第1735回 必死の呼びかけ

 令和8年 4月30日~

 島根県のご出身で、佐賀の師範学校で教鞭をとりながら、
多くの方々とお念仏を喜ばれた川上清吉さんは、幼い我が子を
亡くすという悲しい経験をお持ちだといいます。

 病気の子どもに、まだ反応があるときには、子どもの名を呼ぶものの、
いざ臨終が近づき、目も見えなくなり、怖がる時には、
もはや、我が子の名前を呼ぶのではなく、
「お父さんだよ、お父さんは ここにいるよ」 と、
大きな声で呼びかけて、幼子を安心させようとしたと、

そのときに、気づいたと言われます。

 阿弥陀さまが 「南無阿弥陀仏」と、なぜ、自らを名乗られたか、
「安心して! あなたのそばにいるよ、大丈夫だよ、ここにいるよ」
と、暗闇で、悩み苦しんでいる、煩悩いっぱいの私に、阿弥陀如来が
必死に呼びかけていただいているのだと、南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏は
阿弥陀如来の願いの名乗りであったと、気づかれたといいます。

 ある布教使さんは、子どもの頃、全身麻酔で手術を受けたとき
あなたのお母さんは、心配してずっと呼びかけておられましたよと、
後で、看護婦さんに聞かされたと言います。
そのときも、子どもの名前ではなく、母さんよ、母さんよと
必死な呼びかけだったと。

 自分では 大丈夫 何も問題ないと思っていますが、
阿弥陀さまから見れば、心配で、何とか目覚めさせようと、
必死に呼び続けていただいているのでしょう。
私の名前では、もう間に合わない、それほどまでに、心配をかけている
私であったと、味わわせていただいています。

 目覚めてくれ、気づいてくれと、阿弥陀さまは、私を
呼び続けていただいているのです。
私が、その呼び声に気づいて、南無阿弥陀仏と口にすると、ホッとして
ああ良かった、良かったと、喜んでいただいているのです。

 私は、気づかずにいますが、阿弥陀さまに心配をかけ続けているのです。
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏の呼びかけに、南無阿弥陀仏と返事をして 
阿弥陀さまに安心していただきたいものです。

 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏