第815回  仏教もさまざま

 平成20年 9月 4日〜

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。

ご本山から発行されている 『伝道』という 機関誌に 

 知ってるつもり 仏教用語 

今回は 焼香について 京都の辻本敬順先生が 書いていただいています。

その中から 一部をご紹介いたします。

自坊で おこなっている門信徒対象の勉強会の「仏事の常識」コーナーで
焼香の作法を学ぶことにしました。
教材は 「浄土真宗・必携」で
焼香を 立って行う場合 焼香卓の二,三歩てまえで ご本尊に一礼し、
進んで 香を右手でつまんで、いただかずに 香炉のなかに一回入れ
合掌、念仏、礼拝し、二,三歩さがり一礼して退出します。

と説明した。

 ・香をたくまえには 合掌しない。
 ・香をたくのは 一回でよい。
 ・香を おしいただかない。

 このことを 特に注意して練習した。

翌月の勉強会のとき、

「この間、お葬式があり、お詣りにいってお焼香をしました。
 私は勉強会で習ったようにしたのですが、まわりの人たちはみな
 お香をていねいにおしいただいて三回されるのです。

 遺族の人たちがみな見ているところなので、私だけが薄情に
 思われないかと心配で・・・」という嘆きの声が聞こえてきた。


太陽出版の「仏教日常辞典」には 焼香の意義について

 香は仏を供養するための基本的なものの一つで、芳香によって仏の世界を
たたえるとともに衆生の心を清めるとされる。
追善供養では 香はとくに亡き人の食事ともいわれ、焼香により仏の加護と
死者の冥福を祈ることが行われる。お焼香の作法は宗派によって多少
異なる。 と述べてある。

 では 宗派によってどのように違うのか。

 表現文化社の「改訂・葬儀概論」には
仏教の主たる宗派の焼香の仕方の違いをまとめている。

 <天台宗> 回数については特に定めがない。
 <真言宗> 通常 3回。仏・法・僧に供養すること、
       身・口・意の三密修行に精進すること、定香、解脱香と
       言って、自らが戒律を保ち、心の静寂を求めることが
       できる功徳がある、と説明される。

 <浄土宗> 特に定めがない。「真心をこめて一心に」で一回、
       「身を静めて 一回、心を清めるのに一回」二回
       「仏・法・僧へ帰依」で三回など。

 <臨済宗> 回数にこだわらないが通常 一回。

 <曹洞宗> 回数にこだわらないが通常 二回

 <日蓮宗> 通常 三回。仏・法・僧の三宝供養とも、
       「空・仮・中の三諦」にならうとも言われる。

       ※ 以上の宗派の場合には 香を額に戴いて焼香する。


 <浄土真宗>あくまで自分の身心を清めるためとも説明され、
       香を戴くことはしない
       本願寺派(西)では一回
       大谷派(東)では二回とされている。
  
  このように見ると、宗派によって焼香の仕方がさまざまなのがよくわかった。

  こんなに種類がおおいのか。浄土真宗でも西と東とで違う。
  とすれば何も知らない人の多くは、まわりの人の真似をするか 一番丁寧だと
  思う仕方をするしかないと、先の勉強会の会員の嘆きもわかるような気がする、。


  本願寺出版社の「真宗の葬儀」には
  ご門徒の多くは、僧侶の言い分より葬儀社の説明や、書店に並ぶ解説書の方が
  確かだとの 受け取り方をされているようですが、焼香には もともと
   身を清め、部屋を清めて み仏さまを拝むという目的があります。

   つまりは、その香りが阿弥陀さまへのお敬いの心をあらわすのです。
   ですから、できるだけよい香りのものを調えて、一回だけ焼香すればよいのです。


 と述べてあります。

 同じ仏教でも さまざま違いがありますが、浄土真宗では お念仏を忘れずに
 したいものです。

 妙念寺電話サービス お電話ありがとう ございました。
 次回は、9月11日に新しい内容に変わります。

         


           私も一言(伝言板)