第1296回 生きる喜びに

 平成29年 11月30日~

法座で頂戴した施本に、東井義雄先生のこんなお話に出遇いました。

生きる喜びに めざめさせてくださるのが ほとけさま という文章です。


 仏さまのお慈悲には四つのおはたらきがあると聞いています。
「慈」「悲」「喜」「捨」の四つです。どんな暗い重い宿業を背負って、
その荷の重さに圧しつぶされそうになっている者にも、生きがいを
失ってヤケになっている者にも、劣等感にとりつかれてしょげている者にも、
自信を回復させ、勇気を与え、希望を育て、生きる喜びに目覚めさせて
くださるのが仏さまです。

「泣」という字は、「サンズイ」に「立」という字が添えてあります。

「涙」という字は、「サンズイ」に「戻」という字が添えてあります。
これは、私たちが深い悲しみに出合い、涙に溺れてしまいそうに
なっているとき、それがどんなに深い悲しみであっても、必ず
「立」ち上がらせずにはおかないという、仏さまの願いを表わすために
「サンズイ」に「立」を添えて「泣」という字にし、「涙」に
おし流されてしまおうとする私たちを、必ず、引き「戻」して
くださる仏さまのお心を表わすために「サンズイ」に「戻」を添えて、
「涙」という字にしてあるのだと聞いたことがあります。

 これに関連して思い出すのは、『観無量寿経』の中の
「諸仏如来は是れ法界の身なり。一切衆生の心想の中に入り給う」
というおことばです。

如来さまは、いつも、私たちの心や想いの中におはいりくださって、
私たちをお導きくださっているのです。
私たちが、悲しみの底に溺れて泣いているときには、新しい視点を
お与えになって、立ち上がらせ、悲しみの涙におし流されてしまおうと
しているときには、新しい生きがいをお示してくださって、
引き戻してくださるのでしょう。

  探求社・法蔵館 発行 東井義雄著 
           「モノ」のいのちをいとおしむ心より


          


           私も一言(伝言板)