佐賀県透析医部会学術講演会

平成28年9月29日佐賀市ホテルニューオータニにて開催され、院長が出席しました。和歌山県立医科大学腎臓内科、重松隆教授による講演:リンから見た透析療法、があり、大いに勉強しました。話しぶりが上手で、懸命に伝えようとして、判りやすく飽きない眠くない講演でした。

透析患者の血管は高度の石灰化が特徴。非透析患者では動脈の内膜が石灰化するが、透析患者では動脈の中膜が石灰化する。血管平滑筋の細胞培養を高リン下で行うと石灰化を生じる(200年)。高リン血症下で血管にリン酸カルシウムとしてハイドロキシアパタイトが沈着する。アルカローシスでリンが増え、アシドーシスでリンが減る。リンは地球では12番目に多い元素ですが、体内では4番目に多い元素で、それだけ重要な元素。骨や歯、遺伝子、細胞膜のリン脂質、アデノシン三リン酸(ATP)、がんに多い。がんではリン酸転移酵素が激増。スイスのフランスパンはすぐにこちこちに硬くなったが、日本のパンはリン酸塩が多いのでいつまでもフワフワで柔らかい。血性リン酸が多い動物ほど短命。リン代謝の特徴はたくさん摂取してたくさん排泄すること。高リン血症になると活性型ビタミンDが減少し、その逆も生じる。

高リン血症の治療;下記の方法が在る
・透析による除去:3000mgのリンを1週間の透析で除去する。腹膜透析では2300mg。高たんぱく食ではリンが多いが、唯一卵白のみはリンが少ないので、卵白を多く使用すれば高たんぱくで低リンになる。透析患者が毎日卵3個分の卵白を食べるとアルブミンが増えてリンが減る。

・炭酸カルシウム剤:食事中か食事直後が効果的、タケプロンなどと併用すると効果が減る。3グラムまでが良く、6グラムになると血管の石灰化が起こるなど、多すぎると弊害が出る。

・ポリマー:塩酸セベラマー(レナジェル)はアシドーシスになるので保存期は無理。カルタン1.5gとセベラマー3gが同等。副作用としては便秘やイレウス、アローゼンやプルセニドは効果無く、ラクテュロースが良い。アミテェーザは効果あるが高価。クローム、ランタン、アルミ、鉄がリンを良く吸収するが、クロームとアルミは副作用のために使えず。炭カルと併用し相加作用有り。鉄剤の表面を不整にする技術が難しかった。スクロオキシ三価鉄は腸内で鉄が露出しリンを吸収する。

CKDでは老化が早まる。腎には抗老化遺伝子が有り、CKDではこの遺伝子が弱るので老化が早まる。

栄養学会ではREW(Protein Energy Wasting)を問題にする。透析での最大の合併症とされる。透析学会ではMIA(Malnutrition Inflammation Arteriosclerosis)を問題にする。老年学会ではFrailityを問題にする。Sarcopeniaもこれらと同義語。透析患者の短命原因としては、低リン血症、低アルブミン血症、高CRP、高フェリチン、低BUN、低コレステロール(120以下)。栄養スクリーニングのGNRIでは91以下が低栄養。栄養士は食事制限では無くて、何とか食べさせるようにする。食べさせることが仕事。蛋白制限の弊害。蛋白を多く食べて高たんぱくが最も長生きするので、リンを減らすために多く食べて抗リン剤を飲むのが良い。低リン血症ではエポジンが効きにくい。大腿頸部骨折は透析患者では16倍多く、低リン血症に多い。骨折すればすぐに手術してすぐ歩かせることが必要。寝たきりにさせない。手術しない整形外科医は別を探す。日野原重明先生はよく肉を食べている。Renal Replacement Therapy雑誌。

FGF23は,骨により産生され,Klotho-FGF受容体複合体に作用することにより,腎近位尿細管でのリン再吸収と,血中1,25-水酸化ビタミンD濃度の低下を介する腸管リン吸収の抑制により,血中リン濃度を低下させるホルモン。今後はこのホルモンがリン代謝異常の治療に関係してきそう。

九大先輩黒川徹先生から著書を頂いた

平成28年9月10日ご家族のご病気のことで黒川徹先生が来院し、家族説明の後で著書:一歩一歩、小児神経内科医の歩み、を頂いた。早速読んで昔の九大が懐かしく思い出されました。

同日、九大先輩の隅田郁男先生が心筋梗塞で急逝され、唐津市公善社パインフィールドホールでの通夜に参りました。

伊万里有田地区三師会学術講演会

平成28年9月9日伊万里市迎賓館にて開催され、副院長と院長が出席し勉強しました。九州大学循環器内科、的場哲哉講師による講演:冠動脈疾患二次予防における非スタチン脂質低下薬の役割、がありました。動脈硬化から急性冠症候群(ACS:acute coronary syndrome)に至る機序は血管内皮の炎症が起こり、マクロファージが遊走し、血管内皮のプラークが形成され、プラークが破れることで生じる。そして、LDLが多いとACSも増える。スタチンのみでLDLを減少するには高用量を必要とするが、ゼチーア(エゼチミブ)を併用すると低用量のスタチンで同等の効果が在る。PSCK9;LDL受容体分解促進タンパク質、プロ蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9型。PCSK9阻害薬はヒト型モノクローナル抗体製剤であり、PCSK9とLDL受容体の結合を阻害することで、LDL受容体の分解を抑え、血中LDL-Cの肝細胞内への取り込みを促進する作用を持つ。酸化コレステロールも動脈硬化を悪化させる因子。NPC1L1:コレステロール輸送体(コレステロールトランスポーター)として知られるタンパク質。コレステロールを吸収する作用を持つ。小腸粘膜や肝臓などに存在する。NPC1L1の働きを阻害すると、コレステロールの吸収を抑制することができる。コレステロールトランスポーター阻害薬「エゼチミブ」などは、この作用を利用した薬物である。

第81回日本泌尿器科学会佐賀地方会

平成28年9月3日佐賀市マリトピアにて開催され、副院長と院長が出席しました。監事として佐賀地方会幹事会にも出席しました。その後すぐに泌尿器外科手術の理論と手技研究会があり、長崎大学形成外科田中克己教授による特別講演が在りました。リンパ管再建手術や移植片の動静脈再吻合術を顕微鏡下で行われていました。J-TECの培養皮膚、30万円で自己の皮膚1センチ四方を18センチ四方に3週かけて増殖させ、それを移植する方法や500万円かけて500万個の脂肪細胞幹細胞を移植する方法などがありました。

第3回佐賀腎尿路疾患フォーラム

平成28年9月1日佐賀市ホテルニューオータニにて開催され、院長が出席しました。IgA腎症ガイドラインによれば血尿の定義として赤血球が鏡検で5個以上/HPF、血尿の9.5%が将来腎機能が低下する。IgA腎症ではCX3CR1陽性白血球の機能が活性化して腎を障害する。変形赤血球が在れば腎疾患由来。血尿でも22年間に1%が腎不全。まれにアルポート症候群が居て、血尿で発症する。小児の。IgA腎症では57%が治癒し、残りは治らず、いずれ透析に移行する。糸球体の変性、壊死が5年で生じるので、早めに治療する必要が在る。ジピリダモール(ペルサンチン)、ステロイド、ワーファリンのカクテルで治療すると80〜90%が治る。ステロイド単独治療ではカクテル治療よりも治癒率は低い。軽症IgA腎症では ACE阻害剤のリノシプルが2年で80〜90%で蛋白尿が消失する。リノシプルにロサルタンを追加すると早く効果がでる。長期予後も非常に改善する。

小児ネフローゼは年間1000人発症。ステロイドで90%が蛋白尿消失、70%再発し、ステロイドは副作用も有り、発育不全を生じる。40%は頻回の再発有り。初期のステロイド治療は2ヵ月と6ヵ月投与は同じなので、2ヵ月が良い。

臨床研究が大切。臨床研究中核病院制度が出来たので、すべて日本製で研究し、これから医療機械や薬を開発することが大切。

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院内勉強会、臨時

平成28年8月30日夕方院内にて医師とナースを対象に開催され、べーリンガーインゲルハイム長崎佐賀営業所の冨永雅裕氏から糖尿病とSGLT2阻害剤ジャディアンスについての説明と寿司のお土産が在りました。

岩坪先生を囲む会

平成28年8月27日福岡市博多区粋房太郎にて開催され、院長が出席しました。岩坪先生が脊損センターに居た頃に研修に来た後輩達が九大や東大などの教授に4人もなっており、その他の後輩達もいろんな所で多いに活躍しています。素晴らしいものです。岩坪先生もまだ現役で、週3回しか診療をされて居ませんが、とてもお元気でした。

院内ボーリング大会

平成28年8月24日伊万里市スターレーンにて開催され、20人が参加し、2ゲームをしました。全員に景品が在りました。皆さん高得点が全く出ない中での、なかなかいい勝負でした。

CAPD研究会

平成28年8月18日佐賀市エスプラッツにて開催され、院長が出席しました。在宅腹膜透析に、訪問看護、往診、ヘルパー達が一緒になって連携しあい、在宅医療をしていました。メールやLINEで連絡を取り合って、患者の情報をすぐに全員で共有して連携在宅医療を行って、在宅腹膜潅流を続けていました。訪問看護師が腹膜潅流をきちんと援助できることが素晴らしかった。

準備室棚設置

平成28年8月11日、以前から前田木工所に依頼していた2階準備室の棚取り付けがありました。ピンク色で仕立ててきれいに設置でき、少しごてごてしていた準備室がすっきりと整頓しやすくなりました。

ナースセミナー:前立腺癌の薬物療法と対策

平成28年8月8日佐賀市ホテル創世にて開催され、職員看護師2人と院長が出席し勉強しました。gonaxの注射方法について実技指導が在りました。

伊万里有田地区三師会学術講演会

伊万里市フォレストイン伊万里にて開催され、院長が出席し勉強しました。熊本大学呼吸器内科、興梠博次教授による講演:喘息・ACOS・COPDの診断と治療、がありました。

タバコ関連肺疾患(smoking-related interstitial lung disease:SRILD)には、combined pulmonary fibrosis and emphysema(CPFE)がある。CPFEは肺線維症と気胸を合併したもので、ほとんどが男性、タバコ病。肺活量や1秒率は正常だが、運動時の低酸素症が特徴で、肺性高血圧を伴う。小嚢胞が多い。肺腺癌にはタバコ由来のものとタバコと関連が無いものとが有り、後者は日本人の女性に多いく、分子標的薬が効果的。オブジーボは5年生存率を10%から20%にする。気管支吸入剤を指導する前に必ず自分で操作する。ACOSは気胸と慢性気管支炎の合併したもの。

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院内無線LAN強化作業

平成28年7月30日院内無線LANの有線ルーター、LANケーブルを1ギガ仕様に変更しました。今まで同時に5台まで使用できるケーブルテレビでのインターネット接続をしていましたが、使用中に速度が低下したり、接続不良が頻発していました。これについて2度ケーブルテレビに問い合わせましたが、良い回答が得られませんでした。たまたまネットで勉強していた時に、無線LANの接続を改善する方法が有り、それを参考にした所その後の接続が大いに改善しました。 BUFFALO Giga対応 金属筺体 電源内蔵 5ポート ホワイト スイッチングハブ LSW4-GBUFFALO ブロードステーション リモートアクセス&Giga対応 有線LANルーター BHR-4に変更し、LANケーブルもカテゴリー5eあるいは6に変更しました。

糖尿病栄養療法勉強会

平成28年5月12日佐世保市ホテルリソルにて開催され、院長が出席し、勉強しました。伊万里有田共立病院内科、松永和雄副院長による講演:肥満症の食餌療法、がありました。

伊万里有田認知症勉強会

平成28年7月6日伊万里市フォレストイン伊万里にて開催され、院長が出席し勉強しました。菜の花診療所北村ゆり子理事長による講演:アルツハイマー型認知症治療におけるAchE-1の使い分け、がありました。

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