第1561回 遇い難くして 今遇う

 令和4年 12月29日~

「お釈迦さまが この世にお生まれになったのは、阿弥陀如来の
本願を説くためであった」と、親鸞聖人は 正信偈に
「如来所以興出世 唯説弥陀本願海」と著していただいています。
今から 800年前 鎌倉時代のことです。

 八万四千の法門といわれるようにお釈迦さまは 人々の問いに答えて
数多くの教えを お説きいただいています。
しかし、その教えの多くは強靱な精神と強固な体力を持つ 
優れた一部の人しか実践することが出来ない難しい教えでした。

 ところが、全ての人がもれなく救われる お念仏の教えがあることを
法然聖人から聞かれた親鸞聖人は、 お釈迦さまの目的は
本当に説きたかったのは、この念仏の教えであったと これこそが
仏教であると 受け取られたのです。
そして、この教えでなければ 自分は救われないと 
『教行信証』をまとめていただきました。


 それから 800年 令和五年が 本願力の念仏の教えである浄土真宗の
立教開宗の年であり、親鸞聖人ご誕生850年にもあたります。

 生涯をかけてまとめていただいた『教行信証』のはじめに 
この教えに 「遇ひがたくして いま遇ふことを得たり」と
なかなか会うことのできないこのみ教えに 遇えた喜びを
お念仏の教えに遇えた喜びを述べておられます。
お念仏の教えに遇えたお陰で 喜び多い人生を受け取ることが出来た。
もし、遇えなければ 無意味で 虚しい人生で終わったであろうと
 「本願力にあひぬれば むなしくすぐるひとぞなき・・・」と
ご和讚に読んでいただいています。

 親は 子どもや孫の幸せを願っています。
自分のことよりも子供たちのことを心配し続けています。
生きている親だけではなく この世の命を終えお浄土に生まれた
先輩たちも 子どもや孫が 充実した生きがいある生き方をして欲しいと 
願い呼びかけ続けておられることでしょう。
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏に遇い、信じ 生きてほしい、どうか
お浄土へ生まれて来て欲しいと はたらきかけでおられることでしょう。

 お釈迦様は 本願力のお念仏の教えを説くためにこの世にお生まれになったと
親鸞さまは 味わっておられますが、その教えがあることを
お念仏一つで 救われお浄土へ生まれ 仏になれることを私たちに
教えていただいたのは 親鸞さまであり、多くのご縁のあった方々であった。
親鸞さまのお陰、また直接のご縁を結んでいただいた方々に、

有り難うございます。お蔭さまで、南無阿弥陀仏と お礼を申したいものです。

          


           私も一言(伝言板)