第1755回 本当に親不孝でした

 令和8年 9月17日~
 
 母親の17回忌の法要の時に 80歳代の息子さんが おっしゃいました。
本当に私は 親不孝でした、年老いた母を田舎にひとり残して、
ここには殆ど帰ったことはなかったのです。
忙しい 忙しいと仕事のせいにして、ずっとひとり住まいをさせて
しまいました。

 たまに帰った時も、ほんの数時間しかおらず、さっさと
引き上げていました。
子どもや孫たちを 休みの時に 遊びによこせば良かったのに、それも
せずに、親の寂しさにまったく気づいていませんでした。
忙しといいながら、時間が出来ると、自分の子どもたちを喜ばすため、
遊園地や海水浴に行くので 精一杯でした。

 このごろ 食事をしているときに、ふと思うのです。
母は 何十年もの間、いつもひとりで食事をしていたのだろうと、
どんなに淋しかっただろうかと、 
子どもの私たちのことをばかりに心を配ってくれていた 母なのに、
子どもの私は 自分のことばかりしか、考えていませんでした。


 電話一本でも はがきの一枚でも送ればよかったのに、それもして
いませんでした。

一生懸命育ててくれたのに、その苦労に気づくことなく、生きてきたことに、
申し訳なく思っています。

お寺でご法話を聞くようになって、はじめて自分中心だったことに気づき、
親の苦労も感じられるように育てられてきたのですねと。

 御斎が終わって帰る時、車まで送ってきて、
でも母は、ひとりぽっちではなかったのですね。
子ども達は遠くにいて 当てにならなかったものの、阿弥陀さまとは
いつも一緒だったのですね。
先に行った父とも 自分の父母とも いつも一緒で、こころ豊かな
人生だったのでななかったかとも、思えてきました。

親不孝の子どもを持っていても、南無阿弥陀仏を口にしていた母親は 
孤独ではなかったのではないかと 思えてきました。
どんな時にも 南無阿弥陀仏の阿弥陀さまは いつもそばにいた頂く
のですからと。・・・・