第1491回 名前を呼ぶ ~期待し待たれている私~

 令和 3年 8月 26日~

 プロ野球の審判の方が、親の後を継いで、お坊さんになった方が、
「大谷翔平、それに松井秀喜 この二人には共通点がある」
と語っていました。
これは審判でなければ 分からないことだと。

その方は 佐々木さんという方ですが、この二人は第一打席
バッターボックスに立った時、昼間だったら、「佐々木さん、
こんにちは」ナイターだったら「佐々木さん こんばんは」と、
審判の名前を呼びアイサツするそうです。

審判も人間ですから、名前を呼ばれることで影響がでるのでは
ないでしょうか。


二人とも、きっとアメリカでも審判の名を呼んでいるんじゃ
ないですか。と言っていました。

自分の名前を呼ばれると、中立であるべき審判も こころ動く
のでしょうね。

名前を呼ぶことで御利益があるのではないか。

 ところで、私どもの 南無阿弥陀仏も 阿弥陀さまの名前を呼ぶ 
お念仏の宗教です。

「阿弥陀さまこんにちは、阿弥陀さまこんばんは、阿弥陀さま
頑張っていますよ」いろいろの南無阿弥陀仏がありましょうが、
この阿弥陀さまは 名前を呼んだから それでは、特別扱い
してやる、守ってやる、という仏さまではないようです。


 すべての人を必ず救いたいと、はたらき続ける仏さま、
私が名前を呼ぶ前から阿弥陀さまの方が 先に 働きかけて
おられる。

私が 南無阿弥陀仏と、お念仏しようがしまいが。
阿弥陀さんはいつも 私のことを守り続けていらっしゃるのです。


それではなんで? 名前を呼ぶのか?
それは 阿弥陀さまのはたらきに 気づくか 気づかないか
その違いではないでしょうか。
私たちはいつも 自分中心の ものの見方、考え方をしています。
自分に都合のいいことばかりを 期待し、待っています。
そして思い通りになれば喜び。 思い通りにならなければ
悔しがったり、悲しんだりしています。


なもあみだぶつ とお念仏するとき。 私の立場だけでなく。
客観的に自分を見る 阿弥陀様の目 見方。 視線を 意識する
ことができれば。私の思い通りにならないことも納得がいく。
そういうことではないでしょうか。


それは、阿弥陀さまは  私だけでなく、すべての者を平等に
救おうと働きかけていらっしゃいます。
私は 私だけを 特別扱いしてほしいと願っています。

しかし、それはとても無理な話。みんな平等なのです。

ですから、与えられた結果を 素直に受け取り。
それに精一杯立ち向かっていく。

すべての出来事は 私が仏になるために 必要な出来事ばかり。
あれは嫌、これは嫌。ああして欲しい、こうして欲しい と。
わがまま言っても それは無理な話。
仏になるための一番いい方向に いま進んでいるんです。

 なんまんだぶつと お念仏を知り、口にする人は そうした
摂理を 味わい感じとる。

そうすることで 何がおころうと 堂々と 毎日をおくることが
できるのです。

全てが 順調。 最高、最上の お浄土の方向へ向かっているのです。
そう味わうことができることが、 南無阿弥陀仏の方への
お念仏の働きです。


 みんな平等に年を取り。 みんな平等に病気をし。 みんな
平等に命終わる。

しかし 死んだら終わりではなく、 私には まだまだ
期待されている。待たれている。 仏となって。 働くという
未来が あるのです。


  考えてみてください。 若い頃は 未来がありました。
夢がありました。
しかし今、 年を取ってしまうと 未来がありますか?
夢がありますか?待たれていますか? 期待されていますか。

南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏は 期待され 待たれ 夢があり
喜びがある。

そう味わうことができる 喜びの 言葉です。

南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏は そのことを味わい。
夢を持って 堂々と生きていける。 そうした 働きが あるのです。
良かったですね。 期待されているのです。 またれているのです。

まだまだ。 これからが 生きがいが 喜びが たくさんあるのです。
なんまんだぶ なんまんだっと お念仏をすると それが味わえてくる。


どうでしょうか? 明日が楽しいと。 今日から楽しい。 明日が
嫌なことがあると。 今日から つらい。
死んだら終わりと思うと。 行き止まり。

ところがお浄土 があり 私は期待され待たれている。
明るい未来がある。

そう味わえると。 今日から楽しい毎日となると思います。

南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。 私を 励まし。 未来を与える。 言葉です。
どうか お聴聞、 仏様のお話を聞いて 私の未来を 確かめてください。
知れば知るほど。 明るい未来が 私を待っているのです。
それがお念仏の教えだろうと思います。

          


           私も一言(伝言板)