<AWAY観戦記> 8月1日 対:ヴァンフォーレ甲府
ライター 壽山 知里
リーグ後半戦最初のゲームは、山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場から始まった。
雨が続き、暑さの中での練習がやや少なかった鳥栖、インターバル前との大きな
メンバーチェンジや作戦変更は敢えてせず、試合に臨んだ。
前半10分までは、両チームとも攻め手を欠き、一進一退の展開。均衡を破った
のは甲府だった。17分、FKを与えてしまう。ゴールまでに合計で3人の選手に
パスを回されたが、各選手へのマークが曖昧だった。最後まであきらめずにゴール
前に詰めていた土橋に、先制点を許した。
この失点で慌てた鳥栖は、せっかくのビッグチャンスをものにできない。21分、
CKから川前が高さを活かしたヘディングを放つも相手GKが正面でキャッチ、
27分には生津が珍しくミドルシュートを放ったがポストをはじく…。精度こそ
課題があるものの積極的に攻めてくる甲府に、ボール支配率以上に主導権を握ら
れている感覚さえあった。
29分、ファールかと思い一瞬動きが止まった鳥栖のボールを奪った阿井から
堀井へ早いパス、瞬く間にドリブルで抜かれ、対応が遅れた鳥栖DF陣が左に
寄ったところを、中央から吉田に決められた。2点のビハインドは、この日の
鳥栖にはかなりきついものだった。土橋・堀井の二人にドリブルで抜かれ、
一度は高嵜がセーブしたボールを押し込まれた。0−3。これで一気にラインが
下がり始め、古賀が果敢にチェイシングするも相棒の竹元が中盤の底にいたり…
と、攻撃のにおいが感じられなくなってきた。守備面もマークの受け渡しが曖昧に
なり、途中で気が抜けてしまう。
ようやく、楚輪監督が動いた。55分に生津→小林、58分に中村→佐藤真に
交代し、今一度攻撃面の立て直しを図った。しかし相変わらず、力任せに送り出す
パスや相手まかせのパスがミスを誘い、チャンスが生まれない。69分のシュート
チャンスもGK坂本のファインセーブに阻まれた。74分に北内→佐藤大の交代を
行い、中盤のメンバーをそっくりと入れ替えた形となった。
しかし、体力の消耗が目立ったのは守備陣の方で、波状攻撃を仕掛ける甲府をフ
ァールで止めるのが精一杯。79分にはこの日唯一のイエローカードが出てしまっ
た。83分、木村→吉田と渡ったボールはドリブルで抜かれ、ゴール前の高嵜・川
前・佐藤陽が固まっておびき出され、赤尾に決められた。0−4。終了間際の89
分には金子の直接FKがクロスバーに当たってゴール、0−5。タイムアップ。
「何かが足りない。チャンスをものにしなければ…」と佐藤真。「自ら崩れた…
それ以上言うことはない」と高嵜。「どんな戦術でも、まず動かなければ勝てない
…」と森保。危機感を感じた選手達は、言葉少なくバスに乗り込んでいった。
このままでいいはずがない…試合後の会見で、選手達を労いつつも、楚輪監督は
初めてメンバーの大幅入れ替えを示唆した。
楚輪監督
「見ての通りの結果と内容。前半は攻める意志がなく、ただサッカーを
始めて、チャンスがあれば勝ちたい、といった状態。前半は反省にも
値しない。後半は甲府にビッグチャンスが訪れ、運があった。
前期に2勝した相手という油断をせず、怖いチームだと話したが、
どこかでそういう気持ちがあったのかも知れない。甲府は良いライ
バル。力の差もないのだから、今日のような大差をつけてはいけない。
モチベーションで(鳥栖の)サッカーが変わってしまう点が非常に問題。
ベース的なものが見えてこない。選手たちの一層の奮起を促すため
にも、そろそろメンバーを替えなければならないかもしれない。」