第1307回 お礼をする

平成30年2月15日〜

お仏壇の前で 手を合わせ南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏と
お念仏することを お礼をするといいます。
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏は、報恩のお念仏とも言われます。

御文章などには、「たのむ」と書かれていますが、その当時言葉では
信頼する、たよる、お任せするという意味で、私の思いの通りに願いを
叶えてくださいという意味とは違うと言うことです。

ですから、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏とはお礼の報恩感謝のお念仏と
言われるのです。

お礼と言えば、感謝する相手の行動、はたらきを口にして、お礼の言葉を
言うものです。
「昨日は、わざわざお訪ねいただき、美味しいお菓子までいただきありがとうございました」
「子供をわざわざ送っていただき 本当に有り難うございました」
「いいお得意様をご紹介いただきありがとうございました」
などと、相手のはたらきを口にして感謝の言葉を言うものです。

 過ぎ去った、過去のことばかりではなく、これから未来のことに
も感謝することがあります。
「ご紹介いただき、早速明日お訪ねしたいと思います。ありがとうございました。」
「知りませんでした。そんな便利なものがあるとは、早速注文したいと思います」
など、まだ実現していないものの、未来に対することでもお礼をいうものです。

 さて、それでは、報恩のお念仏とは、どういうことを口にしているのでしょうか。
阿弥陀さまがこの私を救っていただくのは、過去ではなく、これから未来のことです。
もう救われたのではなく、これからお浄土へ生まれさせていただくのです。

ですから、「阿弥陀さまが、この私をお浄土へ生まれさせ、仏にすると
はたらきかけていただいていることを、知る事ができました。ありがとうございます」とか
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と口にしているこの私は、もう仏の仲間と仰って
 いただいていると、教えていただきました。やがて、このいのちが終われば
  お浄土で、仏のさとりを得ると思えば、有り難く嬉しく、元気が出てきました」
「歳を重ねて、もう何もできなくなり、お世話ばかりかけていますが、
 お浄土で仏にしていただき、阿弥陀さまと一緒に、人々の悩み苦しみを
 取り去るはたらきが出来ると教えていただきました。役立たずの私にも
 明るい未来があることを知り、有り難くうれしくてお念仏しております」

などなど、四苦八苦の苦しみの中でも、明るい明日を思い描くことができ
希望と喜びが与えられるのでしょう。

南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と口にするだけではなく、時には、具体的に自分の言葉で、
お礼を表現してみると、その喜びは、もっともっと、深まってくるものです。

南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏で これから明るい未来が開けてきて、有り難さが
増していき、ますます生き甲斐がわいてくるものです。

お念仏に遇えて、よかったですね。お釈迦さまが説かれた教えの真意を教えてくださった
親鸞さまありがとうございます。

南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏とともに、時にはお礼の言葉を口にしてみませんか。

          


           私も一言(伝言板)