第1468回 言ってしまった一言

 令和3年 3月18日~

 親孝行は 今からでもできますよ。
南无阿弥陀仏の御念仏を口にすることが

先だった親たちが 一番喜んでくれている
のでしょうねと、お話していましたら、
「子どものころ、親に言ってしまった。
いわんでいいことを言ってしまった」と。

「何をですか」
「こんな貧乏な家に、生まれてこなければ
良かった、生んでくれとは頼んでいないのに」
と親に言ってしまったのが、未だに
悔やまれるという、八十歳半ばのご婦人です。


戦争戦後のもの不足の厳しい時代に育って、
きっと大変だったことでしょうが、

「親を悲しませたことが、今となっては、
残念でたまらない、親は辛かっただろうなあ」と。


「でも、今は どうですか。生まれて来て
よかったでしょう」。

「痛いところはいろいろありますが、
有り難く感じていますよ」と。

「それなら、お母さんありがとうと
お念仏すれば、きっと喜んでくれていますよ」。

「そうでしょうね」。と、笑いながら
別れました。


次の家で、その話しをしましたら、
親に言えるだけまだ幸せですよ。

自分は言えなかった、言いたくても
言えなかったと、おっしゃいました。


 お父さんが、召集され、出征後妊娠が
分かり、生まれる前に
 お父さんを戦争で
亡くされた、父親の顔を知らないご婦人です。


独りで苦労する母親の姿をみていると、
この母親に心配はかけられない

悲しませてはいけないと、言いたい
ことも言わなかった、

親に悪態をつくことが出来た人は 
まだまだ幸せですよと。


 どんな親も、自分の事より、
子どものことを一番に考えるものです。

色々あった人生、でも今 お陰様で 
慶び多い毎日を送っています。


南无阿弥陀仏、南无阿弥陀仏を口にして、
お浄土へ向かった、生きがいを持って
生きている子どもや孫の姿を見るのが、
仏と成った方々が、きっと一番喜んで
くださっていることでしょう。


南无阿弥陀仏 南无阿弥陀仏 
ありがとう、お母さん お父さん と
阿弥陀さま


          


           私も一言(伝言板)