第1358回 チューリップの花 〔いのちの輝き

 平成31年 2月7日〜

 童謡で「チューリップ」という歌がありますね。
「咲いた、咲いた、チューリップの花が……」という、あの歌です。
「ならんだ、ならんだ、赤、白、黄色。どの花みてもきれいだな」と続きます。


 とくにめずらしいことをいっているのではありません。
ただ、赤や白や黄色に咲いた、チューリップの花がきれいだといっているのですが、
よく味わってみると、そこには生き生きと輝く、チューリップの「いのち」が感じられますね。


 赤いチューリップは赤いままで精いっぱい輝き、白は白でけんめいに輝いています。
黄色の花も黄色のすばらしさを、花いっぱいにあらわしています。

どの色の花がすぐれていて、どの色の花がおとっているというのではありません。
それぞれの花が、それぞれのもち味を生かして、精いっぱい輝かせているのです。
この「チューリップ」の童謡は、「いのち」のすばらしさをうたっています。


 そしてこのチューリップの花よりも、もっともっと美しい、いのち輝く花が
満ちあふれているのが、仏さまの国、お浄土です。


 お仏壇に、お花をお供えするのは、このお浄土の色とりどりの花を思っての
ことなのです。きれいに咲いたお浄土の花の一つひとつには、仏さまの願いが
込められているのですよ。


 仏さまの願いは どういう願いなのでしょう。
それはね、「顔や形、性格は みんな違っていても、一人ひとりがそれぞれの
「いのち」を精いっぱい、輝かせてくれよ。
人と違っていることで 悲しんだり、淋しがったり、くじけてはいけないよ。
たとえ、くじけそうになっても、私がちゃんと ついているから、安心して
精いっぱい、元気をだして生きてくださいよ」という願いです。


 チューリップの花と同じように、みなさん一人ひとり、お念仏を称えながら、
赤・白・黄色と、輝くように生きてくださいね。

では最後に、ご一緒にお念仏申しましょう。南無阿弥陀仏・・・・・

                               朗読法話集 第一集より

          


           私も一言(伝言板)