第1619回 遺伝に加えて

 令和 6年 2月8日~

  間違えて、うかつにも別のお宅にお参りする途中で気づき、
慌てて、本来のお宅に電話をして遅れて伺うことになりました。


  たまたま土曜日で 80歳代のご主人と 隣の住宅に住む 
50代の息子さんが一緒にお勤めをしてくださいました。


「会社の方はどうですか、若い方は なかなか大変でしょう」と
話しかけると、「今の若い人は よく分かりませんよ、
男までも 髪をそめるし、爪にまで色のついたマニキュアはしてくるし」
と、笑いながら答えられました。

「手は汚れる仕事ですか、手袋はするんでしょう。」
「油が付くので 手袋はしていますが、どうも理解出来ない」と。

 でも、考えると ライオンも鳥たちも メスより 雄の方が
立派で 目立つようですね。
動物は 本来 雄の方が 目立つように 選ばれるように頑張るものかも
しれませんね。と話しながら おもいました。

 動物たちは 本能 遺伝子で、生き抜く智慧を、次の世代に伝えて
いくでしょうが、人間はそれに加えて、言葉を使って 文字を使って、
より多くのことを伝達してきたのではないかと思いました。

 それが、現代は 表面的で利己的な動物的な本能は伝わっているかも
しれませんが、精神的なこころの有り様の伝承は はたして出来て
いるのだろうかと思えてきました。

 宗教というものは、特に 南無阿弥陀仏の教えは、人間が動物ではなく
人間として 生きがいを持ち よろこびを感じ、協調して生きていく
その力を 次の世代に伝えようとするものであり、それが、はたして
現代は うまくいっているのか。
だんだんと、動物的な本能をむき出しにした、価値観が中心になって
いっているのではないかと、思われます。

 すべての人が、人間として充実して喜び多く、生きていることが、
有り難く感じられる、そうした価値観が忘れられ 消えつつあるように
思えてなりません。

 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏は 先輩達が伝え残したかった、
人間の本当のよろこびを 感じ味わう力を受け継ぎたかったのだろうと
思います。
もっとも大事なものを 残し相続してほしいと。

          


           私も一言(伝言板)