第1485回 ありのままの自分との出会い ~浄土真宗とは (2)~

令和 3年 7月15日~

 親鸞さまは、在家出家や老若男女を問わず、さまざまな人と
出会いながら仏道を歩んでいかれました。
そうするうちに、物欲や誘惑といった"煩悩(ぼんのう)"
右往左往する人間の姿を目の当たりにします。

 欲望のためには人をも傷つけてしまう鬼のような
恐ろしい心を持っているのが人間であり、
親鸞さま自身のことだと気づかれます。

 それは、今を生きる私たちに置きかえても
何ら変わりありません。
「ブランドのバッグがほしい」、「新しいスマホがほしい」、
「もっとフォロワーが増えてほしい」......
このような願いは、自己中心的な心から日常的に
多くの人の心に湧き起こっています。
目先のことに一喜一憂して「迷いの世界」で

欲望にふりまわされ、苦しむ姿そのものです。

このような私たち一人ひとりをすくおうと
されているのが阿弥陀さまなのだということに、
親鸞さまは気づかれました。


「あなたのままで大丈夫」。阿弥陀さまとの出会い

 鎌倉時代であっても今の時代であっても、
生きづらさを感じ、孤独に苦しむ人に向かって
「あなたのままで大丈夫」と、居場所となって
本当の安心を届けて支えてくださるのが阿弥陀さまです。

 人は社会の中で、大勢の人と関わりあいながら生きています。
ときには「誰ひとり、私のことを気にかけてくれない、
わかってくれない」と思うこともあるでしょう。
「何もかもうまくいかない」と落ち込むこともあるでしょう。

人との付き合いが苦手でも、心ない人から「負け組」
なんて言われようとも、阿弥陀さまは私たちのことを
一人ひとり大切に見まもってくださっています。
「いつも私がそばにいるよ」と、ありのままの
あなたを認めてくださるのが阿弥陀さまなのです。

                   (3)に つづく

          


           私も一言(伝言板)