第1309回 親の七光り

 平成30年 3月1日〜

 テレビ見ていると二世タレントや、有名人の子どもたちが活躍する姿をよく見ます。

政治の世界でも、二世議員が増えているようです。
伝統的な工芸や芸能、中小企業などでは、当然のように親の後を受け継いで
いますが、大企業の入社試験などに、親の威光が及び、恩恵を受けることを
「親の七光り」といって、あまり良い意味では使われないものです。

 親から素晴らしい能力を受け継いでいるのでしょうが、そうした後ろ盾を
持たない人にとっては、うらやましくまた妬ましいものです。
子どもの頃、先生の子どもや父兄会役員の子どもが、悪いことをしても、
先生が本気でしからなかったとき、不公平だと感じたものです。


 さて、光といえば仏さまのはたらきも光で表します。
阿弥陀さまのはたらきである、仏の智慧の徳を、十二種に分けて称讃します。

1.無量光(むりょうこう)。量かることのできない光。
2.無辺光(むへんこう)。際限のない光。
3.無碍光(むげこう)。何ものにもさえぎられることのない光。
4.無対光(むたいこう)。くらべるもののない光。

5.炎王光(えんのうこう)。最高の輝きをもつ光。
6.清浄光(しょうじょうこう)。衆生のむさぼりを除くきよらかな光。
7.歓喜光(かんぎこう)。衆生のいかりを除きよろこびを与える光。
8.智慧光(ちえこう)。衆生のまどいを除き智慧を与える光。
9.不断光(ふだんこう)。常に照らす光。
10.難思光(なんじこう)。おもいはかることができない光。
11.無称光(むしょうこう)。説き尽くすことができず、言葉もおよばない光。
12.超日月光(ちょうにちがっこう)。日月に超えすぐれた光。

 阿弥陀さまは、すべての人を一人子のように、照らし続けておられると
説かれていますが、そのはたらきに気づくこともなく、私たちは自分の力
自分の努力だけで生きていると思っています。

 阿弥陀さまは、すべての人を必ず救う、お浄土へ生まれさせ仏にするぞ、
そして一緒になってお念仏の教えを人々に伝えようと、この私に向かって、
ずっと休むことなく、はたらきかけておられるのです。
しかし、仏さまのはたらきに 気づくこともなく生きてきました。

 親の七光りは、この世でしか通用しませんが、仏さまのはたらきは、
この世だけではなく、いのち終わっても大丈夫な力があるのです。
そして、阿弥陀さまが、この私を一人子のように、心配しはたらきかけて
おられるのなら私には、比べることも出来ない大きな力を持った偉大な
親があり、十二の光で、南無阿弥陀仏で護り導いていただいているのです。
そう味わうことができれば、安心して堂々と、生きることができるものです。

 私は、阿弥陀さまの御曹司・お嬢さまであると気づけば、大企業の社長の 
子どもや、絶大な権力者の子ども以上に、素晴らしい親、阿弥陀さまを親に持った、

注目され護られている特別待遇の子どもであると味わえます。
ですから、厳しい修行も出来ないのに、人並み以上の能力を持たないのに、
南無阿弥陀仏のお念仏一つで、やがてお浄土に生まれさせていただき、 
仏になって、はたらく能力を与えられているのです。


 これからは親に反抗せず、迷惑をかけないよう、繰り返しお聴聞をし
喜び多い豊かなお念仏の生活をさせていただきたいものです。
南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏

          


           私も一言(伝言板)