第1650回 自分の姿を鏡で見る

 令和6年9月12日~

 近くの県にある親のお骨を近くに移したいが、どうしたら
良いのでしょうかと、美容師の方が、相談に来られました。

 そこで、美容院と お寺 多くの共通点があるように思います。
定期的によく美容院に通われる方と、まったく無関心な方があるように、
お寺も定期的に、よくお参りいただく方と、まったく
ご縁のない方があるものです。


 美容院にいくと、頭が軽くなり、こころも明るくなってくるものですが、
お寺も、お参りして仏さまのお話を聞くと、すっきりとして、
心も明るくなるものです。


 お墓に花をあげただけで、帰る方がありますが、それでも、
少しは気持ちが
 すっきりするものです。
しかし、これはちょうど、美容室の花瓶に花をさし、

待合室で雑誌を見ただけで帰るようなもので、カットや髪を洗って
セットして
 いただかないと、本当の喜びは感じられないものです。

それと同じように、お寺も、ただ墓にお参りするだけではなく、
お話を聞いて、新たな価値観を、新しい視点を受け取ることがなければ、
余り有り難いものでは、ありません。


 美容院の鏡で、素敵になった自分の姿を見たときのように、
仏さまの話を聞くことで、心の中が、新鮮な喜びを、感じられてきて、
すっきりとして、うれしくなってくるものです。

 浄土真宗では、特に恩ということをいいます。
親鸞聖人の御命日を報恩講といい、よく歌ううたも、恩徳讃、恩という
言葉がよく聞かれます。

 これまでいかに多くの方々の力、支えがあったかを気づかされて、
心の中が喜びでいっぱいになり、生きていく力がわいてくるものです。
美容院を出るときのように、世界が変わって見え、未来が明るくなるものです。

 とはいえ、しばらく時間がたつと、その喜びは薄れてくるものです。
髪も伸びて、気持ちが悪くなるように、心もだんだんと重たくなって
どんよりとしてくるものです。

 そこで、美容院に行って、綺麗にしていただくように、浄土真宗の方は
仏さまのお話を聞くことで、心の喜びがよみがえっていくものです。
ですから、ただお骨を預けるだけではなく、それをご縁に
お話を聞くことができる所に、ご相談されることをおすすめします。


          


           私も一言(伝言板)