第1672回 今 ここに 生きる

 令和7年 2月13日~

 
今を生きずに いつを生きる 
 
ここを生きずに どこを生きる

 
昭和期の教育者として浄土真宗の僧侶として、苦難の中、精一杯
生き抜かれた東井義雄さんの言葉です。

これまでのことを思い起こすと、夢中で生活をしていた若い頃、
今現在よりも、これから未来のことばかりを考えながら生きていたように
思います。
あそこへ連絡し あれを準備して、あそこを改良しよう、それよりも
こうしたほうが良いのかも、等など、仕事のこと、その段取りに気を取られて、
今を充分に味わいながら、生きていた実感があまりありません。

 
お釈迦さまは、「過去は追ってはならない。未来は待ってはならない。
ただ現在の一瞬だけを、強く生きねばならない。
今日すべきことを明日に延ばさず、確かにしていくことこそ、
よい一日を生きる道である」と 説かれたといいます。

 過去や未来に、こころを奪われずに、今、現在、この一瞬、
一瞬を強く生きる、こうした生き方こそが どんな時代になろうと、
歳を重ね、病気になろうと、もっとも人間らしく、生きていく生き方で
あるのだろうと思われます。

 食事するときは 目の前のお料理の一つ一つに、ちゃんと向き合って、
その調理と味付けに思いをいたし、子どもや家族との時間は 二度と
無いこの瞬間を 帰ってはこないこの時を、味わいながら
仕事の時には その仕事に夢中になって、こころを、どこかに遠くに、
他のことに泳がすことなく、今 ここで 充分に生きていく、そうした人生を
味わいながら、送りたいと思います。
今生きているここで、生かされていることの実感を味わいながら、

 また、東井先生には、こんなことばがあります。
自分は 自分の主人公 世界でただひとりの 
自分をつくっていく責任者


 今この瞬間を 味わい深く、喜び感謝の思いを持ち、出来ることを、
やるべき事を、精一杯 限りあるいのちを、この世で残されたいのちを
生き続けていきたいものです。
それが 今 ここに生きること、ここに生きることなのでしょう。


 

          


           私も一言(伝言板)