第1051回 今 気づかせていただく 〜お念仏のはたらき〜

 平成25年 3月14日〜

東日本大震災から丸2年、追悼の模様をTVや新聞で数多く伝えていました。

震災の日、お店で仕事中に、夫婦共に津波にのみ込まれ、しばらくは、
奥さんの声が聞こえていたものの、やがて、姿を見失い 助けてやることが

出来なかったと悔やむご主人の辛い思いも聞かせていただきました。

奥さんが使っていた部屋は どうしても片付けられず、そのままにして
いたが、つい最近のぞいてみると、新しく買った服はどこにもなく、
みんな結婚前の古いものばかり、自分と結婚して十数年、妻は
自分のことより、子供のこと家族のことばかりを考え
尽くしてくれていたことを、改めて知らされて申し訳なく、
有難く、涙が出てきたというお話や、

母親を亡くしたお嬢さんが、今まで何でも母親に相談し 何でも手伝い
準備してもらっていたのだと、身に染みてやっと分かったというお話など
一緒に生活している時には気づかず、別れてはじめて、大きな
働きかけがあったことを懐かしく かみしめておられる姿を映し出して
いました。


常日頃、多くの思いやり、手助けがあることに、ほとんど気づかずに
自分のことばかり、自分の行動や働きだけを考えています。
自分ひとり努力して、誰の世話にもならずに生きていると思い込んでいます。


しかし、大事なその人と別れて初めて気づくことが多いもの
悲しい別れをして その有難さに 遅ればせながら、やっと
気づくことが出来たということです。


仏教 特に お念仏の教えは 報恩感謝の教え 仏さまのはたらきかけを
聞かせていただき、いかに自分が照らされ、守られ、導かれているかを
味あわせていただく教えです。

私の周りの大事な、多くの働きが なくなって、はじめて気づくのではなく
そうしたはたらきがあることを、今から味わえる力を育てていただく
はたらきです。

失って気づくのではなく、今気づかせていただく、そうした

能力を開発していただくのがお念仏の教えです。

南無阿弥陀仏のお念仏に出あうことで、当たり前のものが
当たり前ではなく、当然のものが 当然ではなくなり、
包まれ、見守られ、育てられていることに 気づくことの出来る教えです。

それには、お聴聞 仏さまの慈悲のはたらきを聞かせていただくことが
唯一つ大事なこと、仏さまの話を聞かせていただくことで、
味わうことが出来る能力が開発されていくのです。

どうか、仏さま 阿弥陀さま 南无阿弥陀仏のお話を聞かせていただき
今、いかに有難い、喜び多い人生を歩ませていただいて いるかを気づき
味わっていただきたいものです。

南無阿弥陀仏は この私を 感性豊かな 人間らしい人間に、
そしてやがて すべての人を救うはたらきができる 仏さまに
成らせていただくことのできる、
有難い、能力を持つ身であることを知らせていただき
はげまし導いてくださる言葉です。

妙念寺 電話サービスお電話ありがとうございます。
次回は、3月21日に新しい内容に変わります。

 

         


           私も一言(伝言板)