第1321回 人生が変わる

 平成30年 5月24日〜

 子供の頃に、誕生日を祝ってもらった記憶はありませんか。
赤飯と尾頭つきの鯛が食前にあったことを思い出します。
親の願いは 誕生してくれてありがとう、そして、子どもにはこの世に
生まれたことを喜べるような人生を送ってほしいとの思いだったのでしょう。

 逆に、親の誕生日を 祝ったことはありませんか。
両親とも亡くなった今、もう遅いとお思いでしょうが、祥月命日が
お浄土へ生まれた親の誕生日だと味わうことは出来るのではないでしょうか。
お浄土で仏になった今でも、生きているときと同じように、子どもの私に
どうか、喜び多い人生を受け取ってほしいと、はたらきかけていただいて
いると味わえないものでしょうか。

 ところで、親鸞聖人の誕生をお祝いするのが宗祖降誕会です。
お念仏の教えは仏教ですから、お釈迦さまの誕生日をお祝いすればよいのに 
なぜ親鸞さまの誕生日なでしょうか。

お釈迦さまは、因果の道理を説かれ、人間の行いの結果が自分に返ってくる
私の行動に、様々なご縁が加わって結果が現れると、そのためには努力、頑張り、
悪を出来るだけなくす為に、修行しやすいよう家を捨て、家族を捨て、財産を捨て
出家することが大事だと。 


 ところが、私たちのように出家も出来ないのに、それでも幸せになりたいと
思っている人たちがたくさんいます。
そんな人たちのために、お念仏の教えを説いていただいているのだと
法然上人に導かれて、親鸞聖人は、お釈迦さまの真意を受け取られたのです。

  そして、この教え、南無阿弥陀仏に出会えれば、むなしい人生を送ることはなく、
喜び多い豊かな人生を受け取ることが出来ると、自分自身の体験を元にして、
お念仏を勧めてくださったのです。


 私たちの周りには、善因善果 悪因悪果 さあ頑張ろう、努力しよう
健康も長寿も美貌も、財産もあなたの努力次第であるとの考えが主流です。
テレビのコマーシャルは、頑張るために必要な商品を連呼しています。

 ところが、親鸞聖人がお勧めいただく、お念仏の教えは、私の
努力だけでは、どうしても解決出来ない老病死の大問題を、解決出来る
糸口を与えてくださるものです。
この教えに遇えば、人生がまるで変わって見えてくる、
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏を口にする生活を始めると、
ものの受け取り方、考え方がまるで違ってきて、人生が大きく変わって
味わえてくると、教え伝えていただいた親鸞聖人の誕生日が、降誕会です。

その教えは、どんな内容なのか、繰り返し繰り返しお聴聞することで
仏さまのお話を、仏さまの願いを、聞き取ることで、受け取れるものです。
是非 私の人生は 本当にすばらしかった この世に生まれて来てよかった
お母さん生んでくださって有り難うございますと
言える、豊かな意義ある人生を味わいたいものです。

 こんなお話を、降誕会でいたしました。


          


           私も一言(伝言板)