第1013回 宝もの  〜受け取る側の問題〜

 
平成24年 6月21日〜

月命日、いつも一緒にお勤めいただく奥さまの姿がありません。
二度目の手術のために、大学病院へ入院しておられるということです。

「今度の手術が成功すれば、以前のように普通の生活に戻れるということで
  二週間程度の入院の予定です」と、ご主人は、嬉しそうに期待を込めてお話されます。

 ご主人が定年を迎えられると同じ時期に、奥さんが身体の不調を訴えられ
近くの病院で診察を受けていましたが、急に様態が悪化して、大学病院へ
搬送されて、長時間の緊急手術を受け、やっと いのちが助かった奥さんです。

ご夫婦とも よく聴聞される方ですが、後になって非常に危険であったと聞かされ

本人は ただただ痛いだけで、みんなの慌てように、もしかしたらとは思ったけれど、
死ぬのではないかという不安は一つもなかった、死は、少しも怖くなかったと。

しかし、駆けつけて来た 遠くに嫁いだ娘さんや、ご姉妹ご親戚の姿を見て、
かなり重傷だったのだろうなと、感じたと言われます。


回復した後、看護師さんお医者さんみんなから、病状が非常に危険だったと
危なかったと、よく回復したと聞かされ、ご法話ではよく聞いていたものの、
今回、つくづくと いただいたいのちということが 少しはわからせて

もらいましたと笑っておられました。

 二回目の手術を受ける前に、関西に住む、子どもさんやお孫さんを、ご夫婦で訪ねられ、
その帰りに、西本願寺にお参りされたとのこと。
「ご本山で、浄土三部経の現代語版が目に入り、勉強会で何度も出てきたし、
  求めて、今読ませていただいています。やっと、一回読み終えたので、
  二回目にはいりました」と 留守を預かるご主人。


お経の中に 宝という字が たびたび出てきますが、

あれは、受け取る側の問題ですよね。宝といえば 子宝という言葉もありますが、
子どもは、育てるのが大変と思えば、大変なものですが、宝と思えば

子どもほど有り難いものはない、宝ですから。

受け取る側の受け取方によって変わるものと思いますねと、おっしゃっていました。

こんなことがなければ、女房の有り難さも感じなかっただろうし、
大変だったが、有り難いご縁だったと。

 一人で留守番するものとしては、今、浄土三部経現代語版 読むのが楽しみ 
少しづつ読ませていただいていますと、
本当に今回良いご縁でしたと、ご主人は、うれしそうにお話されました。

あと、十日もすれば、奥さんが 大事な宝ものが戻ってくるのだと。・・・・


 帰って調べてみると、宝の文字は 註釈版で 大経65回 観経75回 小経7回
合計147回も出ています。

光 166回 には 及びませんが 寿の95回よりも多いことは確かです。
仏は 684回、菩薩193回、願 93回、 阿難 83回、 覚82回、

如来 28回であることも 浄土真宗本願寺派総合研究所のオンライン検索で、
知りました。


妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。
次回は、6月28日に新しい内容に変わります。


         


           私も一言(伝言板)