第1604回 今 困っても

令和 5年 10月26日~

 浄土真宗の特徴の一つは、全員で声を出して読経することです。
今から 500年前の蓮如上人が、日常の勤行を誰でも
お勤めしやすいようにと、親鸞聖人のまとめられた
教行信証の中の偈文 正信偈と、ご和讃の繰り読みに
定めていただきました。

 それまでは、一日に六回お勤めする六時礼讃という、有り難いものの
すくし難しいお勤めでしたが、みんなが容易におつとめ出来るよう
変更されたのでした。

 ご本山では 毎朝六時からご晨朝がつとまり、その様子は
ユーチューブで配信されています。
また、東京の築地本願寺では、朝7時からのお勤めも
ユーチューブで見ることができます。
ご本山では、まず阿弥陀堂、続いて御影堂での
お勤めがあり、645分ごろから
全国各地の布教使さんによる、短いご法話もあります。

 築地本願寺の場合は、7時半ごろからご法話があります。
北海道からこられた若い布教使さんが、
こんなお話をされました

 今日は 今から50年前の、日本で4人目のノーペル賞を
江口玲於奈さんが受賞された日です。
コンピュータなどで使われる半導体、ダイオードの
研究者だそうです。

 子どもの頃から大変優秀な方でしたが、なぜか中学受験に
失敗し、高等小学校へ進学、それから再度、中学校を
受験されたそうです。
その一年間に、外国から来た先生にであい、幅広いものの
見方と、英語を学ぶことが出来たことで、アメリカでの研究など、
将来大きく役だったと、後に語っておられます。

 研究でも、仲間が失敗した沢山のデータを、再確認して
いる中で、たまたま大発見をし、それでノーベル賞の
受賞につながったと。

 親鸞聖人の人生も、波瀾万丈でした。
伝統的な比叡山を降り、法然聖人の元で学ばれていた時、
念仏禁止令によって、遠く越後に流罪になられました。
この大きな災難も、お念仏教えが広がる尊いご縁だったと
味わっておられます。

 自分の思い通りになることだけを期待して、私たちは生きていますが、
今日一日、困ったことや悔しいこと悲しいことが起こったとしても
一つも無駄なことはなく、みんな有り難い尊いご縁だったと
喜べる そんな一日でありたいものですね。と

          


           私も一言(伝言板)