第1737回 空気の恩 太陽の恩 水の恩

 令和8年 5月14日~

 お医者さんで 念仏者 米沢英雄という有り難い方がおられました。
ある先輩に勧められて、読み返していますが、「自然法爾」という本の中に
こんなところがありました。(p147)

 その人の生活ぶりを見て仏法は伝わる

仏教は説教で伝わるものでないということです。
その人の生活ぶりをみて、仏教が伝わるということです。
これは非常に大事な事ですね。
だから仏法を生きなければならないということです。
南無阿弥陀仏を生きなければならん。南無阿弥陀仏を生きる人によって
南無阿弥陀仏は伝わってゆくのであるということを、いいたいのです。

 私の知っている方で、58歳の女の人で繊維会社の社長夫人であったが
会社が倒産して、土方をやった人がいるのです。
土方仲間、労務者の仲間に仏法を伝えた。
労務者の人は、毎日肉体労働するだけで仏法には無縁の人です。
そういう人に、仏法を伝えるには、「大無量寿経」がどうの、
「観経」がどうの、「阿弥陀経」がどうの、そんなこといったって
通じない。その日常生活に訴えるような言葉で伝えなければなりません。

 その奥さんはどうして伝えたかというと、空気の恩、太陽の恩、
水の恩、そういうかたちで伝えた。
これならみんなわかる筈なのです。
空気を吸うて皆生きておるのですけど、それを当たり前にして、
ありがたいと思わん。ありがたいと思わん者に空気の恩ということを教える。

名古屋の奥さんで「鼻の穴が開きっ放しで、ありがたい」という人がある。
私はこれには、びっくりしたーーーそんなこと当たり前でしょう。
しかし、当たり前ですけど、夜寝床へ入ったときに、目がふさがる。
そのとき一緒に鼻の穴がふさがったらどうですか。
夜の間に死んでしまうでしょう。

だから鼻の穴が開きっ放しで、それで呼吸ができることになっているのです。
朝、目が醒めたら鼻の穴を拝んでください。
仏さま拝んだって何にもならない。
自分の体を拝むということが、一番大事なことだと思う。
それで空気の恩、太陽の恩、水の恩、その話をした。

 それから80日目に、その話を聞いた人に会った。
その男の労務者は、ゲンさんというのです。
そのゲンさんが 仏法が分かったのです。
仏法というかたちでわかったのでないけど、一切のお陰さまがわかった。
これは大したことです。そのまた伝え方がうまかった 対機説法と
いうでしょう。

対機説法というのは、人によって違った教え方をするということ。

 こんな話がありました。