第1483回 背番号 17 ~すべての人に 誉め称えられる~

 令和 3年 7月 1日~

 プロ野球のエースピッチャーの背番号は 18番が多いように思います。
歌舞伎も十八番 「おはこ」といいますし、カラオケなど得意なものを
「私の18番」と言うこともあります。

 浄土真宗では、大無量寿経にある48願の中の 第18願、
念仏往生の願を、本願の中の本願
 もっとも重要な願として、
王本願などといいます。


 ところで、今大リーグで活躍中の大谷翔平君は 背番号17です。
お経の18願の前にある第17願、これもとても重要な願で、
諸仏称名、諸仏称揚、諸仏咨嗟の願といわれます。

 現代語訳では、
「(十七願) わたしが仏になるとき、すべての世界の数限りない
  仏がたが、
みなわたしの名をほめたたえないようなら、
  わたしは決してさとり
を開きません。」という願です。

 すべての人を一人残らず救うという、とてつもない大きなはたらきを得て、
ありとあらゆる仏さま方に、その名をほめ讃えられるようになりたい
との願を建て
絶大な努力をし、阿弥陀仏になられたと、無量寿経にはあります。

 ちょうど、すべての選手が、すべての観客が、評論家が
ひとり残らず、その名をほめ讃えるようになりたいと、努力して、
今、完成して活躍していると、大谷翔平選手を見ていると
そんな感じがします。

 普通のピッチャーは登板を終わると、休養にはいり、連続しては
出場しません。しかし、背番号17番は、毎日打者として出場し
大活躍しているのです。

 一昔前までは、仕事をすること、働くことは、ハタを楽にする
自分が仕事をすることで、周りの人が楽になるように、頑張る。
はたをらくにすると、意識されていたようです。

 しかし、現代人は 仕事は苦痛であり、だからその対価として
給料を、手当をもらうという、働くことは、苦しみとの感覚があります。
背番号17の若者は、毎日出場して楽しく活躍し、
自分が頑張ることで、周りが喜ぶ、チームが勝利する、その姿に、
すべての人から称讃されている。まさに17願の諸仏称名のイメージです。

私が働くことで、周りをみんな救える、まさに17願そのものです。
これから、エースナンバーには、18番に加えて、
17
番も多くなってくるのでは
ないでしょうか。


          


           私も一言(伝言板)