第640回 重誓偈

 平成17年 4月 28日〜

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仏説無量寿経(大経)というお経には、法蔵菩薩が
四十八の願いを説かれた後に、その願いを要約した偈文、
重誓偈といわれるところがあります。


その現代語訳には

「わたしは世に超えすぐれた願をたてた。
 必ずこの上ないさとりを得よう。

 この願を果たしとげないようなら、誓って仏にはならない。
 わたしは限りなくいつまでも、大いなる恵みの主となり、
 力もなく苦しんでいるものをひろく救うことができないようなら、
 誓って仏にはならない。

 わたしが仏のさとりを得たとき、その名はすべての世界に
 超えすぐれ、

 そのすみずみにまで届かないようなら、誓って仏にはならない。

 欲を離れて心静かに、清らかな智慧をそなえて菩薩の修行に励み、
 この上ないさとりを求めて、天人や人々の師となろう。

 不可思議な力で大いなる光を放ち、果てしない世界をくまなく
 照らして、

 煩悩の闇を除き去り、多くの苦しむものをひろく救いたい。

 智慧の眼を開いて無明の闇をなくし、
 迷いの世界の門を閉じて、さとりの世界の門を開こう。

 すべての功徳をそなえた仏となって、そのすぐれた輝きは
 すべての世界に行きわたり、

 太陽も月もその光を奪われ、天人も輝きを隠すであろう。

 人々のためにすべての教えを説き明かし、ひろく功徳の宝を
 与えよう。

 常に人々の中にあって、獅子が吼えるように教えを説こう。

 すべての仏がたを供養し、さまざまな功徳をそなえ、
 願も智慧もそのすべてを満たし、世界中でもっともすぐれた
 ものとなろう。


 師の仏の何ものにもさまたげられない智慧がすべてを
 照らし尽くすように、

 願わくは、わたしの功徳や智慧の力も、このもっともすぐれた
 仏のようでありたい。


 この願いが果しとげられるなら、天も地もそれにこたえて打ち震え、
 空からはさまざまな天人が美しい花を降らすであろう。」

とあります。
法蔵菩薩が五劫が間、思惟し、永劫が間修行して、
阿弥陀如来となられ、いま私のために獅子が吼えるように
教えを説いておられると、深く味わえる生活でありたいものです。


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次回は、5月5日に新しい内容に変わります。