第1064回 根本的な治療法  〜釈尊こそ 大医王〜

 平成25年 6月13日〜

お釈迦さまの教えは 医学的な発想で説かれているといわれます。
お医者さんは まず患者の容態を正しく把握するために検査して、
正しく病状を知ります。

次に その病の根源を正しく診断して、原因を明らかにします。
その上で、患者に適切な手当て治療をほどこして、病を対治し
回復をはかります。

さらに、病を回復させても すぐ再発するようなことがあってはなりませんから、
そのための処置を施す必要があります。

「雑阿含経」の中に 名医とは、@よく病を知り、Aよく病の源を知り、
Bよく病を知りて対治し、Cよく治病を知りて更に動発させない
とあります。

釈迦は この名医と同じように、病める一切の衆生を根本的に
いやして、迷える私たちを悟りの世界へと導かれるのです。
釈尊こそ、まさに大医王というべきであります。
                         
 (仏教の基礎入門 北畠典生師)

その釈尊が説かれた教え 「お念仏の教え」も
人びとの苦悩を根本的に取り除き 悟りを 安らぎを与えるもので
あるはずです。

 近頃、思いますのは、お釈迦さまは 釈迦族の王子さまでした。
地位や名誉や権力、財産、幸せな家庭、若さ 私たちが誰でも望む
あこがれの生活を満喫されておられた方だと思います。

ところが、それらをすべて捨て、妻や子どもを残して家出し
厳しい修行をされて、さとられたのが 仏教です。
王子さまの生活を否定し、それよりも頼りになるものを発見し
説かれたものが、仏教です。

しかし、我々は 王子さまのような生活こそが、幸せと思い込み
それを追い求めています。
お釈迦さまが 捨てられたものを手に入れれば幸せと

みんなで求めています。

仏教は そうではなく、老病死をも解決する新たな価値観で
あるはずです。

お話をする僧侶側は、そのことを分かった上で、お念仏の教えの
お話をしていますが、聞く側の多くの方は 王子さまの生活こそ
理想と 信じて、その価値観を満たしてくれるものが 仏教であると
受け取っておられるようです。

ですから、よく分からない、ご利益がない、退屈だと なかなか
共感を得ないのではないでしょうか。

新宗教は あなたの小さな努力と、大きな力のはたらきで、王子さまのような
豊かな生活が手に入る、若さと健康も 保たれると説き、人気を
集めているのではないでしょうか。
ですから、これは 仏教とは ほど遠いものではないでしょうか。

 月忌参り等で、定期的にお会いする方々が、お念仏の教えに出あい
少しづつ 新たな価値観に触れていただくとき、大きな喜びを感じるものです。

現代の常識だけではなく、それを超えて、自分の人生を確かに味わえる人と

逢えたとき、病気が治って喜ぶ患者に接するお医者さんのように
うれしくなるものです。


「歳を取って良かった、初めて気づいた、病気も無駄ではなかった、
命終わっても浄土に生まれ仏になれる・・・」 と 堂々と生きて
おられる方に会えると うれしくなるものです。

一人でも、お釈迦さまの悟りの内容に会えた仲間が増えること それが
お念仏の行者としての もっとも大きな喜びではないでしょうか。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は 6月20日に新しい内容に変わります。

 

         


           私も一言(伝言板)