第1530回 初めての道を行く ~親たちと同じように~

 令和4年 5月26日~

 宗祖降誕会のご案内を郵送しました。
電話で問い合わせがあり、降誕会のことをコウタンカイと
一般的な読み方をされる方がありました。

常識的な読み方だと、降誕会の降の字は、降下するの降ですから、コウ、
会の字を エではなく カイと発音されていました。
仏教が日本に伝わったのは、中国の漢の時代より古い呉の時代でした。
そこで、発音は漢音ではなく、呉音で読むことが多いものです。

世間の常識は、知っていても、仏教のことについては
聞き確かめないと、読み方も内容も分からないことが
たくさんあるものです。

 ところで。 宗教は 吊り革と同じ効果があると、
教えていただいた先生があります。
電車やバスで、座席に座れずに立っていて、カーブや急停車で
車体が揺れても、吊り革につかまれば安心です。
もしものときに ちゃんと吊り革につかまることができれば、
大抵の危険は避けられるものです。


 ただ その吊り革と同じはたらきをする宗教の場合には、
本当に頼りになるものと、そうでないものとがあります。
老病死を迎え、どんな時でも頼りになる宗教を 
ちゃんと確かめ持っておくことが、生きていくには、
重要なことだと言えましょう。

 バスや電車でも よく知っている慣れた道ですと、危ない場所は
だいたい予測出来ますが、初めての道の場合は、予想がつきません。
車内アナウンスで「この先 大きく揺れます」と教えてもらえば
準備できますが、 たまたま揺れが予想より小さければ、
次も大丈夫と油断して、対応していないと事故につながります。

 ゆうまでもなく、私たちは、今、初めての人生を歩んでいます。
経験したことのない 初事ばかりが 次々に起こってきます。
考えてみると、親たちも、私と同じように初めての人生を送り
悩み、苦しみ、反省し、私と同じように 初めての人生を送った人です。

自分が経験したその苦労や悩みを、自分の子どもや孫が、
早めに気づいて大きなショックを受けなくてすむように
困難を避けることが出来るように 教えておきたい、そうした思いを 
宗教を通して、伝え残してくれたのではないでしょうか。

 バスや電車の車内アナウンスと同じように、先輩たちの
呼びかけを聞く努力をすれば、私の人生は どんな悪路であっても
乗り越えていける力を受け取ることができるのでしょう。


 宗教は先輩たちが 経験して気づいた問題を 後輩に伝えて
同じ過ちを犯さないようにとの思いやりではないかと 味わいます。
親や先祖の願いを確かに聞き取る力を、お聴聞することで育てていき
苦難多い中でも喜び多い、 豊かな人生を 送らせていただきたいものです。
それが先立った親たちが もっとも喜んでくれることではないでしょうか。

          


           私も一言(伝言板)