第1692回 ヨシ 間違いなし

 令和7年 7月3日~

  たとひ大千世界に みてらん火をもすぎゆきて
  仏の御名をきくひとは ながく不退にかなふなり

 というご和讚があります。

 ご本山のお晨朝の法話で こんな話を聞きました。
自動車の運転があまり上手でない人に、上達するコツを
教えるテレビ番組がありました。
講師の先生は、自分の目で見たことを、口にだしながら運転してみて
下さいと、指導されました。

『あ 信号が黄色になった、ブレーキを踏もう』
『右側の 歩行者が横断しそう』
『後の車、車間距離が近い、無理なブレーキは避けよう。』
運転しながら 目に入ること、次に行うこと、注意すべきことなどを
声に出し、それを聞きながら運転すると、それまでと違って
とてもスムーズに運転できるようになったといいます。

 人間は 目からの情報が多いものの、耳からの情報が
一番正確に伝わるといいます。
そこで、目で見た情報を 声にだすことで、確かめ、見落としやミスを
防ぐことができるというのです。

 そういえば、電車の運転手さんや、工場での作業で、指をさし
声にだして、動作を確認する姿を見ますが、あれも同じように
声に出して、見落としやミスを無くそうとする工夫でしょう。
「スイッチOFF ヨシ!」、とか、「頭上 ヨシ!」
右腕を真っすぐに伸ばし、対象を見て、人差し指でしっかりと指さします。

右手の指でさしたら、右の耳元まで戻し、指さし確認したことが
本当に正しいか、本当に大丈夫かを心の中で、再確認するの
だそうです。
そして「ヨシっ!」と発声しながら右手を振り下ろす。

 また、自分自身の体も、行動を起こすときには かけ声を
かけたほうがよいと、「さあ立ち上がろう」「よいしょ」と、かけ声を
かけた方が 動きやすくなるものですよと整体の先生に聞きました。

 この話を聞きながら、南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏のお念仏も、
自分で声を出し 自分の耳で聞く、「間違いなく この私を 救いとる
仏にするぞ」、親たちは すでに仏になって私のためにはたらき、
導いておられる、そのことを、耳で確認しながら、間違いない、
有り難いことだと確認し 喜びながら 力いっぱい生きていくように、
阿弥陀さまは 勧めていただいているのでしょう。

人間は、目で見るだけではなく、耳で 聞くのが一番 安心
できるからなのでしょう。
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 ヨシ 間違いなし 心配なし 
ちゃんと確認しながら、今日も 元気で 自分で出来ることに 
精一杯 取り組んでいきたいものです。


          


           私も一言(伝言板)