第1441回 取り扱い説明書に気づく
令和2年 9月10日〜
掃除機やテレビ・クーラーなど
新しい電化製品を買い求めたとき、
あなたは取り扱い説明書をよく読む方
ですか、それとも読まずに
使ってみる方ですか。
ひと昔までは 一冊の本のように
分厚い取り扱い説明書が付いていましたが、
近頃は数枚の主要な説明だけで、詳細は
ネットで確認くださいとあります。
そこで、スマホなど多くの機能を
持っている機器は、ほんの一部の機能
だけを使って、大半の機能は、まったく
気づかずに 製品の能力の
しか使われていないのが現状では
ないでしょうか。
ところで、自分自身のことは、
自分が一番知っている、自分の能力も
自分性質も全部分かっているつもりで
いますが、はたして 自分の持っている
能力を、本当に発揮しているかどうか
疑問でもあります。
二世代・三世代同居で 家族制度が
機能していた頃は、お年寄りたちが、
自分の経験から導き出した特徴や問題点を
孫や子へ伝えていたのでしょうが、
現代はそうした伝承はほとんど
期待できません。
でも、実は 仏教の教えこそが
この私の取り扱い説明書と
のだと思います。
特に、お念仏の教えは、お念仏を
口にして 仏様の願いを聞かせていただく
ことで、人間とは何か、何のために
生まれてきたのか、そして人間の目的は
何かを教えてくれているのです。
製品の説明書も読まなければ、その
本質は分からないように、
ことも 先輩達が伝え残してくれた
教えを聞いてみなければ
ところは分かりません。
仏さまの願いというのは 人間共通の
願い、すべての人が生きる喜びを
味わうことができ、生きがいを
感じることができる そんな生き方を
教えてくれているのです。
自分だけの喜びではなく、みんなが
そろって喜び生きていける力を、
やがて訪れる老病死を迎えても、
人間らしく
できる道が 説き示されているものです。
自分のものだからと、分かっている
つもりにならずに、一度 人間共通の
取り扱い説明書があることに気づき、
読むのはとても大変ですから、
お話を聞いてみてください。
きっと、今が充実し 深い喜びが、
人間に生まれた 意味と目的が
はっきりとしてくると思います。
南無阿弥陀仏の生活を始めてみると
それが、はっきりと見えてくるものです。
私も一言(伝言板)