱内圧
診断的治療:
検査
排尿記録用紙
検尿・尿沈渣、血液生化学
超音波検査:
水腎症、残尿、膀胱結石、前立腺の様子
レントゲン検査:IVP、尿道膀胱造影
排尿機能検査
尿流検査
膀胱内圧測定
尿流動態検査(Urodynamic Study )

尿流計
尿流計
尿流検査:Uroflowmetry
尿流検査:Uroflowmetry 54歳男性 
尿流検査:Uroflowmetry 排尿困難75歳男性 前立腺肥大症術前後
膀胱内圧測定
膀胱の無抑制収縮
無抑制収縮(uninhibited contraction)15cmH2O以上の急激な内圧の上昇

尿流動態検査 Urodynamic Study 数種類の検査を組み合わせて同時に行う
膀胱内圧検査
尿流検査
尿道括約筋筋電図
尿道内圧(外括約筋部)
腹圧(直腸内圧)
尿流動態検査
検尿
1.性状:色、濁り、におい
2.比重
3.ウロビリノーゲン、ビリルビン
4.潜血
5.ブドウ糖:定性、定量
6.蛋白:定性、定量
7.PH:酸性、アルカリ性

尿沈渣
1500回転/分(ppm)、3-5分間遠心
上澄を捨てる、染色する
スライドグラスに滴下、カバーガラスをかける(そっと、空気が入らないように)

尿中の:赤血球、白血球、上皮、細菌
    リンパ球、カビ、塩類、円柱

扁平上皮
移行上皮
移行上皮癌細胞
顆粒円柱
膿球(白血球)
トリコモナス原虫
尿細菌検査
遠心、尿沈渣、染色
尿細菌培養104/ml以上
  一般細菌、結核菌(4週間、8週間)
尿中クラミジア、淋菌PCR
尿細胞診検査
画像検査
レントゲン検査
CT検査:3次元CT、CTアンギオ
超音波検査:カラー、立体
RI検査:ラジオアイソトープ検査
MRI:磁気共鳴断層撮影
PET:陽電子放射断層撮影

画像検査
レントゲン検査
KUB:腎膀胱単純(腎膀単)
 IVP:経静脈的腎盂造影(DIP)
 RP:逆行性腎盂造影
 AP:順行性腎盂造影 
 UCG:尿道造影
 CG:膀胱造影
 CT:コンピューターによる断層撮影
     単純、造影
血管造影:動脈、静脈、シャント
尿路造影剤とは何か
レントゲンを通過させない
安全である:毒性が無い、アレルギーが無い
腎からすぐに、変化せず、排泄される

尿路造影剤の使用 注意点
アレルギーを起こす??ショック

充分に問診
準備するもの:薬(昇圧剤、ステロイド、補液)、酸素、吸引
血管ルートを確保
検査後も観察

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