第968回 V I P待遇  〜すべての人々が〜

平成23年、8月11日〜

子どもばかりではなく 大人にも人気がある東京デイズニーランドには 
毎年1500万人のお客さんが訪れ、入園者数では 世界一を誇っているといわれます。
しかも、入園した人が、もう一度訪れるリピート率は、毎年98パーセント前後と
驚異的だといわれます。

 訪れたことのない者にとっては、どんなに珍しい遊具やアトラクションがあるのか、
想像ができませんが、どうも、施設であるハードが素晴らしいというだけではなく、
そこで働く人々、従業員の接し方が とても素晴らしいと、感動して、繰り返し
訪れる人が多いということのようです。

驚くことに、従業員のほぼ9割は、アルバイトの人だということですが、

お客さんのことを ゲスト、自分たちのことを、キャストと呼ぶのだそうです。
「キャスト」とはショーの出演者という意味合いがありますが、
「園内全体が、巨大なステージであり、従業員はそのステージ上でそれぞれ配役された
役割を演じるキャストである」というウォルト・ディズニーの考えに由来していると
いわれます。

キャストは「いらっしゃいませ」との挨拶は決してしないそうです。

原則「こんにちは(おはようございます・こんばんは)」と迎える。これは
「いらっしゃいませ」と言われても お客さんが返す言葉がなく、スムーズな会話が
成立しないためであるといわれます。

また、清掃・案内を担当するキャストばかりでなく、全てのキャストはゴミを
見つけたら直ちに清掃することになっているそうです。
1つのごみが全体を汚くする」という理念をウォルトが持っていたことに由来し、
外で乳幼児が這い回っても安全で清潔なようにと、閉園後に夜勤のスタッフたちは、
午前0時から開園直前の朝7時まで、パークの道路全てを中水(自営浄水場で
再生された水)で水洗いするのだそうです。

もっとも、力をいれているのは、いかに訪れた人々を迎えるか、どのように接すれば
喜んでもらえるのか、徹底して教育されているといわれます。
「すべてのゲストがVIPである」と、「キャストは全てのゲストをVIPと思い、
自分が対応している相手に、最高のもてなしを提供すべし」と、パークの全ての
サービスがVIP用になっているといいます。
これが、お客さんにとっては、とても心地よく、また出かけたい気持ちになるのでしょう。

また、アルバイトの多くは ゲストとして訪れて、そのサービスに感動し
今度は 自分がサービスをする側へと変わった人も多いようです。

サービスを受けるよりも、サービスをする側の方が もっと楽しく生きがいが
あるものなのでしょう。


ところで、お経に説かれるお浄土という世界も、お念仏の人は期待され待たれている世界。
そして、お浄土へ行ったら、それで終わるのではなく、今度はそこでさとりを開き、
仏の仲間として はたらく事が出来る還相回向が説かれています。

お客様として 歓迎されるだけではなく サービスする側、はたらきかける側に
なるということの意味と喜びが ここから読み取れるようです。

安くはない入場料を、何度も払い、そのサービスを受けるためにデイズニーを

訪れる人々、そしてキャストのはたらきに お浄土の有り難さの一端を
味あわさせていただいています。

この私一人を VIPのように思い、南无阿弥陀仏と、はたらきかけていただいている。
そしてやがて私も、お浄土へ生まれて、生きがいを持って、南无阿弥陀仏と
はたらくことのできる、理想の世界があるのです。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

次回は、818日に新しい内容に変わります。


         


           私も一言(伝言板)