第1293回 若い二人に (結婚式での挨拶)

 平成29年 11月 9日~

こんなテレホン法話を、ネットで拝見しました。

 先日、同じ宗派のお寺の息子さんの結婚式に出席させていただき、
次のようなお話をいたしました。


 私ども浄土真宗は「在家仏教」と言われています。
在家仏教とは、仏さまの教えを喜び、お念仏の教えを支えとして
家庭生活を営むということです。
これは親鸞聖人以来、浄土真宗の門徒の結婚とは、まさにお念仏の教えを
生涯通して実践していくことでした。

仏説無量寿経というお経に、「当相敬愛」という言葉がありますが、
お互いに相手を敬い合いことがもっとも大切なことだと説かれています。
そこで、若いお二人に、是非心がけて頂きたいことが二つあります。

その一つは、「短所は片目で見て、長所は両目で見る」ということです。

これは「相手の悪いところは大目に見てあげる。そして相手の良いところは
しっかりと見てあげる」という意味です。

我々人間は、残念ながら、他人の悪いところはよく見えるものですが、

良いところは中々見えないように出来ています。
特に、夫婦の場合、それが顕著になってきます。
しばらく夫婦生活を続けておりますと、どういうわけか、相手の良いところは
見ようとせずに、悪いところばかり見てしまう。

こうしたことが続くと、夫婦として「相手を敬う」という気持ちが薄くなるのです。
すると奥さんは「当てがはずれた、当てがはずれた」と言うし、主人は主人で

「一生の不作じゃ」と言う、まさに名ばかりの夫婦、形ばかりの夫婦に成ってしまうのです。
それもこれも、相手を敬うという心を失ったことに原因があるのです。
そうならないためにも、「短所は片目で見て、長所は両目で見る」ということを
是非心がけていただきたいと思います。


 もう一つ心がけて頂きたいことは「何事も相手の都合を優先する」ということです。
実はこれが、独身時代と一番違うところだと思います。
独身の頃は、「好きな時に起き、好きな時に食べ、好きなように遊んで、好きな時に寝る」、
何をするにも自分の都合で生きてきたと思います。

つまり、自分の都合100%で生きてきたわけです。

それを、これからは相手の都合を優先していく、少なくとも自分の都合を半分(50%)に
抑えていく、これが「二人で人生を共にする」ということだと思います。

仏教では、こうして相手の都合、相手の立場を100%優先されるお方を「仏さま」といいます。

また、そういう人生をめざしていこうとする方を「菩薩」と言うのです。
菩薩とは「あなたの幸せが私の幸せです。あなたが幸せでなかったら私も幸せではありません」
という心を持った方です。
ですから、「相手の都合を優先して生きる」ということは、そういう菩薩さまの心を
家庭生活の中で実践していくということになるのです。

100%自分の都合で生きてきた人生を、相手の都合100%の人生に転じていこうと努力していく、
そこに在家仏教の意義があるのです。

以上二つのこと、「短所は片目で見て、長所は両目で見る」「何事も相手の都合を優先する」
ということ、中々実行することは難しいことですが、是非若いお二人には生涯通して心がけて
いただきたいと思います。

そうして、お念仏のみ教えに支えられ導かれながら、共に敬い愛し合う麗しいご家庭が
築かれますよう心から念じ上げる次第です。・・・・


  以上のようなお話をいたしました。
     とありました。(省略・加筆させていただきました)


            「テレフォン法話」0897(53)4585 光明寺さま より

          


           私も一言(伝言板)