第1336回 お願いごと

 平成30年 9月 6日〜

エンディングノートに こんな記載がありました。

お願いごと              

  我が家は、浄土真宗の門徒で、○○寺に所属し、代々門徒総代を勤めてきた。
祖父○○、父○○ともに、率先して本堂の最前列に座り、仏さまのお話を聞いていた。


私も、子どもの頃、祖父母に連れられて、よくお参りしていた。
頂くお菓子が楽しみだったが、周りの大人たちが、大きな声で、南無阿弥陀仏、
南無阿弥陀仏と口にしていたことや、日頃、厳しい祖父が、本堂でだけは、
やさしい顔で愛想がよく、別人のようだったことを不思議に思っていた。

   父が亡くなって、本堂に座り、お聴聞するようになってから、
 祖父母が、何故あんなに柔和な顔をしていたのか、少し分かってきた。
 そして、働き盛りの若い頃、もっと仏さまのお話を聞いておけば、
 くよくよ悩まず、堂々と生きてこれただろうに、もっと豊かで、
 喜び多い毎日だっただろうにと、残念でならない。

  今反省している。祖父母がしてくれたように、君たちにお念仏の
 ご縁を結ばなかったことを、誠に申し訳なく思っている。
 どうか、先祖が大事にしてきた、「仏教の価値観」である
 お念仏の教えを受け取り、次に伝えていってほしい。
 お念仏を受け継ぐことを先祖たちは、相続すると表現してきた。

 是非、是非、受け取り、相続してほしい。どんな財産より、すべての
  子どもや孫たちにとって、大きな宝物となると、私は今確信している。

   通夜葬儀は、遠慮せずに知らせてほしい。
 家族だけで行うと、後で、次々に弔問客が訪れ、大変だと聞いている。
 来る来ないは相手の勝手、知らせるだけは知らせた方が良い。
 親戚にもご近所にも、これまで何度も何度もお布施を包んでいる、
 そのお返しを受け取るだけ、遠慮することなく、堂々と受け取っていい。

   七日七日の法要や、年忌法要などは、子どもや孫たちが
出席できる曜日や時間を調べて、ご住職に相談するが良い。
小さい時に、仏さまのお話を聞かせておいていただきたい。
子どもの頃に蒔かれた種は、いつか、きっと花開くものである。
一人でも多くの子どもや孫たち、そして親戚の方々に、先祖が
大事にしていたお念仏の教えを、味わうことの出来るように
喜び多い豊かな人生を受け取れるよう、どうか、勤めてほしい。
相続してほしい。これだけはお願いします。


      このように書かれた ノートを拝見しました。

          


           私も一言(伝言板)