第698回 好きなものだけ
 平成18年 6月8日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。

テレビを見ていると、子どもたちの悲しい出来事や子どもたちの健康や
体力のことなど、さまざまな問題が、次々に、紹介されています。


その中の一つに、いまの子どもたちは、自分の好きな物だけしか
食べないために、肥満や痩せ過ぎ、中高年のような生活習慣病が、
多発しているということです。


NHKの特集番組で、好きなものしか食べない子どもの実態や、
朝ごはんを食べない子どものことを、取り上げていました。


 子どもたちが夜更かしして、早起き出来なくなり、学校に行く前に、
なんとか朝食をとらせようと、結果的には子どもの好きなものだけを、
食卓に出すようになっているようです。


子どもの責任だけではなく、大人の方も簡単に済ませたいと、
菓子パンやカップラーメン、コンビニで手軽に買うことのできる、
おにぎりやハンバーグ、炭酸飲料などが、主な食べ物となっている
ケースも多いようです。


 肥満も大問題ですが、実は痩せ過ぎがそれ以上に問題が多く、
痩せ過ぎの母親から生まれた子どもは、将来、栄養分を身体の中に
蓄積するようになり、肥満児や糖尿病になるケースが多いという
研究もあるようです。


毎日の生活の積み重ねが、自分の将来だけではなく、次の世代にまで
問題を残すことになるということを警告していました。


 これは身体の健康だけではなく、精神的な面でも共通する大きく
影響だと思います。


自分の好きなものだけを食べるのと同じように、自分の好きなことだけしか、
取り組まない生活は、まさに自己中心主義で、人間としての社会生活を
送る力が養われないことになるのではないでしょうか。


自分の好きのことだけ、自分の好きな人だけ、自分の思いどおりに、
ワガママ一杯な生活をする人間ばかりの社会は、非常に住みにくい
ぎくしゃくしたものだと思います。

親鸞聖人が勧めていただくお念仏の教えは、この私を救わねばおかぬと、
働いていただいている如来の本願を、味わう生活です。


自分のことだけではなく、この私を誰よりも心配して見守り続けていただく
方があることに気づかせていただく教えです。


お聴聞をし、お念仏の生活をはじめると、多くの力がこの私のために
働き続けていてくださることに、気づいていくのです。


野菜嫌いの小学生が、野菜を食べられるようにするために、自分たちで
野菜作りをさせる学校があるそうです嫌いな野菜も自分で苦労して
育てたものは、食べることが出来るようになるということです。


料理作りを手伝わせると、嫌いな野菜が入っていても食べる事が出来る
ケースもあるようです。


お念仏の生活とは、お聴聞をすることで、気づかなかった多くの働きに気づき、
私の生き方が変わってくるのだと思います。


好きなことだけではなく、お念仏の生活を経験すると、見えないことが
見えて来て、感じなかったことが感じられ、気づかなかったことに、
気づくことが出来るようになってくるのです。

食わず嫌いではなく、人生に立ち向かっていくことが出来るように変わらせて
いただくのです。それが、お念仏の働きだと味わえます。


自分のことだけではなく、次の世代のためにも、お聴聞して、今私がやるべきこと、
取り組むべき事を確認していただきたいものです。

妙念寺電話サービスお電話ありがとございました。
次回は、6月15日に新しい内容にかわります。