糖尿病性腎症とは

最近、腎臓病の最大原因になりつつあります。(もうすでになっているかもしれません)

頻度
糖尿病を発症し、その期間が長くなるにつれて、発症頻度は増加します。糖尿病では3大合併症があり、それらは、腎臓病、目の網膜症、神経障害です。しかし、血管もかなり障害を受け循環障害も大きな合併症です。

腎不全になって1998年に慢性透析を導入された患者の原因の中で、なんと、36%、10,729人もの方が糖尿病腎症によるものでした。以前はこんなことはなかったもので、透析の原因は慢性腎炎が大部分でしたが、時代は変わったものです。これからも糖尿病患者が増え続けております。いずれ糖尿病が進んで、透析を受けたり、目が見えなくなったり、足が壊死して切断するような方が大変増えるのでは無かろうかと心配しております。透析医や眼科医、整形外科医をこれ以上どうしますか。まさに飽食の日本での病気です。食べ過ぎない、飲み過ぎない、よく歩くなどの運動をすることで、自己責任における自己管理、自己防衛が必要です。

統計的には、糖尿病からの腎症は糖尿病発病後、10年で約20%、20年で50%と報告されています。

原因
腎臓は糸球体というたくさんの血管が奇り集まったろ過器をもち、血液中の老廃物をろ過し尿を作っています。ところが糖尿病による高血糖が長く続くことにより、その糸球体の働きは弱くなり、血管の膜が粗くなって正常では通過しない毒素やタンパク質が尿の中に出てきます。同時に濾過機能が低下し、腎臓そのものも弱ってきます。

検査
血液検査・・・一日平均血糖値や腎機能       
尿検査・・・タンパク尿、尿糖の有無程度、一日尿量


糖尿病性腎症の症状

全身の浮腫ですが、これは疾患がかなり進行しないと気づかないようです。むしろ健康診断でタンパク尿を指摘されて病気に気づく方が多いようです。
初期、自覚症状なし。次第に血圧の上昇・むくみ。末期は、肺水腫か心不全を起こす。


糖尿病性腎症の検査
検査
血液検査:血糖日内変動として毎食前・毎食後2時間での血糖値、尿素窒素、クレアチニン、尿酸尿検査:タンパク尿、尿糖の有無程度、一日尿量、一日(24時間)尿糖
腎機能検査: 24時間クレアチニンクリアランス

糖尿病性腎症の治療

陰性又は、微量 タンパク尿期(早期腎症の時期)
食事療法・運動療法・薬によるきちんとした血糖コントロール、降圧治療(血圧を下げる薬:特にACE阻害剤)             

タンパク尿期(顕性腎症の時期)
食事療法・運動療法・薬によるきちんとした血糖コントロール、降圧治療、食事療(タンパク制限食)、利尿剤、漢方薬         

腎不全期(末期腎症の時期)
食事療法・運動療法・薬特にインシュリンによるきちんとした、降圧治療、低タンパク食、透析療法、尿素窒素吸着剤、カリウム吸着剤、利尿剤、漢方薬、透析療法、腎移植


文献

1. 鈴木吉彦:よくわかる最新医学、糖尿病、主婦の友社、1999.
2. 小島操子ほか編:成人看護学(5)内分泌・代謝疾患患者の看護 、医学書院、2002       



泌尿器科の病気のページに戻る