第1017回 素通りしてはいませんか 〜まことの親 阿弥陀さまの前を〜

 平成24年 7月19日〜

仏事のイロハ」 という、末本弘然さんの本を見ておりましたら、
こんなところがありました。

「本堂を素通りしてませんか?」〜お寺での墓参り〜



私のお寺には、本堂の裏手に境内墓地があり、門徒さんのお墓が
並んでいます。

そのお墓にお参りするご門徒の様子を見ると、およそ次の三タイプがあります。
一つは、「お墓に参るときは決まって本堂へ上がり、ご本尊の阿弥陀さまに礼拝する」
二つ目は「本堂へは上がらないが、外から礼拝する」

三つ目は「本堂は知らん顔で素通りし、お墓だけお参りする」です。

そして、残念ながらこの三つ目のタイプが一番多いようなのです。

先日も、お墓参りだけをすませて帰ろうとしていたご門徒に気づき
「どうぞ本堂へお上がり下さい」と声をかけたのですが、
「ちょっと急ぎますので、これで失礼します」とつれない返事・・・・。
こちらの願いはなかなか通じませんでした。

 もしお寺にお墓があるのなら、お墓参りの際、ぜひ本堂の如来さまに
合掌礼拝していただきたいのです。

 お寺の境内墓地というのは、宗旨宗派を問わない公共墓地とは違い、
信仰を同じくする者がそのみ教えの道場である本堂のそばに設けた

宗教施設であり、心から敬うご本尊のおひざ元にあるお墓なのです。

ちょうど如来さまに抱かれた形でご先祖のお墓があるわけで、
これほど恵まれた環境の墓地はないといってよいでしょう。



 この境内墓地にお墓を建てられたご先祖のお心を思えば、如来さまに
知らん顔をして、本堂を素通りすることはできないはずです。

きっと、ご先祖は「お墓があることによって少しでもお寺に
足を運んでくれるように、そして仏縁を深めてくれるように」と子孫に
願われていることでしょう。ご先祖が“親心”を込めて用意して
くださったせっかくの仏縁を無にしないよう、お願いします。

 さらに言えば、我が家に帰った時でも、また他家を訪れた時でも、
親やその家の主人にまずあいさつするのが常識です。

その点から言っても、“まことの親”であり、ご主人である

阿弥陀さまにごあいさつするのはむしろ当然なことでしょう。

 妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、7月26日に新しい内容に変わります。

               仏事のイロハ 本願寺出版社発行より

         


           私も一言(伝言板)