第913回 第二の矢 〜教えを聞いた人は〜

 平成22年 7月22日〜

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございます。

こんな話を聞きました。

ある日 お釈迦さまは、弟子たちに質問をされました。
「正しい教えを聞いたことがない人と、正しい教えを聞き、学ぶ人とは、
どこが違うのだろうか。」

この質問に 弟子たちは答えることができませんでした。
お釈迦さまは、二つの矢の譬えで その違いを説かれました。
「いまだ正しい教えを聞いたことがない人は、第一の矢を身体で受け、
  さらに第二の矢を心で受け、執着し 苦しむ」

いくら 善い行いをやっていても、避けることができないのが
第一の矢 戦争、地震、火災、交通事故、病気、老い、いくら気をつけても 
防ぎきれるものではありません。

しかし、正しい教えを聞き それを学ぶ人は、その苦を縁とした 

怒り、妬み、苦しみ、悲しみ、絶望など 第二の矢を受けることがない、
また それに執着する心が生まれることがないというのです。

正しい教えを学ぶことは、超人になってしまうような、感覚をも無くしてしまう
ように思いがちですが、お釈迦さまも 美しいものを見れば美しいと感じ、
愛しいものを見れば愛しいと感じ、苦しい時には苦しいと感じる・・・

ただ、私たちとの大きな違いは、第二の矢を受けることがないということです。
私たちは、世の中からの刺激に対しすぐに反応し、心を動かされ、煩悩が起り
心がかき乱され、増幅させてしまいます。

しかし、お釈迦さまは 周りからの刺激を受けても、煩悩を起こすことなく
心の平安を保つことができると。

第一の矢に関して 日頃から 対策をたてておくことは大切なことですが、 
受けてもいないうちから、あれやこれや悩むことも 第二の矢をすでに
受けているようなものでしょう。

お念仏の人は お聴聞を繰り返し いかなることが起きても慌てずに、
第二の矢を 避けることが出来るようになっていくのでしょう。

怒り、苦しみ、悲しみ、絶望などを全くなくすことは 出来ませんが、
第一の矢を受けても おおらかに受け止めていける力が育てられていくのでしょう。


「南無阿弥陀仏」のお念仏には 第二の矢を 受けない はたらきが あるのだと
 味わいます。

先祖が 残してくれた 大事な遺産 宝ものだと思えます。
どうぞ、万難を排して お念仏とお聴聞をしてください。

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。
次回は、7月29日に新しい内容に変わります。

         


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