第1389回  阿弥陀経は 名医の言葉

令和元年 9月12日~

 『大経』には 南無阿弥陀仏の名号が説かれていますが、これは昔から
われわれ衆生を必ず救う妙薬に讐えられます。


『観経』は、私たち凡夫の病気がどれだけ重いかということを教えています。
王舎城の悲劇を通して、南無阿弥陀仏の名号によらなければ私たちは決して
助からないという真理が説かれているのです。

それに対して『阿弥陀経』は、その薬を勧めてくがさる名医の立場に当たります。
『阿弥陀経』の後半には、無数の仏さまがみな「南無阿弥陀仏の名号に助けていただきなさい」

と教えてくださって、名号を信ずる者を護ってくださると説かれています。

私たちの信心が相続できるように、宇宙に充ち満ちている十方の諸仏が護ってくださるのです。
『阿弥陀経』には、東・南・西・北・下・上の順番に、たくさんの仏さまの名前が
挙げられています。どの仏さまも、称名念仏するこの私を護ってくださるというのですから、
これは頼もしいかぎりです。諸仏を名医になぞらえるわけですが、その名医たちの診断は
どれも一致していて、見立てが違うことがないのです。


 最近はそんなことはあまりないと思いますが、私どもが子どもだった時代は、
二人のお医者さんの診断が正反対で困ったという話かありました。
患者さんはたしか盲腸炎だったのですが、一人の先生は「温めなさい」と言い、

もう一人の先生は「冷やしなさい」と言ったのです。このように見立てが違うと
患者は困ってしまいます。ところが十方世界の諸仏は、ことごとく同じ診断をされるのです。

あなたの病気は南無阿弥陀仏の名号以外では助からない、この名号を服用すれば
必ず治るということを、宇宙に充ち満ちる仏さまが一致して証言してくださっているのです。


 これはなぜかと言うと、凡夫は元から疑り深くてなかなかその薬を飲もうとしない
からであります。死が身近になってもまだ飲みません。私たちはこれから二百年も
生きるわけではありませんね。まもなく死ぬわけです。
それでもまだ、南無阿弥陀仏を飲まずに、他に助かる道があるんじゃないかと
想して生きている人もいます。

せっかく 妙薬を 教えてもらっているのに、気づかない人や眺めているだけ   という人が
余りに多いのは誠に残念です。

二度と無い最後のチャンス、仏さまや先輩方のすすめを素直に 聞いて、南無阿弥陀仏の名号を
口にして 味わい、喜び多い、生きがいある 素晴らしい人生を 受け取ることが、
何にも増して、
最高の親孝行になることでしょう

                  大峯顕著 生命環流 本願寺出版社 より


          


           私も一言(伝言板)