第915回 こころに 唇に 〜南無阿弥陀仏を〜

 平成22年 8月 5日〜

メールマガジンという 定期的に 多くの方へ 法話の発送を はじめ 
これまでの この電話サービスで 取り上げた内容などを 

毎週木曜日に配送しています。

その一つに あるお寺の門信徒会館入り口に 今は亡き 前のご住職が 
書かれた

「今 今 一度だけの 今」という 文章があり、それを読み返していると
こんな言葉を思い出したとの文章がありました。

「 たった一人の自分を  たった一度しかない一生を  
   ほんとうに生かすことができなかったら  
   人間に生まれてきた、かいがないじゃないか 」 という名句です。  

これは 「 路傍の石 」 という小説を書いた山本有三氏の 文学碑に
刻んである言葉だそうです。

成績がいいのに 家庭の経済的な理由で 中学進学ができない 
主人公 吾一少年に 受け持ちの先生が はげましてくれた 言葉です。

山本有三さんの文学碑には 他に こんなものもあるそうです。

心に太陽を持て  ツェーサル・フライシュレン原作 山本有三 訳詩

  心に太陽を持て 嵐が吹こうが 雪が降ろうが 天には雲
  地には争いが絶えなかろうが 心に太陽を持て
  そうすりゃ何が来ようと平気じゃないか
  どんな暗い日だって それが明るくしてくれる

  唇に歌を持て ほがらかな調子で 日々の苦労に
  よし心配が絶えなくとも 唇に歌を持て
  そうすりゃ何が来ようと平気じゃないか
  どんな寂しい日だって それが元気にしてくれる

  他人のためにも言葉を持て なやみ、苦しんでいる他人のためにも
  そうして何でこんなに朗らかでいられるのか
  それをこう話してやるのだ 唇に歌を持て 勇気を失うな
  心に太陽を持て そうすりゃ何だってふっ飛んでしまう


この詩を読みながら お念仏の教えに どこか近い感じがしました。

 こころに くちびるに 南無阿弥陀仏を 持とうと 読み替えることが
できるように 味わっています。

そうすると、

   南無阿弥陀仏の念仏も  阿弥陀如来という仏さまが
 今、今、この一度だけの今を、 イキイキと生きてほしいとの呼び声
 ちゃんと見守っているよ。
 いっしょにいるよ。 あなたが努力していることも 悩んでいることも
  苦しんでいることも  やさしいこころで 人々と接している ことも。
 見返りを求めずに 損得抜きに はたらきかけていることも・・・・・。


 ちゃんと 見ている 知っているよ  
 そして 喜びの声 ありがとう うれしいよ  誰が見ていなくても 
 皆が 知らぬ 振りをして 見過ごしていることも あなた一人は
 ちゃんと 心がけて やさしく 親切に はたらきかけて いることを 
 うれしく ありがたく 感じているよ・・・・ との呼びかけ。



「南無阿弥陀仏」とは  阿弥陀仏という 仏さま あなたは すばらしい
 あなたを あこがれます
 あなたのように なりたいものです。 あなたを理想としています ・・・

 あこがれの 言葉 理想の言葉
 自分のことしか考えない 醜い 人々ばかりを見て
 自分は ちゃんとやっている上等だと 錯覚するのではなく
 阿弥陀さまに比べたら 恥ずかしい こんなことでは 申し訳ない 
 もっと もっと やるべきことが 見えてくるのではないでしょうか。

 南無阿弥陀仏を こころに 南無阿弥陀仏を唇に 南無阿弥陀仏を 耳に
 この一度だけの 今を 精一杯生かさせていただきたいものです。

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。
次回は、8月12日に新しい内容に変わります。


         


           私も一言(伝言板)