第1359回 法名と戒名

 平成31年 2月14日〜

浄土真宗では 法名といい、戒名とはいわないことを、はじめに
申しあげておきましょう。

さて、この二つはどちらも、仏教徒としての名前のことで、
キリスト教でいえば クリスチャンネームに相当します。


このうち、戒名というのは、悪行をやめて善行をつみ、心を浄化して、
さとりを得て仏になろうとする人が、仏道修行の基礎であり、規律である
「戒」(戒律)をまもることを誓う、受戒の時にいただく名前のことです。


 これに対し浄土真宗は、阿弥陀如来のご本願を信じて、仏になせていただく
教えですので、受戒をしません。
それで戒名ではなく、法名と申します。
法名とは、仏法に帰依し、仏法をよりどころとして生きる、仏弟子としての名前です。


 浄土真宗本願寺派では、僧侶なら得度式で、また門信徒は帰敬式、いわゆる
「おかみそり」を受けることによって、仏弟子となったしるしとして、
ご門主からいただきます。この法名は通常、二文字の漢字であらわされ、
そのうえにかからず「釈」の字がつきます。
これは、お釈迦さまの一族にならせていただいたという意味です。


 生前、おかみそりを受ける機会がないまま亡くなった人には、葬儀をとり行う
住職が、ご門主に変わって「おかみそり」を行い、法名をつけることになりますが、
本来の意味から考えても、やはり今、生きている間に、おかみそりをうけ、
法名をいただいておきたいものです。

 なお、院号というのは、法名の上につけられる一種の称号で、もともとは
寺院の名前が、そこに住む僧侶の、呼び名となっていたものです。
現在では、宗門の護持発展につくしたかたに、生前・死後を問わず、
本願寺から贈られています。

 では最後に、ご一緒にお念仏申しましょう。南無阿弥陀仏……。

                             朗読法話集 第一集より

          


           私も一言(伝言板)