第623回 もったいない

 平成16年12月30日~

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

皆さんにお渡ししたカレンダーの一月のところに、「もったいない、
おかげさま、この美しい言葉を大切に」とあります。


美しい日本語の募集があったとき、もったいないという言葉と、おかげさまという
言葉がトップクラスに挙がっていました。


ノーベル賞を受賞した、田中耕一さんがTVの会見で、おかげさまという言葉や、
もったいないという言葉を、ごく自然に使っておられた、あのすがすがしさを
思い出します。

道端で、ご年輩の方々が立ち話をしておられる横を通りすぎると、「お元気で」、
「おかげさまで」という言葉が聞かれます。



 とこで、この世に生まれて来たことも、こうして元気で生きていることも、
ごく当たり前のことのように感じていますが、よくよく考えてみると、決して
当たり前のことではなく、おかげさまで、ありがとうございます
 と言わねば
ならぬことばかりです。


 しかし、心からそういう言葉が出てくるのは、この人生を喜び、生きている
ことのすばらしさを感じていないと、なかなか出て来ないものです。


どうか、おかげさまです。もったいないことです。ありがとうございますと。
いつでも口に出来るそうゆう生活を、続けていきたいものです。


ところで 親鸞聖人は、ご和讚で、

  五濁悪世の衆生の

  選択本願信ずれば

  不可称不可説不可思議の

  功徳は行者の身にみてり

 と、七高僧を讃えたご和讚に、阿弥陀如来の本願を信じる人には、
とても説明出来ないものの、不思議な功徳がその身に、満ち満ちていると
歌っておられます。


 それは、七高僧ばかりでなく、本願を信ずる全ての人に、その功徳は、
満ちあふれていると。

功徳は、南无阿弥陀仏の言葉として現れてくる。「南无阿弥陀仏
南无阿弥陀仏」と私が口にしても、それは私のお念仏ではなく、

仏さまのお念仏、私の働きではなく、仏さまの働きなのです。

 お念仏を聞くとき、この私に今ここで、働きかけていただいていると
味わえると、おかげさまです、もったいない、ありがとうございますの 気持ちが、
素直に出てくるものです。

南无阿弥陀仏のお念仏を口にし、自分で聞きながら、
「おかげさま、もったいない、ありがとう」という美しい言葉が、いつでも聞こえてくる、
そういう毎日でありたいものです。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。     
次回は、1月6日に新しい内容に変わります。



 直枉カレンダーより