第1570回 還相の菩薩さま方

 令和5年3月2日~

 私どもの教えは、浄土真宗の教えといいます。
自分の力ではなく 仏さまの力 はたらきでお浄土へ
生まれさせていただく教えです。

地獄や極楽に行くという言葉もありますが、 お念仏の人は 極楽ではなく
阿弥陀さまのお浄土に生まれさせていただくのです。

 お釈迦さまは 数多くの教えを説いていただいていますが
もっとも説きたかった教えが、この 浄土真宗、お念仏の教えであり、
この教えを説くために この世にお生まれになったのだと、
親鸞聖人は味わっておられます。

 日常お勤めしている 『正信偈』には 
如来所以興出世 唯説弥陀本願海
このお念仏の教えを説くために、お釈迦さまは
この世にお生まれになったのだと。

 全ての人を、一人残さず 救い取りたいという 願いがはたらいており
南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏と阿弥陀さまの名前を口にし
阿弥陀さまの呼びかけを 聞くことが出来た人は、
お浄土へ生まれて行くことができる。
そして阿弥陀様と同じさとりりを開き、仏となって活躍出来るのだと。

 仏説無量寿経に説かれている、お念仏の教えについて
親鸞聖人は 教行信証の教の巻きに
「如来より二種の相が回向されるのである。 一つには、 わたしたちが
  浄土に往生し成仏するという往相が回向されるのであり、
  二つには、 さらに迷いの世界に還って衆生を救うという
  還相が回向されるのである。 ・・・・」と

 親鸞聖人は お師匠様の法然聖人が、往生されたことを
本師源空は、「浄土にかへりたまひにき」、あるいは、
「浄土に還帰せしめけり」と 和讃に読まれています。

 同じように お釈迦さまが 阿弥陀如来のお浄土のことを
事細かに具体的に説かれているのは、お浄土から来られた
菩薩さまだから、還相の菩薩さまだからだとの味わいです。

 そして、この私が お念仏に遇うご縁をつくっていただいた祖父母、
両親、兄弟、友人などなど、お浄土へ生まれていからた多くの方々も、
同じようにお浄土から来られ、私に教えを伝え お浄土へ帰られた、
還相回向の菩薩さまであったかもしれません。

 その証拠には、この私がお念仏に遇わせていただいたのは、
あのお方のお陰だからです。
そして今度は この私がお浄土へ生まれ、一番大切な子どもや孫のために
還相の菩薩として はたらかせていただく番です。

 ですから、お浄土から帰って来た人がいないのではなく、
沢山にいらっしゃるのに 気づいていないだけなのでしょう。
私の周りは みんなお浄土から来られた菩薩さまだと
味わっておられる方もあるのです。

          


           私も一言(伝言板)