第972回 いのち終わっても   〜子どものことを考えて〜

 
平成23年 9月8日〜

全国の小中学校で今、地元の新鮮な食材にこだわった魅力いっぱいの
「地産地消の給食」が広がっているそうです。

ある地域では、地元産の食材や伝統料理を見直す きっかけになり、
ある地域では、子供たちのために考案された新たな調理法が、
地域の名産品を生み出す原動力ともなったり 地域を活性化させている

「地産地消の学校給食」を紹介する、テレビ番組を見ました。

にんじんの産地 らっきょうの産地 タマネギや松茸、たけのこ
大根、ふき、サツマイモ等々  地元の特産品を子供達によく知ってもらうとともに 
好きになってほしいとの思いもあるようです。

そして毎回、教室から出かけていって、生産者のおじさんやおばさんに、
その産物の特徴や 生産する苦労話等を聞き 収穫を手伝ってみる番組です。

農産物ばかりでなく 魚のさけや、その卵 イクラを使った給食もありました。
子供達は 鮭の卵を稚魚にかえして 放流することも学習しているようです。
上級生は、専門家に案内されて、鮭が川に帰って来て産卵した川を訪ねて

勉強していました。

鮭たちは、外洋で数年間生活した後 どうゆう能力があるのか、迷うことなく
生まれ故郷の川に 産卵のために帰ってくるそうです。
そして、産卵した鮭たちは 数日間 たまごを守ったあと、いのちがつきて
その一生を終わっていきます。


産卵が終わりいのち終わった鮭の遺骸を、集めてみると、無残にも
目をえぐられたものが数多くありますが、これは、鳥たちが襲ったものだということです。
その他 熊やキタキツネなどに 食いちぎられたもの、外傷は見えない

ものの解けるように 小さくなっているものなど様々です。

研究者のおじさんは、どうしてこんなに小さくなっているのかと、
子供達に尋ねますが、返事は帰ってきません。
身体全体が小さく解けているものは、川の中にいる微生物が

分解していくのだそうです。

そしてその微生物を 今度は卵からかえった小さな鮭たちが、
餌として食べて、稚魚として成長していくのだそうです。

親の鮭は 産卵していのちを終わるだけではなく、その亡骸をも 子どものために 
役立たせる、そうした摂理があるということです。


動物の親だけではなく、人間の親たちも 自分のいのちが終わっても
かわいい子供や孫のために 自分を役立ててくれているのではないか。

南無阿弥陀仏の教えも 子どものことを考えて、伝え残していただいたものだと味わいます。

自分のいのちが終わっても、ちゃんと子どものことを考えていただいた

そう思うと 親の有り難さが身にしみてくるとともに 願いに叶った
南無阿弥陀仏の生き方をさせていただきたいものです。

次回は 915日に新しい内容に変わります。

         


           私も一言(伝言板)