第1704回 世界中が雨の日も

 令和7年 9月25日~

 こんな話を聞きました。
10年ほど前の 朝の連続テレビ小説 「とと姉ちゃん」が
現在 お昼休みの時間に 再放送されています。
その主題歌は、宇多田ひかりさんの 「君に花束を」という曲です。

 すばらしい歌だと聞いていますが、ある音楽番組に 
この宇多田ひかりさんが出演、 司会者が質問して
「ご自分の歌で好きな歌は何ですか」との問いに、
この「君に花束を」が
 好きだと答えていました。

「その中でも 好きな部分はどこですか」との質問に
 世界中が雨の日も  君の笑顔が僕の太陽だったよ 
 ですと答えていました。


 世界中が雨の日も 太陽とは
どこかで聞いた言葉のように思えますが、日頃お勤めしている
正信偈の 譬如日光覆雲霧 雲霧之下明無闇 を思い出しました。

 私たちは貪りや憎しみ、愚痴などの煩悩に覆われて、
阿弥陀様のはたらきに、なかなか気づくことができませんが、
たとえ雲や霧が覆っていても、雲や霧の下にも明るさが
届いているように、阿弥陀さまのはたらきは、届いているのです。

 空が、どれほどあつい雲におおわれていても、雲の下に闇はないように、
どれほどの愚かさを抱えた凡夫であっても、阿弥陀さまのはたらきは、
その愚かさが障りとならないと親鸞さまは仰っています。

 自分の力で 煩悩を無くすことが出来なくても、
決して煩悩が妨げにはならないということ。
しかし親鸞さまは、
雲の上を見ようとするのではなく、雲の下に闇のないことを
驚かれました。
光はとどいている。どれほど私の愚かさの雲霧があつくとも、
阿弥陀さまのみ心は届いてくださっていた。そのことに驚かれたのです。


 宇多田ひかりの 「君に花束を」

 世界中が雨の日も 君の笑顔が僕の太陽だったよ  
「その歌詞の君の笑顔の 君とは 誰ですか」との問いに 
今はなき
 母親 藤圭子だと、答えていました。

 母親の愛 そして阿弥陀さまのはたらき どんな雨の日も
霧の日も、そのままの私を いつも見守ってくれる 
そのはたらきに、気づくことができる時、ありがたさが
沸いてくるものです。

どんな時も、見守り続けてくださる はたらきがあるのです。

          


           私も一言(伝言板)