<AWAY観戦記>  9月11日   対:アルビレックス新潟戦

ライター 壽山 知里

  心配された雨も降らず、残暑の蒸し暑さを感じる、新潟市陸上競技場。雨続きの
鳥栖と違い、ピッチコンディションは良い。
   前節、0−1で惜敗しただけに、佐藤真一・復帰した竹元のFWコンビに、得点
が期待される。約一ヶ月ぶりに島岡が右SBに起用され、4月11日以来の森保・
松田・川前・島岡の4バックで試合に臨む。
   12:33、キックオフ。積極的に攻撃を仕掛けようとする鳥栖。しかし、前線
に2〜3人を残して完全に自陣に引いて守る新潟を崩すことが難しい。攻めあぐね
る時間帯が続く。両SBも果敢にオーバーラップするが、一度中央の選手に預けた
ボールが返らず、十分な攻撃参加ができないまま自分のポジションに戻る。僅かな
攻撃チャンスの場面でも、パサーと受け手のタイミングが合わず、フィニッシュに
持ち込めず、シュートする気配が感じられない。
   25分、左サイドからのセンタリングが高橋のヘッドにドンピシャリ。決定的な
ヘディングはクロスバーを弾いたが、前線に詰めていたサウロが、跳ね返った球に
すばやく反応しゴールに押し込んだ。0−1。
   この失点が、守備陣に火を付けた。神がかりとも言えるような高嵜のスーパーセ
ーブ、前節に続き手堅い守備を見せる松田、川前も安定感を見せる。新潟の高橋・
式田のサイドのえぐりにも無理なディフェンスをせず、真ん中で最後にキッチリと
セーブ。前半終了が近づくに連れて、バックパスが増える新潟に、脅威は感じられ
なくなった。
   ハーフタイムに「積極的にボールを取りに行こう」(楚輪監督)と確認し合った鳥
栖は、早速47分に右サイドから崩しにかかった。新潟のマークも執拗なものでは
なく、比較的自由にプレーできていたが、全体的に攻撃のビルドアップのタイミン
グが合わず、パスの質がいまひとつなため、GKを脅かすようなシュートが生まれ
ない。そのうち、井原・生津の、中盤の攻守の要の位置で、いとも簡単にボールを
奪われる場面が目立つようになってくる。余裕の采配か温存か、新潟はリカルドと
サウロを交代させてしまった。
   どうしても1点が欲しい。楚輪監督はまず66分に生津に代えて中村を投入し、
中盤を落ち着かせる。続いて75分には、北内・佐藤真に代えて佐藤陽・福留を一
気に投入する。「パワープレーに切り替えようと思った」(楚輪監督)は、佐藤陽と
松田にセンターバックを任せ、高さ・勢い・闘争心を前線に吹き込むべく、何と、
DFの川前を前列右に置いた。これらの交代とポジション変更で、ようやく鳥栖が
目覚め、ゲームの主導権を握る。運動量の落ちてきた新潟は、無理なチェイシング
をせず、ロングパスを放り込み、完全にカウンター狙いになった。
   ロスタイム、最後のCKのチャンス!しかし…。中央でボールを持ったと同時に
無情のタイムアップの笛が鳴った。
   徹底的に攻め込まれ、防戦一方という訳では決してなかったこの試合だったが、
記録を見れば、シュート数、鳥栖4、新潟20。シュートしなければ、得点は生ま
れてこない。得点できなければ、勝利はない。個々の得点能力というよりも、チー
ム全体として、攻撃面での勢いのなさ、パターンの少なさが目立った試合だった。

<楚輪監督>
   前半はサッカーの面白さが見えてこない展開だった。後半10分間はパワー
サッカーに切り替えたが、ゴール前の詰めが甘かった。チャンスが欲しいなら
もう一回詰め、チャンスを拾わなければいけない。得点しなければ勝てない。
1点でも取れば、0点で抑えれば勝てるのだから。得点する喜びを思い出して
欲しい。「一人で良い仕事」をするのではなく、全員で闘わなければ。

Q:FWの二人にゴールがなかったが…
   残念だが、シュートを打つ意欲が感じられなかった。チャンスが
   あっても打とうとしない。
Q:ラストパスの質・タイミングに問題はなかったか?
   外から見るといろいろと感じるだろうが、グランドに立っている
   メンバーがいろいろと判断したのだろうし、それが一番正しい。
   ただ、メンバーが(お互いに)感じ合わないパスがあったのは事実。
Q:これで対:新潟戦は0勝3敗だが…
   内容も力も、今日の試合は五分五分だったが、これで3敗。前回の
  2−5の大敗を引きずっていた訳ではないが、これが現実。

<島岡選手>
(しばらくメンバーから外れていて)外から見ていて、いろいろと気付く
  ことがあった。自分自身は可もなく不可もなく、でも、思い切りプレー
  できたが…残念です、気持ちを切り替えて頑張ります。
<竹元選手>
  攻め手を欠いてしまった。引いてプレーし過ぎてしまったと思う。
<古賀選手>
  攻撃の人数は足りていたが、完全に引いて挑んでくる相手の崩し方が
  こちらになかった思う。自分自身にも不満が残る。それぞれ、もっと
  PLAYを工夫しなければいけないと思う。