第889回 いつも ニッコリ 笑うこと  泥かぶら と 渡辺和子さん〜
 
平成22年 2月 4日〜

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戦前の昭和11年 2月に 226事件が起こりました。

青年将校たちが 現状を憂い決起して 時の政治家や軍部のトップを
襲撃するという悲しい事件です。


その時に 陸軍大将であった父親を亡くした 当時小学生だった 渡辺和子さんは 
やがて聖心女子大学に進み 卒業の後  ノートルダム修道会に入会 海外に留学し
日本に帰ってからは ノートルダム清心大学教授 学長。学園理事長を

勤められた 教育者であり 信仰の人です。

この方は  大学生になったばかりの学生さんに、オリエンテーション(orientation)の時とか、
最初の講義の時に 毎年、「泥かぶら」のお話をされるということです。


 これは真山美保(まやまみほ)さんがお書きになったものですが、
昔、顔が大変みにくい少女がいました。

 あまりの醜さに人々の嘲笑のまとになり、 石を投げられたり、唾をはきかけられたり、 
少女のこころは 日一日とすさみ 粗野で荒々しい子になっていきました。


そこへ、旅の老法師が通りかかり、悔しがる  少女に 「美しくなる方法」を
教えてくれました。

つぎの三つを実行しなさい。と

 一、人の身になって思うこと。
 一、いつもにっこり笑うこと。
 一、自分の醜さを恥じないこと。

どんなにいじめられても だまされても これを守りつづけることで この少女の周りが 
どんどん変わっていくというお話です。


なぜこの話をするのかというと 高校を卒業するまでの生活の中で、
「笑顔が大事だ」と 習ってきていないのではないか。

自分のことを中心に、自分のために たくさんしてきますけれども、
人のためにとか、他人の身になって思う、あまり習ってきて いないかも知れない。  
むしろ逆のことを習わせられたりする。

大学に入学したということは 競争社会の中で人を押し退けてきた人たちが
多いように思います。

人を押し退けて。
偏差値で自分の価値を付けられ、自分のダメさ、自分の惨めさ、醜さ、
愛想を尽かしているような人も多い。

今の日本の教育で幼稚園、小学校、中学、高校というのは、上のどこの学校に、
どうしたら入れるだろうかという、進学のために教育がなされているように
思います。

大学は大学で 就職をするため どうしたら免許状が取れるかとか、
今の教育で忘れられているのは、「人間になる」ということ、
人間になるための教育が、どこでなされているのだろうか。

今、そういうことをいつも考えているものですから、この「泥かぶら」の話を通して
「人間になる」ということは、「笑顔を大切にして生きること」
「心にゆとりを持って 人の身になって 考えられること」
「自分にプライドを持って生きること」、そんなことじゃないかと思って、
新入生に最初に よく「泥かぶら」の お話をしております。 ・・・・・

と おっしゃっています。

美しくなる方法 人間らしい人間になるには

 一、人の身になって思うこと。
 一、いつもにっこり笑うこと。
 一、自分の醜さを恥じないこと。・・・・

これは 本当は 親たちが 祖父母たちが家庭の中で 伝えておかねば
ならないことではないかと 思えます。


南無阿弥陀仏も 阿弥陀さまは 人の身になってはたらいていただいていることを
やがて 自分も同じさとりをひらき 人の身になってはたらく力を得ることを。

いつも笑顔で 自分は自分で出来ることを精一杯取り組ませていただくこと
それが 仏の願いにかなう生き方であり、人間らしい人間になる方法であると 
教えていただいている 仏さまのことばと 味わえます。

南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏を 聞きながら やがて仏になる身ですから
安心して にっこり笑って 力ずよく生かせていただきたいものです。

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次回は 2月 11日に新しい内容に変わります。

         


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