第1295回 引力 浮力 磁力 本願力

 平成29年 11月23日~

 近くに うどん屋さんで 人力うどんという名の店があります。
人間の力で作った、手作りのうどんという意味でしょうか。

「力」と言えば 人間の力だけではなく、
水力、火力、風力、原子力など、エネルギーの元になるもの。
重力、遠心力、磁力など地球にいる限り、自然にはたらいている力もあります。
これらの力や、はたらきについて、詳しく説明を聞いても、なかなか
理解出来ませんが、理解出来なくても厳然と存在しています。

 ところで、浄土真宗は 他力の教えと言われます。
他力の他とは、他の人という意味ではなく、阿弥陀如来さまのこと、
力とは、本願力のことをいいます。本願のはたらきのことです。
仏さまのはたらきも、引力や重力と同じく、すべての者に平等に
はたらいています。

ところが、このはたらきに、仏さまのこの力に気づくことが出来る人と
気づくことが出来なくて一生を終わる人とがあるのです。

 本願力は、大無量寿経に四十八の願として説かれています。
その最初の第一願には、阿弥陀如来さまの国には地獄や餓鬼や畜生
のものがいない。第二願には、命を終えた後、ふたたび地獄や餓鬼や畜生の
世界に落ちることがない、と説かれています。

 ということは、この私たちの生きている世界には、地獄や餓鬼や畜生のように
苦しみながら、生きている人が余りにも多い、それを救いたいというのが

仏さまの大きな願いなのです。

苦しみを受けるのは、何故なのか、どうしてなのか。
それは自分が作った原因の結果を受けての苦しみであると仏教では味わいます。


今はまだ、若くて健康ですから、少しの苦しみしか受けていませんが、
やがて、老病死をはじめとして、四苦八苦の苦しみを、わが身で受けとめねば
ならない時が来ます。
これは、人間がどれだけ努力しても、どうしても防ぐことも、逃れることも出来ない
現実です。それでも、仏さまの願いを聴聞している、お念仏する人は、その悩みや
苦しみを乗り越えることが、受け入れていくことが出来るのです。


そして、お念仏の人はやがて、お浄土に生まれ、その苦しみが消え去り、
阿弥陀さまと同じはたらきの出来る仏さまとなって活躍出来る。
その希望が持てる人と、未来が見えない人とでは
人生は大きく変わるものです。

どうか、お聴聞して、仏さまの話を、本願のはたらきを聞かせていただき、
南無阿弥陀仏を口にして、これからおそってくる地獄や餓鬼や畜生のような苦しみを、
この世でも、次の世でも受けることなく、喜び多い生き甲斐ある人生を
送らせていただきたいものです。


          


           私も一言(伝言板)