第1745回 お任せして生きる

令和 8年 7月9日~

 近隣のお寺で組織している婦人会 組の無憂華仏教婦人会の例会が
今度の日曜日に、私どものお寺を会所として勤まります。
その案内状には お念仏の人は 八十 九十 育ち盛り
と、印刷してお配りしました。

 お念仏の人は、九十歳になっても、キラキラと輝き、喜びに
満ち活き活きしている姿を見ると、育ち盛りの少年少女のように
若々しく思えてなりません。

 ところで、今から 800年も前の親鸞聖人は 何と90歳まで
長生きされました。
長寿の秘訣は何ですか? と浄土真宗の学者さんに尋ねると、
それは、心と肉体の問題は無関係にありえないわけです。
くよくよ悩んでばかりいると、心だけでなく体の調子も崩してしまいます。
心静かに平穏でいると、おのずから体調も良く、長生きできると思うのです。

 親鸞聖人は「自然法爾」ということをいわれます。
分かり易くあえて簡単に解釈しますと、自然にうちまかせ、
阿弥陀さまのお心のまま、あるがままを受け入れて
お任せする生き方です。
たおやかな、無理をしない生活、これが長寿の秘訣だと思います。

 聖人は88歳の時のお手紙に、2年にわたる大飢饉で多くの人が
亡くなったことを、痛ましいことである、と取り上げられています。
人間は縁によってどのような死に様をするか分からないのです。

 しかし、真宗は「平生業成」ですから、日頃、元気な時から
阿弥陀さまに救われていく身だという安心と確信をもっておられる方は、
寿命の長い短いではなくて、たとえ飢饉でひもじい思いで力尽きても、
病気でもがき苦しんで臨終にお念仏を称えられずに死んだとしても、
お浄土参りをさせていただくことは間違いないと教えてくださっています。

 いくらジタバタしても、阿弥陀さまに必ず救われていくこの身であると
信じて、すべてをお任せするより他にしょうがない。
苦しい現実ばかりではありますが、その絶望を受け入れた先にも、
必ずお浄土参りさせていただける、やすらぎの世界はあるのです。

 千葉 乗隆師  元本願寺史料研究所所長 元龍谷大学名誉教授
           <安芸教区> <安楽寺HOME> 参照