第1400回 老病生

 令和元年11月28日~

 お釈迦さまは「人生は 苦である」と、説かれました。
「生・老・病・死」の四苦、そして、愛する者と別れる
苦しみである「愛別離苦」、恨み憎む者に会う苦しみ
「怨憎会苦」、求めても得られない苦しみ「求不得苦」、
五蘊からなる心身の苦しみ「五蘊盛苦」と、四苦八苦を。


そして、その苦を乗り越えることが出来る道を、教えて
いただいています。

それが浄土三部経であり、そこに説かれるお念仏の教えです。

 私たちは、努力して生きることが大事で、他のものに頼って
生きることは、良くないことだと教え込まれて生きています。
若い時には、まったく気づかなかったものの、多くの力や、
はたらきに助けられ、自分の力だけで生きているのではなく、
生かされているのだということが、歳を重ねるとともに、
少しずつ味わえてくるようになります。


 お釈迦さまの教えを、インド・中国・日本の高僧が、深く
読み解き、四苦八苦の苦しみを、乗り越えることのできる
確かな道があり、それが、南無阿弥陀仏、お念仏と共に
生きる道であると。


南無阿弥陀仏の価値観で生きている人は 必ず阿弥陀如来の
お浄土に生まれ、阿弥陀如来と同じ悟りを得て、仏となる。

仏となったら、もう じっとしておれず、この世の人々を導く、
はたらきが出来る。


すでに、父母、祖父母、多くの先祖が揃って、四苦八苦を、
喜びに転じる方法がある、早く気づいてくれと、呼びかけ
続けておられるのだと。


 人間は老い、病気になって苦しみ、死んで終わりではなく、
お浄土に生まれて、仏となって、生きがいある、はたらきが
できるのだと。

死んで終わるのではなく、お浄土へ生まれて往く、これからも
まだまだ充分に活躍出来る未来があるのだと信じさせて頂いたら、

余裕をもって、堂々と生きていける力がわいてくるのです。

多くの苦しみは、素晴らしい人生経験だと受けとめ、さまざまな
喜怒哀楽を経験することで、仏となった時に、苦しみ悩む人々の
その気持ちが、よく理解できるのです。

この世での様々な経験・体験が、仏になった時におおいに
役立ってくるのです。


「老病死」と思えば、この世は苦しみの人生となり、
「老病生」と味わえば、未来が開け生きがいある人生を
送ることが出来るのです。


生老病生 この世に生まれて様々の経験を積み、次はお浄土に
生まれ仏と成る。

南无阿弥陀仏を口にしながら、そう味わえる豊かな人生を、どうぞ、
受け取らせていただきたいものです。


          


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