第1505回 釈尊も南無阿弥陀仏 ~お念仏で すべての人を~

 令和3年 12月 2日~

 釈迦・弥陀は 慈悲の父母 種々に善巧方便し
 われらが無上の信心を 発起せしめたまひけり

と、善導大師を讃嘆されたご和讚にあります。
「二河白道の譬え」では 西の岸のお浄土から阿弥陀さまが、
その道を来い、後ろからは釈尊が その道を行けと勧めて
いただいていると言われます。

 お釈迦さまと 阿弥陀さま、一般の仏教では お釈迦さまから仏教が始まり
お釈迦さまが説かれた 阿弥陀さまの教えであると、受け取られているようですが、
親鸞聖人の受け取り方は そうではないようです。


 今から2500年前にお釈迦さまは、厳しい修行の結果 さとりを開かれ、
阿弥陀さまの教えに出会われた。そして、その阿弥陀さまの教えを
私たちに分かるように 説き残してくださった。それがお経であると。


 お釈迦さまのおかげで、七高僧の方々も 阿弥陀さまの本願に出会われた。
それは、十劫も前から ずっと呼びかけ続けていただいた
阿弥陀さまのはたらきによるものだと、

 数多い仏さま方々が、皆それぞれに願いを立て、人々を救うはたらきを
しておられるものの、それは限定的で、すべての人をもれなく救うことは
出来ていないのです。
そこで、法蔵菩薩は 南無阿弥陀仏のお念仏で、すべての人を
一人残らずお浄土へ生まれさせ仏にしたいと、長い長い修行の結果
いまから十劫前に お浄土が完成したと説かれています。

 そして、すべての諸仏方が、この阿弥陀仏の大いなる本願が
とても優れており
 南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と みなそろって
褒め称えておられると、お釈迦さまは説いていただいています。


 お釈迦さまも お念仏でお浄土へ生まれられた 七高僧も、お念仏で 
お浄土へ生まれ いま仏として はたらいていただいている。
そう味わっておられるのです。

 数多い教えはあるものの、南無阿弥陀仏の教えこそが、
すべての人が救われる 唯一無二の教えであると、多くの諸仏が
みんな揃って讃嘆されている。これが、親鸞聖人の味わいといいます。


 正信偈には 如来所以興出世 唯説弥陀本願海
   教主世尊は弥陀仏の 誓い説かんと生れたもう 

 お釈迦さまは、お念仏の教えを説くために この世に お出になり
そして、この私が 人間に生まれてきたのは 南無阿弥陀仏の教えを聞き、
お浄土へ生まれて 仏になるためであったと、
そして、南無阿弥陀仏と口にしている人々は、もうすでに
仏さまの仲間であると。


          


           私も一言(伝言板)