第865回 親の願いは

 平成21年 8月20日〜

妙念寺 電話サービス お電話ありがとうございます。

仏教徒になる お釈迦様のお弟子になるという意味での 法名。
釈○○の法名は 生前にご門主さまから お剃刀を受けて いただくものですが 
なかなかそのご縁がないものです。


ご本山へ 参拝した折に 受けることが出来ますが 地方でも ご門主さまが 
おいでになった時に お剃刀を
 受けることが出来るものです。


  数年前のご巡教の時には たくさんの方が お受けになりました。
ほとんどが50歳60歳70歳と 人生経験が 豊かな方ばかりでした。

先日 お亡くなりになった方は 結婚前 娘さんの頃に 頂かれた 旧姓での法名を
お持ちでした。

戦前のことですので これからどんな 苦難に会うか 分からないと 両親が思っての 
お剃刀だったのでしょう。


B5判を 三つ折りをしたような紙の表に ご本人の名前が書かれ その中に小さな紙が 
はさまれて 法名が書かれているもので
 物資不足の時期 今のような上質な紙では
ないものでした。


子どもの将来のためにもと 親が願っての お剃刀だったと思いますが 嫁ぎ先で 
お子さん一人を授かったところで ご主人が招集を受け
 戦死されてしまいました。

その後 義母さんの遠縁の方と 再婚されましたが 機械が無く 人の力に
頼った農家での生活は 大変だったと 思います。


仏教婦人会で お目にかかり 毎月の月忌でも そして お晨朝にも
よく参加していただいていましたが 波乱万丈の人生だったと思います。

お嬢さんに一言 お晨朝に通っていたころが 一番楽しかったと 
おっしゃっていたということですが やっと子どもたちも育って 余裕が出来 自分の 
時間が持てた時期だったのかもしれません。


  現代のように 女性の立場が 強くなかった時代 親たちは その娘のために 
法名を与えて 来るべき荒波を乗り切るようにとの
 願いを持ってのことでしょう。

今 学校教育さえ受けさせておけば大丈夫と思っています。
一昔前までは お花やお茶や 洋裁などの習い事を親たちはさせていました。
しかし もっとも大事なことは こころの拠り所となる 宗教を お念仏を
伝えておくことなのかもしれないなと 思います。

自分で伝えることが出来ないならば 小さなお仏壇と 御本尊 そして法名を 
お剃刀を 受けさせることこそ 親が出来る
 もっとも大事なことではないかと 
味わわせていただいています。


本当に大事なことは 知識や資格ではなく 人生を生き抜く智慧を 知らせることでは
ないかと。


南無阿弥陀仏のおしえを 伝えることではないかと。

どうぞ 法座の折や 勉強会には 是非是非 お若い方を お誘い いただくことが 
もっとも大きな財産になるのかもしれません。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

次回は 8月 27日に新しい内容に変わります。


         


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